屋根カバー工法をおこなう人が増えています。
屋根カバー工法がポピュラーな工事となって増える一方、明らかに屋根カバー工法で失敗する人も増えています。
特に最近は「何でもかんでもとにかく屋根カバー工法」というように屋根カバー工法をすすめる業者が増えている気がします。
このページでは屋根カバー工法に実際にあった失敗例を解説いたします。
(※テイガクがおこなった工事ではありません)
屋根カバー工法の失敗例【解説動画】
屋根カバー工法の失敗例【解説動画】
失敗が多い屋根工事
リフォーム後のトラブル1位は屋根のはがれ
リフォーム工事後のトラブル相談は年々増加しています。
トラブルに関する相談窓口として、住宅リフォーム・紛争処理支援センターが開設している住まいるダイヤル(0570-016-100)があります。
2019年度に公開された住宅リフォーム・紛争処理支援センターのデータによると、戸建て住宅のリフォーム後の不具合相談件数は、1位が「はがれ」2位が「雨漏り」でした。
これは内装工事を含めた”すべてのリフォーム工事の結果”です。
外壁よりも屋根についての相談件数が多かったことが明らかになっています。
100万円以上もする工事にお金をかけたにもかかわらず、屋根がはがれたり雨漏りしたりするトラブルに見まわれることが多いです。
最悪のケース
屋根カバー工法の平均工事価格は100万円です。
屋根カバー工法をおこった翌年に台風の影響で屋根がはがれ、結局、200万円支払って屋根の葺き替えをおこなう気の毒なお客様もいます。
大規模な自然災害が発生した時はメーカーやリフォーム業者に責任を問うことはできず、免責となります。
また、業者の施工ミスがあったとしても立証するのは困難なことが多く、裁判には時間や費用がかかります。
屋根は生活にかかわる重要な部位です。
屋根がはがれてしまうと、家に住めなくなります。
屋根カバー工法をおこなう時は業者選びや工事方法について慎重になりましょう。
これから屋根カバー工法の失敗例をあげるので、是非、参考にしてください。
屋根カバー工法の失敗例
傷んでいる野地板にカバー工法
既存の野地板の劣化がかなり進行している状態で屋根カバー工法をおこなうと失敗します。
屋根カバー工法は古い屋根の下地である野地板(のじいた)を再利用する工事です。
最近の金属屋根は30年以上の耐久性が期待できるので、屋根の寿命はおのずと野地板の寿命=屋根の寿命となります。
長期にわたり雨漏りが放置された屋根に屋根カバー工法をおこなうと、金属屋根の固持力が発揮できず、風で屋根が飛ばされるといった大惨事になります。
風が強い地域にカバー工法
強風地域(基準風速)や建物の周囲に遮るものがない地域(地表面粗度区分)に屋根カバー工法をおこなう時、屋根材と屋根の張り方を間違えると失敗しやすいです。
屋根材には耐風性能に優れた屋根材や部材、屋根の張り方があります。
特に横葺き金属屋根は屋根が一枚でもはがれてしまうと屋根一面全てを張り直しの事態になることがあります。
屋根材の留め具はビスがおすすめ!
強風地域に横葺き金属屋根を張る場合、釘ではなくビスを使って1枚1枚屋根を張ると耐風性能が高まります。
釘とビスどちらでも良いと判断している屋根材メーカーが多いです。
強風に不安を覚える方は、ビス留めによる屋根工事を選択しましょう。
ただし、釘と比べて費用と手間がかかってしまいます。
低勾配の屋根にカバー工法
基本的に屋根の傾きが緩い緩勾配の屋根に横葺き屋根でカバー工法をおこなうと失敗します。
横葺き金属屋根は2.5寸勾配以下の屋根に張ることが禁じられています。
そのことを知らずに金属屋根を張って仕上げてしまうと、雨漏りを起こしやすくなってしまいます。
信じられないと思いますが、意外と多い失敗例です。
低品質の防水シートでカバー工法
10年20年といった長い目でみると、低品質の防水シートをつかうことはおすすめしません。
屋根カバー工法の一番の目的は、防水シートを新しくすることです。
屋根材を新しくする工事が一番の目的ではありません。
防水シートは最終的に雨漏りをふせぐ役割があり、60年近く機能を維持する高耐久のものから10年程度で劣化がはじまる製品まで様々です。
基本的には改質アスファルト(通称ゴムアス)とよばれる品質以上の製品を屋根カバー工法ではつかってください。
屋根カバー工法で失敗しないために
屋根カバー工法で失敗しないための5つのポイントを解説します。
板金工事会社に直接依頼
金属屋根を張る工事を実際におこなうのは板金工事会社です。
屋根カバー工法は板金工事会社に直接依頼することをおすすめします。
台風や竜巻などのトラブルがあった場合、板金工事会社は金属屋根資材と職人さんを管理しているので、すぐに対応できます。
工事会社の設立年数の確認
いうまでもないことですが、工事を依頼する会社の設立年数は長ければ長いほど良いです。
設立から10年以上経過している会社に工事依頼をしたほうが安心です。
ホームページに記載されている施工実績の数は裏付けになる証拠がない(いくらでも嘘がつける)ため、あまり重視する必要はありません。