瓦棒とは?
瓦棒は”木の棒”と”金属の板”で構成された金属屋根のひとつです。
屋根の傾きに沿って縦方向で仕上げる縦葺き(たてぶき)屋根でもあります。
一般的には”トタン屋根”とよぶ人が多いです。
瓦棒の構造
凸っとした突起物があるのが特徴
瓦棒の屋根には凸っとした突起物があります。
その突起物の中には芯木とよばれる木の棒を入れます。
芯木と芯木の間にどぶ板とよばれる板を敷き、芯木の頂点にはカッパとよばれるコの字型の細い板金部材を取り付けます。
芯木なし瓦棒
瓦棒は芯木を入れずに施工をおこなうことも可能です。
むしろ木と金属が触れ合うと電蝕(でんしょく)による錆びを引き起こすため、瓦棒で施工をおこなう際は芯木なし瓦棒で仕上げる機会が多くなっています。
ただし、より簡素なフォルムで施工が容易な立平(たてひら)が登場し、縦葺き屋根は立平で仕上げることが最近は多いです。
立平の動画についてこちら
瓦棒の寿命
素材 | 寿命 |
---|---|
トタン瓦棒 | 25~30年 |
ガルバリウム鋼板瓦棒 | 30~35年 |
現存する瓦棒の多くがトタン製です。
トタンは錆びの拡大が早く、塗装のメンテナンスを怠っていると20年程度で屋根の機能が低下します。
したがって、最近の瓦棒はコストと耐久性に優れたガルバリウム鋼板で仕上げることが多いです。
瓦棒のリフォーム費用
瓦棒のリフォーム費用相場を下記に示します。
工事価格は面積や形、傷み具合、周囲の環境、プランによって変わります。
80㎡の切妻 | 費用 |
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応急処置・補修 | 5~10万円 |
塗装 | 15~25万円 |
屋根カバー工法 | 90~110万円 |
葺き替え | 100~120万円 |
瓦棒のリフォーム方法(葺き替え)
古い屋根の状態確認
画像の屋根はアスファルトシングルです。
天窓からの雨漏りがひどかったため天窓を潰すことに。天窓の穴を屋根でふさぎました。
野地板を張る
屋根の下地である野地板(のじいた)を敷きます。
築後30年が過ぎた屋根には必須の工程です。
芯木を取り付けます
屋根の防水シートであるルーフィングを敷き、そのうえに芯木を取り付けます。
どぶ板を取り付けます
芯木と芯木の間にどぶ板を敷きます。
カッパを取り付けます
芯木の頂点に、カッパとよばれる細い板金部材を取り付けます。
完成
素材はガルバリウム鋼板です。
垂木の劣化注意
瓦棒の雨漏りを放置してしまうと、屋根内部にある垂木(たるき)が腐食してしまいます。
垂木は野地板を支える屋根の構造材です。
垂木の劣化が認められると、野地板をはがして垂木補強工事をおこなう事態になります。
野地板をはがす工事はコストがかかります。
雨漏りが生じた屋根は、垂木の腐食が進む前に葺き替えなどの全面改修工事を検討してください。
瓦棒の改修工事は板金工事会社へ
瓦棒は現場で成型加工できるので、機械をお客様宅へ持ち出して施工をおこなうこともあります。
金属の建材を切ったり張ったりする作業は特別な技術を必要とします。
瓦棒のような金属建材を取り扱う工事は、金属屋根の専門工事会社である板金工事会社にお尋ねください。