はじめての
屋根カバー工法
最初で最後の屋根カバー工法にするためのポイント
※このページは主に戸建て住宅を対象にした内容です。
中東情勢の影響について
この記事に掲載している費用や単価は、2026年9月時点の最新情報です。
労務費の上昇や中東情勢の影響などにより、屋根工事価格の値上がりが続いています。
テイガクからの最新情報は、以下のページでご確認いただけます。
・テイガク最新の屋根工事単価表
・中東情勢による建材価格の推移と今後の価格予測
スレート屋根の上に金属屋根で屋根カバー工法
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屋根カバー工法マニュアル
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屋根カバー工法の基礎知識
屋根カバー工法とは?
屋根カバー工法とは、古くなったり傷んだりした古い屋根をはがさず、その上から新しい軽い屋根を重ねて張る工事方法のことです。
既存の屋根をはがして処分する工程がないため、葺き替えと比べて工事費用を抑えやすく、工事期間も短縮できます。
一般住宅では、スレート屋根(コロニアル・カラーベスト)の上に、軽量な金属屋根を重ねる方法が広く採用されています。
【工事手順ゼロから動画で解説】 屋根カバー工法の手順
実際の屋根カバー工法の工事手順を解説
工場や倉庫の古い屋根も屋根カバー工法で改修
戸建て住宅だけでなく、老朽化した工場や倉庫でも、屋根カバー工法による改修が増えています。
工場や倉庫の屋根カバー工法でも、古い波形スレート屋根や金属屋根を撤去せず、その上から「折板屋根(せっぱんやね)」と呼ばれる軽量な金属屋根を重ねて施工する方法が一般的です。
屋根カバー工法の目的
ルーフィングを新しくすること
戸建て住宅における屋根カバー工法の目的は、2つの防水機能を新しくすることです。
2つの防水機能とは、ルーフィングと屋根材のことです。
屋根カバー工法の最初の手順は、スレート屋根の上にルーフィングを貼る作業から始まります。
ルーフィングや下葺き材(したぶきざい)とよもよばれ、最終的に雨漏りをふせいでくれる大切な防水シートです。
防水シートを貼ったのちに、金属屋根などの軽い屋根材を張ります。
防水シートと屋根材の2つが新しくなることで、長期にわたる屋根本来の機能を取り戻すことができます。
ルーフィングの種類
ルーフィングには、耐久性の目安が10年程度の商品から、60年程度の耐久性が期待できる高耐久商品まで、さまざまな種類があります。
商品を選ぶ際は、少なくとも一般社団法人日本防水材料協会が定める「ARK 04S-04」の規格に適合または準拠していることを確認してください。
また、スレート屋根の段差部分に釘やビスが当たると、ルーフィングに負担がかかり、防水性能が損なわれるおそれがあります。
そのため、屋根カバー工法では、釘穴に対する止水性や段差への追従性に優れ、長年の施工実績があるアスファルト系ルーフィングをおすすめします。
屋根カバー工法でおすすめのルーフィング
| ルーフィング | 材質 | 規格 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| アスファルトルーフィング940 | アスファルト | ー | △ |
| 改質アスファルト(高強度不織布) | アスファルト | ARK04S-04 | ◎ |
| ポリエチレン | 高分子系 | ー | △ |
| ポリエチレン+ポリエステル | 高分子系 | ARK04S-04 | 〇 |
屋根カバー工法で用いる屋根の種類
屋根カバー工法では、一般的に金属屋根を使用します。
従来はガルバリウム鋼板が広く採用されてきましたが、特に海に近い地域では、潮風に含まれる塩分の影響を受けやすく、錆に強いとされるガルバリウム鋼板であっても、経年によって錆や腐食が進行することがあります。
そのため、沿岸部をはじめ、錆や腐食のリスクが高い地域では、ガルバリウム鋼板をベースに耐食性をさらに高めた「SGL鋼板」を使用した屋根材がおすすめです。
一方、できるだけ工事費用を抑えたい場合には、金属系ではない「アスファルトシングル」も選択肢のひとつです。
また、国内の主要メーカーが販売している金属屋根には、裏面に断熱材が一体化された製品が多く、屋根の断熱性能の向上も期待できます。
テイガクでも、断熱材一体型の金属屋根で屋根カバー工法をおこなったお客様から、「以前より2階の暑さがやわらいだ」といった声を数多くいただいています。
屋根カバー工法でおすすめの屋根材
| 屋根材 | 素材 | 耐久性 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| 金属(断熱材なし) | ガルバリウム鋼板 | 30年 | △ |
| 金属(石粒付) | ガルバリウム鋼板 | 30年 | 〇 |
| 金属(断熱材あり) | ガルバリウム鋼板 | 30年 | 〇 |
| 金属(断熱材あり) | SGL鋼板 | 35年 | ◎ |
| アスファルトシングル | アスファルト系 | 25年 | △ |
屋根カバー工法ができない屋根は?
工事できる屋根は限定されている
全ての屋根にカバー工法が採用できるわけではありません。
以下のようなケースでは、屋根カバー工法ではなく原則、葺き替え工事をおこないます。
1.劣化が進行している屋根
築35年以上が経過している屋根や、すでに雨漏りが発生している屋根では、スレート屋根の下にある野地板まで劣化していることがあります。
野地板の劣化が進むと、屋根材を固定するためのビスや釘を十分に効かせることが難しくなります。
そのため、このような屋根では通常の屋根カバー工法が適さず、野地板を増し張りしてから施工する方法や、既存屋根を撤去する葺き替え工事が必要になる場合があります。
2.瓦屋根
屋根カバー工法を行うための条件のひとつに、既存の屋根面がフラットであることがあげられます。
そのため、瓦屋根には、屋根カバー工法はできません。
また、瓦屋根はもともと屋根重量が大きいため、その上からさらに屋根材を重ねて荷重を増やす方法は、建物への負担という点からもおすすめできません。
例:②古いトタン屋根
金属屋根の上に屋根カバー工法を行うことは、技術的には可能です。
ただし、古いトタン屋根では、長年の雨水や結露などの影響によって、屋根下地である野地板が傷んでいることがあります。
そのため、古いトタン屋根を改修する場合は、まず野地板の更新を目的に葺き替え工事を検討するのが基本です。
また、トタン屋根はスレート屋根の異なり、撤去処分の費用の価格が安価であり、費用対効果を考えても葺き替え工事を選択する方が有益です。
屋根カバー工法をおこなう業者とは?
屋根カバー工法の施工を担うのは、建築板金職人です。
そして、建築板金職人が所属し、金属屋根工事を専門に行う会社が建築板金工事会社です。
屋根カバー工法では、屋根材を選ぶだけでなく、棟板金や軒先、ケラバ、壁際など、さまざまな板金部材を建物の形状に合わせて加工・施工する技術が求められます。
また、既存屋根の状態を見極め、適切なルーフィングや固定方法、板金納まりを選定するための知識や経験も重要です。
テイガクは、こうした金属屋根や金属外壁の工事を専門とする建築板金工事会社です。
屋根カバー工法の耐久性は?
適切な材料と施工方法で屋根カバー工法を行えば、30年以上の耐久性が期待できます。
屋根カバー工法は、現在ではスレート屋根などを改修する代表的なリフォーム方法のひとつとして定着しています。
一方、屋根カバー工法が急速に普及したことで、十分な知識や経験を持たない業者による施工不良や、必要な工程を省いた工事が行われているケースもあります。
そのため、長期間にわたって安心できる屋根に仕上げるには、高度な建築板金技術と十分な施工経験が求められます。
屋根カバー工法の工事時期は?
築年数を教えていただければ、年数に応じた屋根カバー工法のポイントを整理します。
築後15年未満の屋根でカバー工法を検討するのは、一般的には少し早いといえます。
ただし、風の影響を受けやすい地域や、耐風性能が十分ではない屋根材・施工方法が採用されている場合は、築後わずか1年程度でも屋根材がはがれるなどの不具合が発生することがあります。
特に、海岸沿いや高台、周囲に建物や樹木など風を遮るものが少ない場所では注意が必要です。
屋根材の浮きやはがれなど、すでに不具合が顕著に現れている場合は、築年数だけで判断せず、耐風性能に優れた屋根材と施工方法による屋根カバー工法を検討するとよいでしょう。
実態としてこの時期のスレート屋根は、太陽光パネルの新設工事と合わせて屋根カバー工法を行う機会がテイガクでは多いです。
築15年~25年未満のスレート屋根は、屋根カバー工法を検討するのに適した時期です。
2000年代初頭には、アスベストを含まないスレート屋根材が広く流通するようになりました。
この時期に発売された一部のスレート屋根材は、従来のアスベストを含むスレートと比べて割れや欠けなどが生じやすく、ひび割れやはがれといった不具合が比較的多く確認されています。
築10年~20年ほど経過すると、補修だけでは対応しにくい状態になっているケースも少なくありません。
テイガクでは、この時期に施工されたスレート屋根については、屋根材の種類や劣化状況を確認したうえで、安易に塗装を行うのではなく、屋根カバー工法などを検討することをおすすめしています。
築25年以上が経過したスレート屋根は、屋根カバー工法を検討するのに適した時期です。
一方、築30年を超える頃になると、屋根材だけでなく、その下にある野地板まで劣化が進んでいることがあります。
野地板の状態によっては、通常の屋根カバー工法では対応できず、野地板を増し張りしてからカバー工法を行う方法や、屋根をすべて撤去する葺き替え工事を選択しなければならない場合があります。
また、この時期のスレート屋根には、アスベストが含まれています。アスベストを含むスレートを撤去して葺き替える場合、撤去・処分費用が加わるため、工事費用は高くなります。
できるだけ葺き替えを避けたい方は、野地板まで劣化が進む前に屋根を点検し、屋根カバー工法を検討することをおすすめします。
築40年以上が経過したスレート屋根に、テイガクでは原則として屋根カバー工法を行いません。
築40年以上の屋根は、屋根材だけでなく、野地板が結露によって劣化がかなり進んでいることが多いからです。
また、この年代の建物には旧耐震基準で建築された住宅も含まれます。
屋根カバー工法は既存の屋根を残したまま新しい屋根材を重ねるため、建物全体の耐震性や屋根荷重についても慎重な判断が必要です。
そのため、築40年以上のスレート屋根については、屋根カバー工法ではなく、既存屋根を撤去して下地の状態を確認できる葺き替え工事を基本として検討することをおすすめします。
屋根カバー工法と葺き替えの費用と目安
屋根工事業者へ見積を依頼する前に屋根カバー工法と葺き替え工事の費用の目安を把握しておきましょう!
一般的なガルバリウム鋼板で屋根カバー工法をおこなった場合、費用は次の計算式で概算できます。
屋根カバー工法の費用目安(税込み)
(屋根面積1㎡当たり × 1.2万円)
+
足場代20万円
たとえば、屋根面積が80㎡の場合、屋根カバー工法全体の概算費用は税込みで約108万円です。
使用するルーフィングや屋根材の種類によって、費用は1〜2割程度変動します。
※そのほか実際の費用は、屋根の形状や勾配、建物周辺の作業環境、用いる板金部材、依頼する業者などによって異なります。
一般的なガルバリウム鋼板の屋根へ葺き替える場合、費用は次の計算式で概算できます。
葺き替え費用目安(税込み)
(屋根平米 × 1.8万円)
+
足場代20万円
アスベストを含む屋根を葺き替える費用の目安(税込)
(屋根平米 × 2万円)
+
足場代20万円
たとえば、屋根面積が80㎡の場合、葺き替え工事の概算費用は税込みで約164万円です。
屋根にアスベストが含まれている場合は、通常の葺き替え工事より高額になります。
葺き替えは野地板を増し張りする工事が伴います。
※そのほか実際の費用は、ルーフィングや用いる屋根材、屋根の形状や勾配、建物周辺の作業環境、板金部材、依頼する業者などによって異なります。
屋根カバー工法に関するお役立ち記事
屋根カバー工法に関するよくある質問
A
カバー工法の工事価格はどんな葺き替え工事よりも安いです。
古いコロニアルを新しいコロニアルへ葺き替える工事は、「1.既存のコロニアルを撤去する手間」「2.既存のコロニアルを処分する費用」そして「3.野地板を新しく張る手間と材料費用」がかかります。
最近の傾向として「3.野地板を新しく張る手間と材料費用」を除いたコロニアル葺き替え工事を推し進める業者が多いです。
しかし、コロニアルはとてもデリケートな屋根材なので、野地板の経年劣化や葺き替え時の野地板への負荷(バールで無理やり剥がします)に配慮する必要があります。
コロニアル製造会社であるケイミューは野地板を新設しないことを禁止しています。
また、コロニアルを処分する産業廃棄の費用負担も近年大幅に値上がりしています。
A
原則、問題はありません。
パミールは含水率が高いノンアスベストのスレートとして知られています。
主に吸水する箇所はパミールの先端部分です。
パミールは先端の小口(切り口)から雨水をたくさん吸い込みます。
そのため、パミールは先端が異常なほどめくれ上がることがあります。
同時に吸い込んだ水は蒸発して屋根の隙間に結露を引き起こします。
カバー工法をおこなうとパミールが雨で濡れることがなくなるから、この問題は解消できます。
屋根の消耗が進行している屋根は、粘着シール付きの防水シートで屋根全体を一体化させる処置をおこないます。
ボロボロのパミールをシールの力で抑え込ませます。
パミールについて詳しくはこちら
A
アスファルトシングルを用いた屋根カバー工法が最も安く仕上げられます。
アスファルトシングルとは分厚いゴム素材の屋根です。
屋根カバー工法にかける予算が少ないかた向けの屋根材です。
アスファルトシングルのカバー工法費用について詳しくはこちら
A
色あせをベンチマークにするのであれば、塗装は不要です。
しかし、錆をベンチマークにするのであれば、塗装は必要です。
金属屋根のメーカーからはウレタン塗膜の金属屋根は10年、フッ素塗膜の金属屋根は25年経過後に再塗装することが推奨されています。
しかし、色あせが屋根機能に与える影響はありません。
色あせは見た目だけの問題です。
なお、金属屋根のなかには色あせがしない石粒付き鋼板屋根があり、最近人気が高まっています。
石粒付き鋼板屋根のカバー工法費用について詳しくはこちら
A
断熱材入りもしくは空気層がある石粒付きの金属屋根は遮音効果があるため、雨音の心配はありません。
テイガクは過去1万棟近く屋根カバー工法をおこなってきましたが、一度も雨音に関する問題はおこっていません。
雨音は縦葺きの断熱材がない金属屋根で仕上げる場合に起きる問題です。
