覚えて欲しいのは、金属屋根を用いて屋根カバー工法をおこなうのは板金工事会社であるということです。
そして、板金工とよばれる職人さんが工事をします。
板金工事業は29種ある建設業の専門職のひとつです。
しかし、どちらかというと地味な職業なので、世の中の人にあまり知られていません。
筆者も瓦葺きや塗装工事に比べると正直、地味だと思っています。
だけれども、専門性が極めて高く、価値がある職業だと胸を張って断言できます。
このページを通して金属屋根のカバー工法を専門とし、得意としている板金工事会社と板金工について是非、知ってください。
屋根カバー工法の業者選びについて【解説動画】
屋根カバー工法の業者選びのポイント【解説動画】
屋根カバー工法の業者の選び方
屋根カバー工法でつかう屋根材
屋根カバー工法は、古い屋根のうえに軽い屋根を被せて張り付ける屋根リフォーム方法です。
屋根カバー工法でつかわれる屋根材はいくつか種類があります。
一般的には耐風性能や耐久性に優れたガルバリウム鋼板などの金属屋根がつかわれます。
最近はガルバリウム鋼板を改良したエスジーエル鋼板も人気です。
いずれにしても、屋根カバー工法では金属屋根を用いることが主流となっています。
屋根カバー工法は板金工事会社へ
金属屋根をつかった屋根カバー工法は板金工事会社がおこないます。
工務店やハウスメーカー、ホームセンター、リフォームショップ、不動産会社は直接工事の形態で屋根カバー工法をおこないません。
たとえば、工務店が屋根カバー工法の工事契約をした場合、工務店から板金工事会社へ屋根工事が外注される流れになります。
ややこしいのが瓦葺工事会社や塗装工事会社です。
瓦葺工事会社や塗装工事会社も屋根工事に関わっている会社なので、一般の人に屋根カバー工法ができる工事会社だと思い込まれていることが多いです。
しかし、この場合も下請け構造になります。
瓦葺工事会社や塗装工事会社が請け負う屋根カバー工法の工事は、板金工事会社に外注されます。
直接工事のメリットを最大限に活かすのであれば、屋根カバー工法は板金工事会社に直接依頼をすることをおすすめします。
屋根カバー工法は板金工事会社以外でできないのか?
できるかできないのか尋ねられたら、屋根カバー工法は何か特別な資格が必要であるわけではないので、できます。
しかし、建築分野に限らず職業の多くは専門が細分化されています。
たとえば、外科手術でも心臓を専門にするドクターもいれば、脳を専門にするドクターもいます。
世の中には手先が器用で屋根カバー工法ができる大工さんや瓦葺工もいるはずです。
しかし、板金工事だけを毎日おこなっている職人さんには技術レベルはかないません。
板金工事会社に依頼するメリット
屋根カバー工法をおこなう時、まずは板金工事会社に依頼することをポイントとしておさえてください。
板金工事会社に直接依頼することで3つのメリットがあります。
1つ目は工事価格の安さです。
2つ目はしっかりした調査と高い工事の提案が受けられることです。
3つ目はトラブルに対する速やかな対応です。
見落とされてしまうのが3番です。
屋根は台風や地震で被害が発生しやすい部位です。
毎年のように大型の台風が日本列島を襲います。
自然災害は同時多発的に起きるものなので、板金工事会社と接点があると速やかな対処がお客様は受けられます。
板金工事会社以外の会社に屋根カバー工法を依頼してしまうと、いつまで経っても屋根の修理をしてくれないといった事態になります。
板金工事会社
板金工
金属建材をもちいた工事をおこなう職人さんを板金工とよびます。
屋根工事では金属屋根への葺き替えや屋根カバー工法を得意としています。
外壁工事では金属サイディング工事が得意です。
よく使う道具は電動のこぎりや曲げ工具、はさみです。
金属の板を切ったり、折り曲げたりする加工が得意です。
瓦工事や塗装工事でつかう道具も全く違います。
この板金工を取りまとめているのが板金工事会社です。
施工管理者
板金工事会社は板金工だけで構成された会社ではありません。
たしかに、板金工職人さんだけで組織されている会社もあります。
しかし、板金工職人さんに直接工事を依頼することは、現実的にすくないです。
そしえ、あまりおすすめしません。
板金工職人さんも大事ですが、同じくらいかそれ以上、大事な人がいます。
それは施工管理者です。
施工管理者とは板金工職人さんや屋根材を手配する工事の管理者です。
工事前は現地調査や足場の組み立て手配、見積り書の作成をおこないます。
そして、お客様の疑問質問に答えたり、ときに営業活動もおこなったりします。
工事中は近隣居住者へのあいさつ回り、材料発注、工事の安全と品質確保できているかなどのチェックをします。
工事後は工事確認やゴミの回収、アフターサービスをおこないます。
クレームが発生したらクレーム対応なども施工管理者がおこないます。
施工管理者が携わる仕事は相当な量があります。
施工管理者がおこなうべき業務を板金工職人さんが実際の工事とあわせてやれるのか?
板金工事技術の向上と工事実務だけに板金工職人さんは専念したほうが良いというのが筆者の考えです。
役割分担がはっきりしている板金工事会社に依頼するほうが、圧倒的にトラブルが少なく安心であり、お客様に満足できる工事が提供できます。
板金工事会社の見つけ方
屋根カバー工法をアピールするリフォーム会社はいたるとろにあります。
それでは、板金工事会社をどのようにして見つけるのでしょうか?
板金工事会社は瓦葺工事会社や塗装工事会社とまったく異なるポイントがあります。
それは、工事拠点の大きさです。
瓦やペンキ缶は、1つ1つがそこまで大きくありません。
そのため、小さな敷地や倉庫で管理ができます。
しかし、金属屋根は基本的に長くて大きいです。
特に板金工事会社のもうひとつの専門工事である金属サイディング(外壁)にいたっては、1枚あたり約4mあります。
そのため、板金工事会社の倉庫は比較的大きいです。
板金工事会社であるかどうかは、倉庫をみればわかります。
狭い倉庫で事業が成り立つ塗装工事会社が投資をして、倉庫を拡張し、金属屋根や金属サイディングを購入して管理することはあり得ません。
さらに板金工事市場規模は外壁塗装市場規模よりもはるかに小さいです。
経営的な視点でとらえていただくと、ご理解いただけるはずです。
トラブルが最も多い屋根工事
リフォーム後のトラブルに苦しまれる人が後を絶ちません。
そのようなトラブル解決を図る公的機関にリフォーム紛争処理支援センターがあります。
リフォーム紛争処理支援センターの2019年調査で最も多いクレーム報告が1位が「はがれ」で、2位が「雨漏り」でした。
リフォーム”後”に屋根がはがれたり、雨漏りしたりしたトラブルが最も多いということです。
屋根の不具合は、私たちの生活に与える悪影響がかなり大きいです。
台風や地震などの大規模な自然災害が発生し、雨漏りがおきてしまうと最悪です。
屋根カバー工法のプロであり、トラブル時にも速やかに対応できる板金工事会社に屋根カバー工法は依頼しましょう。