屋根修理の基礎知識 - 屋根修理のコスト・種類・時期

屋根修理の費用・種類・方法・時期 屋根修理の費用・種類・方法・時期 屋根修理の費用・種類・方法・時期

目 次

表示

屋根修理の前に確認したい3つのポイント

屋根と外壁、どちらのほうが大事でしょうか?
どちらかを選択しなければならないのであれば、屋根のほうが大事なはずです。

屋根からの雨漏りは、外壁からの雨漏りよりも大惨事になることが多いです。
台風や地震などの自然災害は外壁よりも屋根に影響を及ぼします。

屋根は建物で一番重要な部位にもかかわらず、屋根の構造や各屋根材の品質、メンテナンス時期について理解している人はほとんどいません。

これから屋根工事をおこなう方は、「屋根修理の方法」「現在の屋根材」「おすすめの屋根材」の3つを押えておきましょう。

ポイント1

屋根修理の方法

屋根修理の方法

屋根の修理って何をするの? まずは、どのような修理方法があるのか確認しましょう。

ポイント2

現在の屋根材

現在の屋根材

屋根に使われている屋根材は、たくさんの種類があります。自宅の屋根材の特徴と工事方法を押さえましょう。

ポイント3

おすすめの屋根材

おすすめの屋根材

屋根材の「価格」だけでなく「品質」もしっかり確認しましょう。テイガクおすすめの屋根材を紹介します。

ポイント1 屋根修理の目的と方法

目的は屋根修理?それとも屋根リフォーム?

テイガクでは、屋根修理と屋根リフォームを分けて考えています。
屋根修理は屋根の部分修理のこと。
屋根リフォームは屋根の全面改修のことです。

「最小限の費用で屋根を直したい人」は屋根の修理(部分修理)、「1度の改修で長期の安心を得たい人」はリフォーム(全面改修)を選んでください。

部分修理とリフォームの大きな違いは、費用です。部分修理は10万円以内で済む一方、リフォームは100万円以上かかることが少なくありません。

屋根修理の費用の目安

※80平米の比較的シンプルな屋根を想定(2023年8月作成)・法外な値段はテイガクの見解です

部分修理・応急処置

工事内容 相場 法外な値段
DIYで修理 3~5千円
コーキング補修 2~6万円 8万円以上
テープ補修 2~4万円 8万円以上
ブルーシート補修 2~8万円 15万円以上
屋根の差し替え 4~20万円 30万円以上
棟板金の交換 4~15万円 35万円以上
瓦の葺き直し 20~50万円 70万円以上
瓦の漆喰詰め 4~20万円 35万円以上
棟瓦の積み直し 4~15万円 35万円以上
谷樋板金の交換 5~20万円 35万円以上
雨どいの部分補修 2~8万円 20万円以上
雨どいの全部交換 18~30万円 50万円以上
軒天の部分交換 2~8万円 15万円以上
破風板板金巻き 15~30万円 40万円以上

リフォーム(全面改修)

工事内容 相場 法外な値段
屋根塗装 15~25万円 50万円以上
屋根カバー工法 90~110万円 200万円以上
屋根葺き替え 100~140万円 250万円以上
屋根葺き替え
(石綿入り)
130~170万円 300万円以上
屋根葺き替え
(土葺き)
160~200万円 350万円以上

その他

工事内容 相場 法外な値段
足場組立 20万円 45万円以上
太陽光脱着
(鉄製金具)
25~35万円 50万円以上

屋根修理(部分修理)

屋根の応急処置

台風や地震ではがれたり、崩れたりした屋根を一時的に安全な状態にします。
代表的な処置としてはブルーシートをかぶせる方法があります。

はがれたスレート屋根の処置

はがれたスレート屋根の処置

崩れた瓦の処置

崩れた瓦の処置

はがれた棟板金の処置

はがれた棟板金の処置

【ブルーシート張り】

工期 半日
費用 2~8万円(足場なし)
職人

屋根の差し替え/接着/テープ補修

屋根を数枚差し替えたり、接着材で接着させたりします。

瓦の差し替え

瓦の差し替え

崩れた瓦の処置

割れた瓦を接着

スレートをテープ補修

スレートをテープ補修

はがれたスレート屋根の処置

スレートを差し替え

トタンの穴あき補修

トタンの穴あき補修

はがれた棟板金の処置

金属屋根の部分張り

【瓦の差し替え】

工期 1日
費用 5~15万円(足場なし)
職人 瓦葺き工

【スレートをテープ補修】

工期 半日
費用 2~4万円(足場なし)
職人

【金属屋根の部分張り】

工期 1日
費用 5~15万円(足場なし)
職人 板金工

棟(むね)板金の交換

棟とは屋根のてっぺんのことです。
瓦屋根では棟瓦(むねがわら)、スレート屋根(コロニアル)では棟板金(むねばんきん)が棟に取り付けられています。

いずれも風の影響を受けやすく、はがれ落ちる不具合が多い部位です。
なお、台風などの自然災害による棟の不具合は、火災保険が適用されることがあります。

足場工事

①足場工事→

棟板金撤去

②棟板金撤去→

貫板(ぬきいた)撤去

③貫板(ぬきいた)撤去→

貫板新設

④貫板新設→

棟板金新設

⑤棟板金新設

瓦の場合は?

※瓦の場合は?
瓦は貫板の交換がないかわりに棟瓦のすき間にある
漆喰の交換をおこなう場合があります。

【棟板金の交換】

工期 2日
費用 4~15万円
職人 主に板金工

【棟瓦の交換(漆喰工事を伴う場合)】

工期 2日
費用 10〜35万円
職人 瓦葺き工

棟板金の下地に要注意

棟板金の下地は「木下地」あるいは「樹脂下地」が広く普及しています。棟板金がはがれ落ちる理由は、これら棟板金の下地の劣化に起因します。風が強い地域では棟板金の素材を検討してほしいです。テイガクでは「金属下地(エスヌキ)」を用いた「エスヌキ工法」で棟板金を固定しています。

棟板金の下地の素材は金属製がおすすめ

アイコン テイガクが推奨する金属下地(エスヌキ)の強度について

テイガクが推奨する金属下地(エスヌキ)は「価格の安いガルバ」と「錆に強いアルミ」の2種類からお選び頂けます。
アルミは、異種金属接触の腐食を考慮した板厚(1.3mm)で設計し、表面にはアルマイト処理(絶縁処理)を施しています。
これまでの数多くの失敗と経験から生まれたテイガクのオリジナルの下地材です。
詳細はこちら

屋根リフォーム

屋根塗装

足場を組み立てる必要があるので、屋根塗装は外壁塗装とあわせておこなうことがほとんどです。
棟板金の交換も一緒にしてほしい工事でもあります。

足場工事

①足場工事→

棟板金の交換

②棟板金の交換→

洗浄/ケレン

③洗浄/ケレン→

タスペーサー※スレート屋根の場合

④タスペーサー※スレート屋根の場合→

下塗り

⑤下塗り→

中塗り

⑥中塗り→

上塗り

⑦上塗り

【屋根塗装のみ】

工期 4日
費用 15〜25万円
職人 塗装工

【屋根塗装と換気棟取付】

工期 5日
費用 18~30万円
職人 塗装工と板金工

【屋根塗装と棟板金交換】

工期 6日
費用 20~40万円
職人 塗装工と板金工

屋根カバー工法

古い屋根のうえに軽い金属屋根を被せる屋根工事のことです。
古い屋根をそのままにして屋根工事ができるので、コストパフォーマンスに優れています。

足場工事

①足場工事→

棟板金撤去

②棟板金撤去→

ルーフィング

③ルーフィング→

各種板金取付

④各種板金取付→

屋根本体張り

⑤屋根本体張り→

棟板金下地取付

⑥棟板金下地取付→

棟板金取付

⑦棟板金取付

【SGL鋼板の断熱屋根でカバー工法】

工期 7日
費用 105〜120万円
職人 板金工

【石粒付き鋼板でのカバー工法】

工期 6日
費用 80〜95万円
職人 板金工/瓦葺き工

【アスファルトシングルでカバー工法】

工期 6日
費用 70〜80万円
職人 板金工/瓦葺き工

屋根葺き替え

葺き替え(ふきかえ)とは、古い屋根をはがして軽い金属屋根に張り替える工事です。
適切に工事をおこなえば、屋根は新築時と同じあるいはより耐久性が高い状態になります。

足場工事

①足場工事→

屋根撤去

②屋根撤去→

下地調整

③下地調整→

野路板張り

④野路板張り→

ルーフィング

⑤ルーフィング→

各種板金取付

⑥各種板金取付→

屋根本体張り

⑦屋根本体張り→

棟板金取付

⑧棟板金取付

【スレート屋根(石綿無)葺き替え】

工期 10日
費用 140〜170万(足場代含む)
職人 板金工

【スレート屋根(石綿有)葺き替え】

工期 10日
費用 160〜200万(足場代含む)
職人 板金工

【瓦屋根の葺き替え】

工期 12日
費用 150〜180万(足場代含む)
職人 板金工

屋根の修理を知るポイント

カミナリさま

屋根の修理では、他にどのようなことを知っておくとよいですか?

ここでは次の4つを
おさえておきましょう!

1.屋根職人とは板金工もしくは瓦葺き工のこと

屋根本体を張る職人は板金工もしくは瓦葺き工です。 (※スレート屋根を専門に扱う職人さんもいますが、どちらかというと新築の屋根専門です。)
屋根の構造を理解している職業を屋根屋さんとするならば、板金工事会社もしくは瓦工事会社が屋根屋さんになります。

2.屋根塗装は見栄えをよくする工事

屋根の塗装はあくまでも見栄えを良くするだけの工事です。
屋根塗装で屋根の寿命が延命されたり、屋根の不具合が改善されたりすることは証明されていません。(金属屋根の塗装を除く)

3.屋根リフォームの本当の目的

屋根リフォームをする一番の目的は、屋根材の下に敷く防水シート「ルーフィング」の回復です。
雨漏りを最終的に防いでくれるのがルーフィングです。

建築後20年以上が経過した屋根は、ルーフィングの劣化が進行しています。
屋根の「葺き替え」や「カバー工法」でのみ、ルーフィングを新しく敷き直すことができます。

4.屋根を支える野地板(のじいた)

野地板とは、ルーフィングの下に敷かれる木の板のことです。
野地板が機能していていないと、どんな優れた屋根材やルーフィングを使っても意味がありません。

野地板の機能は雨漏りの有無や屋根裏の換気状況、築年数によって変わります。
野地板の傷み具合によって、部分修理かリフォームかを検討する必要があります。

ポイント2 あなたの屋根はどの屋根材?

代表的な4つの屋根

それでは自宅の屋根材が何であるか把握しましょう。
屋根材は大きく分類すると、「スレート」「」「金属屋根」「アスファルトシングル」の4種類です。

スレート屋根(コロニアル)

スレート屋根(コロニアル)

スレート屋根は平べったい薄い板のような屋根材で、主成分はセメントです。コロニアルは、ケイミューが取り扱うスレート屋根の商品名です。軽量で施工性がよく、高度経済成長期以降の戸建住宅で急速に普及しました。

主な不具合は割れです。風で飛ばされたり、ずれ落ちたりする不具合も比較的多いです。

【スレート屋根(コロニアル)改修時期の目安一覧】

屋根材をクリックすると、工事詳細へジャンプします。
※表の年数は建築後年数です。

屋根分類・名称 修理 リフォーム
旧スレート/アスベスト入り
旧スレート/アスベスト入り
(~90年半ばまで製造)
棟板金交換 差し替え 接着補修 屋根塗装 カバー工法 葺き替え
15年 必要時 必要時 15年に1回 25~35年 35年以上
旧スレート/アスベスト無し
旧スレート/アスベスト無し
(90年半ば~2000年半ばまで製造)
棟板金交換 差し替え 部分補修 屋根塗装 カバー工法 葺き替え
15年 不可 不可 不可 15〜20年 30年以上
パミール(旧スレート/アスベスト無し)
パミール/アスベスト無し
(1996~2008年まで製造)
棟板金交換 差し替え 部分補修 屋根塗装 カバー工法 葺き替え
15年 不可 不可 不可 10〜15年 25年以上
コロニアルNEO(旧スレート/アスベスト無し)
コロニアルNEO/アスベスト無し
(2001~2008年まで製造)
棟板金交換 差し替え 部分補修 屋根塗装 カバー工法 葺き替え
15年 不可 不可 不可 15〜20年 30年以上
セキスイかわらU(旧スレート/アスベスト無し)
セキスイかわらU/アスベスト無し
(1990~2007年まで製造)
棟板金交換 差し替え 部分補修 屋根塗装 カバー工法 葺き替え
不可 不可 不可 不可 非推奨 15年以上
新スレート/アスベスト無し
新スレート/アスベスト無し
(2008年~現在)
棟板金交換 差し替え 部分補修 屋根塗装 カバー工法 葺き替え
15年 必要時 必要時 15年に1回 15〜20年 30年以上
波型スレート
波型スレート/アスベスト入り
(~1990年まで製造)
棟板金交換 差し替え 部分補修 屋根塗装 カバー工法 葺き替え
30年 不可 必要時 不可 30年 40年以上

瓦屋根

瓦屋根

瓦は、戸建て住宅で最も普及していて、耐久性は50年近くあります。

一方で、地震や台風の影響による不具合が多い屋根材です。
従来の瓦の留め方に見直しが入り、2022年に瓦の施工方法について建築基準法が約50年ぶりに改正されました。

【瓦 改修時期の目安一覧】

屋根材をクリックすると、工事詳細へジャンプします。
※表の年数は建築後年数です。屋根塗装は美観維持が目的です。

屋根分類・名称 修理 リフォーム
陶器瓦
陶器瓦
棟瓦補修 瓦差し替え 漆喰詰め替え 葺き替え 耐震目的の葺き替え
15年〜30年 20〜30年 15〜25年 40年以上 すぐに
セメント瓦
セメント瓦
(~1990年代まで製造)
棟瓦補修 瓦差し替え 漆喰詰め替え 葺き替え 耐震目的の葺き替え
15〜30年 入手不可 15〜25年 30〜40年 すぐに

金属屋根

金属屋根

新築でも改修において、金属屋根はスレートと瓦を抜いてシェアナンバーワンの屋根材です。
背景には、耐久性の高いガルバリウム鋼板の登場があります。

一方で、金属屋根の既存住宅の9割以上がトタン屋根です。
トタン屋根は錆が発生しやすく、定期的に塗装や穴あきのメンテナンスをおこなう必要があります。

【金属屋根 改修時期の目安一覧】

屋根材をクリックすると、工事詳細へジャンプします。
※表の年数は建築後年数です。

屋根分類・名称 修理 リフォーム
瓦棒(トタン)
瓦棒(トタン屋根)
(~2000年位まで製造)
棟板金交換 部分張り 部分補修 屋根塗装 カバー工法 葺き替え
15年 必要時 必要時 10年に1回 20年 25年以上
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板
(2000年代~主流)
棟板金交換 部分張り 部分補修 屋根塗装 カバー工法 葺き替え
15年 不可 必要時 15年に1回 不可 35年以上

アスファルトシングル

アスファルトシングル

アスファルトが主成分のシート形状の屋根材で、略して「シングル」ともよばれています。
安価なため建売住宅で用いる機会が多いです。
デメリットは風によるはがれの不具合が比較的多いです。

【アスファルトシングル 改修時期の目安一覧】

屋根材をクリックすると、工事詳細へジャンプします。
※表の年数は建築後年数です。

屋根分類・名称 修理 リフォーム
アスファルトシングル
アスファルトシングル
棟板金交換 部分張り 部分補修 屋根塗装 カバー工法 葺き替え
15年 必要時 必要時 不可 20年 30年以上

屋根材別の特徴と工事工法

旧スレート/アスベスト入り

旧スレート/アスベスト入り
修理
棟板金交換 差し替え 接着補修
15年 必要時 必要時
リフォーム
屋根塗装 カバー工法 葺き替え
15年に1回 15年 40年以上

1990年代以前のスレート屋根が当てはまり、アスベストが含まれています。
アスベストが含まれている屋根は比較的長寿命で、35年前後の耐久性が期待できます。

修理・リフォーム方法

閉じる

【修理】
はがれたり割れたりしたスレート屋根の一部を部分的に差し替える修理、シーリング材や防水テープによる部分補修は有効です。

【屋根塗装】
屋根塗装は主に美観維持を目的におこないます。
屋根塗装の際は、棟板金の交換と換気棟の設置を合わせて検討してください。
屋根塗装について詳しくはこちらから

【カバー工法】
スレート屋根の上に、付加価値の高いエスジーエル鋼板製の断熱材一体型の金属屋根を重ねて張るリフォーム方法が多いです。
屋根カバー工法は屋根が傷みはじめる前の築後25年から30年の間に検討してください。

【葺き替え】
屋根をはがして野地板を張り直せば、
40年以上の屋根の耐久性維持が期待できます。
ただし、この時期に製造されたスレート屋根はアスベストが含まれているため、カバー工法の1.7倍近くの費用負担が見込まれます。

屋根材一覧に戻る

旧スレート/アスベスト無し

旧スレート/アスベスト無し
修理
棟板金交換 差し替え 部分補修
15年 不可 不可
リフォーム
屋根塗装 カバー工法 葺き替え
不可 15〜20年 25年以上

1990年代から2000年代初頭に、アスベストが含まれていない屋根として製造販売されたスレート屋根です。
しかし、当時の製造技術は未熟で、アスベストに代わるほどの耐久性が備わっていませんでした。

この屋根は、築後10年~15年程度でひび割れや反りなどの不具合が発現しやすいです。(ノンアスベスト問題)

代表商品

閉じる
旧スレート/アスベスト無し商品①
「パミール」
旧スレート/アスベスト無し商品 パミール
修理
棟板金交換 差し替え 部分補修
15年 不可 不可
リフォーム
屋根塗装 カバー工法 葺き替え
不可 10~15年 25年以上

パミールはニチハが販売していたスレート屋根で、不具合報告が多い屋根材としてテレビでも報道されました。

屋根を形成している層がミルフィーユのように層間剥離を起こし、めくりあがる症状が築後10年程度で発生します。

専用の釘が腐食して無くなることで屋根が落下する事故報告もあり、釘の問題は消費者センターからリコールが発表されています。
屋根がパミールであるとわかった時点でリフォームを計画してください

旧スレート/アスベスト無し商品②
「コロニアルNEO」
旧スレート/アスベスト無し商品 コロニアルNEO
修理
棟板金交換 差し替え 部分補修
15年 不可 不可
リフォーム
屋根塗装 カバー工法 葺き替え
不可 15〜20年 30年以上

コロニアルNEOは旧クボタがかつて販売していた、最も流通量が多い旧スレート(アスベスト無し)の商品です。

築後10年が経過すると、ひび割れや反り等の不具合が現れ始めます。
15年~20年を目安に葺き替えもしくは屋根カバー工法などの全面改修を計画してください

旧スレート/アスベスト無し商品③
「セキスイかわらU」
旧スレート/アスベスト無し商品 セキスイかわらU
修理
棟板金交換 差し替え 部分補修
不可 不可 不可
全面・修理リフォーム
屋根塗装 カバー工法 葺き替え
不可 FRP非推奨 15年以上

セキスイかわらUはアスベストが「含まれている商品」と「含まれていない商品」があります。
1990年9月以降に製造された商品は、アスベストが含まれていません。
アスベストが含まれていない商品は、耐久性が低く、販売中止に至っています。

補修用の屋根材が普及していますが、屋根の性質そのものを改善させるものではないため、テイガクでは使用をおすすめしていません。
セキスイかわらUの改修工事は葺き替え工事を検討してください。

修理・リフォーム方法

閉じる

【修理】
旧スレート(アスベスト無し)の修理は屋根材そのものがぜい弱のため、部分修理の効果は限定的です。

【屋根塗装】
旧スレート(アスベスト無し)の屋根塗装は、意味がありません。

【カバー工法】
旧スレート(アスベスト無し)は築後15年前後でカバー工法を検討してください。
カバー工法では釘を用いない粘着式ルーフィングを用いてください。
カバー工法による屋根の期待耐久年数は20~30年程度です。
用いる屋根の品質によって耐久性能は変わります。
【葺き替え】
本来、旧スレートの屋根工事は、内部の劣化進行が懸念されるため、葺き替えが望ましいです。
葺き替えの場合は40年以上の屋根の耐久性維持が期待できます。

屋根材一覧に戻る

新スレート/アスベスト無し

新スレート/アスベスト無し
修理
棟板金交換 差し替え 部分補修
15年 必要時 必要時
リフォーム
屋根塗装 カバー工法 葺き替え
15年に1回 25~35年 30年以上

ノンアスベスト問題を受けて、改良された新しいスレート屋根です。
商品では「コロニアルクァッド」が多く普及しています。

修理・リフォーム方法

閉じる

【修理】
はがれたり割れたりしたスレート屋根の一部を部分的に差し替える修理、シーリング材や防水テープによる部分補修は有効です。

【屋根塗装】
新スレートの塗装を検討されている人は、はじめて屋根塗装をおこなう人ではないでしょうか。
屋根の塗料は外壁よりも塗膜の劣化が2倍早く進みます。

そのため、屋根塗料は外壁塗料よりも質の良いフッ素塗料などをできれば選定してください。
夏場、2階の居室が過ごしにくい人は換気棟の増設もあわせて検討してください。

【カバー工法】
築浅のため、ステンレスビスで屋根を固定したり、エスジーエル鋼板(断熱材一体型)を用いたりなど、品質を重視した工事の実施をおすすめします。

【葺き替え】
築浅のため、新スレート(アスベスト無し)の葺き替えは経済的ではなく、テイガクではおすすめしていません。
築後30年近く経過したら検討してください。

屋根材一覧に戻る

波型スレート

波型スレート
修理
棟板金交換 差し替え 部分補修
30年 不可 必要時
リフォーム
屋根塗装 カバー工法 葺き替え
不可 30年 40年以上

波型スレートは主に工場や倉庫で用いられる屋根材です。
現存する波型スレートの多くはアスベストが含まれています。
経年劣化が進行している波型スレート屋根は、台風などの強風による不具合が生じやすく、特に「棟」と「ケラバ」がはがれ落ちることが多いです。

修理・リフォーム方法

閉じる

【修理】
部分修理として防水テープを貼る修理をおこなうことが多いです。

【屋根塗装】
波型スレートの塗装は美観を目的におこなうものです。
波型スレートは踏み抜き事故のリスクが高く、安易に波型スレートの上にのぼって作業をおこなうことは極めて危険です。
そのためテイガクでは屋根塗装はおすすめしません。

【カバー工法】
古い波型スレートの上に山型の断面形状をした金属製の折板屋根(せっぱんやね)を重ねて張ります。
原則、営業活動に支障がきたすことはありません。
屋根が大きい場合は屋根材を現場で成型加工して張ります。

【葺き替え】
アスベストの処分で多額の費用がかかることに加えて、工場や倉庫の営業中断を要する工事となることが多いです。
そのため、あまり実施することがありません。

屋根材一覧に戻る

瓦屋根

瓦屋根

瓦は大きく陶器瓦とセメント瓦に分けられます。
陶器瓦よりも短命なセメント瓦は現在、流通していません。

代表商品

閉じる
陶器瓦
陶器瓦
修理
棟瓦補修 瓦差し替え 漆喰詰め替え
15〜30年 20〜30年 15〜25年
リフォーム
葺き替え 耐震目的の葺き替え
40年以上 すぐに

陶器瓦は耐久性が高く、塗装の必要性もないため、ランニングコストとデザインに優れています
しかし、2000年に耐震基準が厳格化されたことに加え、2022年には耐風設計(ガイドライン工法)も厳格化されました。
その結果、現存する陶器瓦の建物の多くは、現行基準に適合していない可能性があります。

特に温暖化による風の強さが増しており、瓦屋根の台風被害が顕著です。
相当年数が経過している建物の場合は、耐震性と耐風性を備えた葺き替え工事の検討をしてほしいです。

セメント瓦
セメント瓦
修理
棟瓦補修 瓦差し替え 漆喰詰め替え
15年〜30年 入手不可 15〜25年
リフォーム
葺き替え 耐震目的の葺き替え
30〜40年以上 すぐに

セメントもしくはコンクリートを固めて瓦のフォルムに製造させた屋根材で、ヨーロッパやオーストラリアで広く普及しています。
陶器瓦と簡単に見分ける方法は、色あせです。

耐久性やメンテナンス性は陶器瓦に劣ること、「安い・軽い・施工が簡単」なスレート屋根が登場したことで、セメント瓦は販売(輸入)されなくなりました

修理・リフォーム方法

閉じる

【修理】
漆喰詰替やずれた瓦や谷樋板金の交換などの部分修理は定期的におこなってください。
特に大きな地震や台風が訪れた際、棟瓦のずれは点検と必要に応じて積み直しをしてください。

【屋根塗装】
瓦屋根のうち、陶器瓦は塗装をおこなう必要がありません。
一方、セメント瓦は色あせが進行するため、美観維持を目的に塗装を検討してください。

【カバー工法】
瓦屋根にはカバー工法はおこなえません

【葺き替え】
自然災害で発生した不具合や経年劣化による雨漏りが生じた場合は、屋根の葺き替え工事を検討してください。
築後40年以上経過している建物は、耐震性能と耐風性能向上を目的にした屋根の葺き替え工事を検討してください。

【葺き直し】
陶器瓦そのものの耐久性は高いので、崩れた瓦を再利用して張り直すことが可能です。
ただし、セメント瓦は入手ができないため、葺き直しをすることはできません。

屋根材一覧に戻る

金属屋根

金属屋根

金属屋根を知るポイントは2点あります。
「屋根を張る方向」と「金属の材質」です。

屋根を雨水が流れる縦方向に張る金属屋根を「縦葺き屋根」、逆に地面に対して水平方向に張る金属屋根を「横葺き屋根」とよびます。
新築では「縦葺き屋根」で仕上げるケースが多いです。
金属の材質は様々ですが、既存住宅では「トタン」もしくは「ガルバリウム鋼板」が多いです。

代表商品

閉じる
瓦棒(トタン)
瓦棒(トタン)
修理
棟板金交換 部分張り 部分補修
15年 必要時 必要時
リフォーム
屋根塗装 屋根カバー工法 葺き替え
10年 20年 25年以上

トタン屋根は錆びの拡大がしやすいです。
築後25年以上経過しているトタン屋根は、内部の木下地の腐食が進んでいることが多いです。

ガルバリウム鋼板(横葺き)
ガルバリウム鋼板(横葺き)
修理
棟板金交換 部分張り 部分補修 差し替え
15年 不可 必要時 不可
リフォーム
屋根塗装 屋根カバー工法 葺き替え
15年 不可 35年以上

横葺きのガルバリウム鋼板の屋根は主にリフォームで用いられています。
注文住宅などの分野で一部、新築住宅で採用されています。
横葺きの屋根は施工が複雑であるにもかかわらず、需要が高まっている背景があり、手抜き工事がまん延しています。

修理・リフォーム方法

閉じる

【修理】
錆びが発生している場合は錆びを除去したうえでコーキング補修やテープ張りをしてください。
縦葺きの場合は部分張りによる修理も有効です。
差し替えは物理的に可能ですが、周囲の屋根を変形させるため原則おこなうことができません。
トタン屋根の補修について詳しくはこちら

【屋根塗装】
金属屋根は定期的な塗装を含めたメンテナンスをおこなってほしいです。
10年ごとの塗装が目安です。
中でもトタンは錆が発生しやすく、錆が一度発生すると瞬く間に錆が拡大します。
錆びは穴あきの原因なので、錆止め塗料とあわせて屋根塗装をおこなう必要があります。

【カバー工法】
基本的にカバー工法をおこなうことはできません。(例外あり)

【葺き替え】
トタンは30年、ガルバリウム鋼板は35年、エスジーエル鋼板は40年が経過したら葺き替え工事を検討してください。
特にトタン屋根は葺き替え工事を優先的に検討してください。

屋根材一覧に戻る

アイコン 豆知識 鉄釘による屋根材固定は時代遅れ

最近のガルバリウム鋼板を取り扱う国内屋根メーカーは、屋根材をステンレスのビスで固定することを求め始めています。
屋根材の固定強度を長期に維持させるためにも、鉄釘(亜鉛釘)ではなくステンレスのビスによる屋根材固定を強くおすすめします。

アスファルトシングル

アスファルトシングル
修理
棟板金交換 部分張り 部分補修
15年 必要時 必要時
リフォーム
屋根塗装 屋根カバー工法 葺き替え
不可 20年 30年以上

アスファルトシングルはアメリカでシェア90%の屋根材です。
屋根の表面に石粒が付着しています。
施工が容易な屋根材なので、DIY製品として普及しています。
本国でも塗装はおこなわず、重ねるカバー工法がよくおこなわれています。
20年以上昔のアスファルトシングルと比べて現代のアスファルトシングルの品質は改良されています。

修理・リフォーム方法

閉じる

【修理】
はがれたり破れたりしたアスファルトシングルを防水テープや新しいアスファルトシングルで補修する修理は有効です。

【屋根塗装】
メーカーが推奨していないため、アスファルトシングルの塗装はおすすめしません。

【カバー工法】
築後25年以上経過した、膨れたり破れたりしたアスファルトシングルのリフォームで検討してほしい工事です。
新しいアスファルトシングルもしくは金属屋根を重ねてリフォームをします。

【葺き替え】
築後35年以上経過したアスファルトシングルは葺き替え工事を検討してください。
雨漏りなどによる屋根の野地板の痛みが進行している場合も同様です。

屋根材一覧に戻る

ポイント3 リフォームでおすすめの屋根材は何か?

屋根のリフォームで検討して欲しい屋根材をご紹介します。

断熱屋根(エスジーエル鋼板)

屋根の裏側に断熱材が付着した日本製の次世代金属屋根です。
ガルバリウム鋼板のメッキにマグネシウムを加えたエスジーエルでメッキ製造された鋼板です。
ガルバリウム鋼板の3倍超の耐久性があります。

特に沿岸地域における防錆性が認められ、海の近くの建物はこれまで以上に安心して利用ができます。
鋼板の耐久性能が高く評価され、戸建て住宅だけではなく大規模建築物や外壁材もガルバリウム鋼板からエスジーエル鋼板へ切り替わっています。
屋根材の裏側に断熱材を付着させた商品が一般的で、瓦屋根よりも優れた断熱効果をもたらしてくれます。

おすすめのエスジーエル鋼板製の断熱屋根
「スーパーガルテクト」
おすすめ断熱材一体型エスジーエル鋼板 スーパーガルテクト
耐久性断熱性止水性
耐風性 耐候性
ステンレスビス使用 釘使用 ポリエステル× フッ素
施工難易度メンテナンス性価格

日本で最も普及しているエスジーエル鋼板製の断熱屋根材です。
現存する金属屋根メーカーの中で最も高い品質の屋根工事ができる商品です。
スーパーガルテクトの優れた点は、屋根本体だけではなく屋根を構成する板金部材の種類が豊富でかつ止水性に優れている点があげられます。


雨漏りしにくい構造となっており、数多くの特許を取得しています。
裏付けとして特許庁長官奨励賞文部科学大臣賞を受賞しています。

断熱屋根(ガルバリウム鋼板)

おすすめのガルバリウム鋼板製の断熱屋根
「横暖ルーフαS」
おすすめ断熱材一体型ガルバリウム鋼板 横暖ルーフαS
耐久性断熱性止水性
耐風性 耐候性
ステンレスビス使用 釘使用 ポリエステル× フッ素
施工難易度メンテナンス性価格
普通

ニチハが販売するガルバリウム鋼板製の断熱屋根材です。
販売から20年以上が経過した歴史が伴っている屋根材です。
日本でも最も普及されている点でも安心て利用することができます。
断熱材が薄い「横段ルーフS」と断熱材が分厚い「横段ルーフαS」の2種類あります。

「横段ルーフαS」は断熱屋根材の中でも最も分厚い1.7mm厚の断熱層を形成しており、夏や冬の断熱効果や光熱費抑制を期待されている人にはお勧めの屋根材です。

石粒付き鋼板

ガルバリウム鋼板(ジンカリウム鋼板)の上に石粒を付着させた輸入品の屋根です。
国内で普及している商品は、韓国やニュージーランド製品などがあります。
石粒もイタリアや中国、ニュージーランドなどに分かれ、商品ごとに耐候性(色もち)が異なります。


また、板金部材の形状や工事方法も、商品ごとによって全く異なります。
メリットは日本製よりも価格が安く施工が簡単な点です。
工事期間も短く済み、人出不足の背景もあって普及が拡大しています。
デザイン性に優れているところも大きなポイントです。


デメリットは横同士のジョイント部分にすき間が空きやすい点です。
雨水が屋根内部に入る恐れがあるため、テイガクでは最新の注意を払ったうえで施工をおこなっています。
1枚当たりの長さが短く継ぎ目が多い特徴があるので、すき間には十分な配慮が必要です。

おすすめ石粒付き鋼板
「セネター」
おすすめ石粒付き鋼板 セネター
耐久性断熱性止水性
耐風性 耐候性
ステンレスビス使用 釘ビス使用
施工難易度メンテナンス性価格
普通

世界ブランド、ニュージーランド産のDECRA屋根です。
セラミック加工ではない天然石を砕石(一部除く)しており、石自体の厚みが約2mmと分厚く硬く頑丈です。

屋根の固定方法は耐風性能に優れたオーバーラップ式
屋根の上に乗っても、横のジョイン部分が凹みにいです。
世界レベルの販売実績と販売期間からも信頼ができる屋根材と評価できます。

縦葺きのガルバリウム鋼板

おすすめ縦葺きのガルバリウム鋼板
「立平」
おすすめ縦葺きのガルバリウム鋼板 立平
耐久性断熱性止水性
×
耐風性 耐候性
ステンレスビス使用 釘使用 ×
施工難易度メンテナンス性価格

立平(たてひら)は瓦棒の「棒」にあたる芯木を無くした縦葺きの金属屋根です。
新築の戸建て住宅で増えている屋根です。

あらかじめ工場で加工されたものを現場に運んで張りつけます。
そのため、施工期間が短くかつ安く工事がおこなえます。
素材はガルバリウム鋼板が主につかわれています。

スレート屋根(樹脂混入繊維補強軽量セメント瓦)

おすすめスレート屋根
「ルーガ」
おすすめスレート屋根 ルーガ
耐久性断熱性止水性
耐風性 耐候性
ステンレスビス使用 釘使用×
施工難易度メンテナンス性価格

ルーガはケイミューが取り扱う「厚型スレート屋根材」です。
重厚感のある瓦デザインで、プロでない限り陶器瓦にしか見えない屋根です。
瓦よりも割れにくくかつ軽量であり、屋根材の中では最高品質ともいえる屋根材です。
塗膜は無機塗料で対候性が高く、ガイドライン工法を前提とした工事のため耐風性能にも優れています。

陶器瓦

おすすめ陶器瓦
「軽量防災瓦」
おすすめ陶器瓦 「軽量防災瓦」
耐久性断熱性止水性
耐風性 耐候性
ステンレスビス使用 釘使用×
施工難易度メンテナンス性価格

本物の陶器瓦をお求めの方は軽量防災瓦にしてください。
30年以上昔の陶器瓦に比べて耐震性能と耐風性能に優れています。

折板屋根

大型建築におすすめの金属屋根
「折板屋根」
大型建築用おすすめ金属屋根 「折板屋根」
耐久性断熱性止水性
×
耐風性 耐候性
施工難易度メンテナンス性価格
普通

折板屋根(せっぱんやね)は断面が山型(富士山型)の金属屋根です。
素材はガルバリウム鋼板もしくはステンレスを用いることが多いです。
大型建築物でよく採用されています。
改修時はカバー工法による施工で仕上げることが多いです。
「鋼板の厚み」や「断熱材の付加」によって、耐久性や断熱性能、工事価格が変わります。

アイコン テイガクのオススメ屋根材

屋根のリフォームではエスジーエル鋼板製の断熱屋根材がおすすめです。
断熱効果と錆に対する耐久性に優れている屋根材です。
なかでもアイジー工業の「スーパーガルテクト」は、屋根本体だけではなく屋根を構成する板金部材も他社製品よりもワンランク優れています。
金属屋根のなかではパーフェクトなクオリティの屋根材です。

屋根修理業者の探し方

屋根修理業者とは

言うまでもないことですが、屋根の構造を理解している会社が屋根修理業者です。
それでは日常的に屋根工事に携わっている会社はというと、戸建て住宅においては板金工事会社もしくは瓦葺き工事会社の2社が当てはまります。
両者は新築住宅の屋根工事もおこなう会社でもあり、まさに屋根の構造を理解している会社です。

もう少し深く掘り下げると、金属屋根は板金工事会社瓦屋根は瓦葺き工事会社が専門に工事をおこないます。
現在、屋根のリフォームは金属屋根で仕上げることが多いため、板金工事会社は屋根修理業者だと言い換えられます。

もちろん、瓦の修理や瓦の差し替えなどは瓦葺き工事会社がおこなう専門工事です。
ただし、瓦の需要が低迷している背景があり、施工が簡単な石粒付き鋼板の屋根の工事をおこなう瓦葺き工事会社も近年、増加しています。

ちなみに、スレート屋根とアスファルトシングルは工事が簡単なので、板金工事会社でも瓦葺き工事会社でも改修工事をおこなうことができます。
修理で用いる屋根材や修理の内容によって、板金工事会社か瓦葺き工事会社のいずれかに相談をしましょう。

板金工事会社は全日本板金工業組合連合会(全板連)、瓦葺き工事会社は全日本瓦工事業連盟(全瓦連)のウェブサイトから検索できます。

老舗の板金工事会社は「〇〇板金」という名前の会社が多く、瓦工事会社は「〇〇瓦店」や「〇〇瓦工業」「〇〇商店」という名前の会社が多いです。(※テイガクは当てはまりません。)

建築板金工事会社と瓦葺き工事会社の施工比較

板金工事会社とは

一般的に板金工事会社とは、29ある建設業の許可のうち、板金工事業の許可証(金属屋根と金属外壁工事の技術)を有する会社のことをいいます。
たとえば、公共事業やハウスメーカーなどの下請けで工事をおこなうには、建設業の許可にある板金工事業の資格(許可)が必要です。

現在、金属屋根を用いた屋根の改修が一般的になっています。
屋根の改修工事は板金工事会社に相談されることをおすすめします。

板金工事業の許可証を取得しているかは「国土交通省」のウェブサイトから検索することができます。

外壁塗装会社が提供する屋根修理に注意

最近、外壁塗装と屋根カバー工法などをセットで販売する塗装会社が急激に増えています。
足場を組み立てるため、外壁塗装と金属屋根工事を同時におこなうことは一石二鳥です。

一方で塗装会社の管理不足が起因する誤った工事や手抜き工事を目にする機会が増えています。
塗装会社は板金工事会社に屋根工事を丸投げするため、適切な工事が提供されていないことが背景にあります。

そもそも塗装工事と金属屋根の工事は全くの異業種です。
屋根材ではなく、屋根工事の品質に最も注意を払ってほしいです。
屋根の失敗は代償となるコストが塗装工事よりもはるかに甚大です。

屋根工事ができない塗装会社が屋根工事を請け負う
屋根工事ができない塗装会社が屋根工事を請け負う

倉庫の有無をチェック

日本製の品質の高い金属屋根は3m近くあります。
そのため、板金工事会社は天井高が高い倉庫を所有しています。

つまり、板金工事会社であるかどうかは、倉庫の有無で判断ができます。
個人事業主の板金工事会社も小さながらも材料置き場は必ず持ち合わせています。

最近は「グーグルマップ」でリフォーム会社の本業を簡単に調べることができます。
材料の保管施設をもたないリフォーム会社、たとえば幹線道路沿いや駅前で活動しているリフォーム会社は、工事会社というより屋根修理や屋根のリフォームを販売する営業工事会社です。

営業力と技術力は比例しないです。
是非、日ごろから屋根材を管理して屋根工事を行っている屋根修理業者に屋根の修理は依頼しましょう。

テイガクによる屋根修理業者の定義
5:33

テイガクによる屋根修理業者の定義

屋根修理の方法・費用・業者選びに関するページ

記事をもっと読む

1.

【保存版】屋根修理業者の探し方と選び方ガイド

2.

屋根の部分補修と費用

3.

屋根の棟板金(棟包み)交換方法と手順

4.

屋根塗装の方法と手順

5.

コロニアルの修理方法と手順

6.

瓦屋根の葺き替え方法と手順

7.

瓦棒(トタン屋根)の修理方法と手順

8.

波型スレートの改修方法と手順

9.

悪質な飛び込み屋根修理業者の業務停止命令事例と注意点

記事をもっと見る

屋根工事に関するよくある質問

火災保険を利用して屋根の修理や全面改修はできますか?

A

風災被害として認められれば、屋根の修理費用や全面改修にかかる保険金を保険会社から受け取ることができます。
火災保険を利用した屋根修理工事の詳細はこちら

屋根修理の見積もりを取るポイントは?

A

1社ではなく、2〜3社に相見積もりを取ってください。
日常的に屋根の修理や改修工事をおこなっている板金工事会社もしくは瓦屋根工事会社から見積りを取ることをおすすめします。
見積りの取り方の詳細はこちら

屋根の部分修理にも足場が必要でしょうか?

A

屋根の部分修理にも足場は必要です。
屋根の部分修理よりも足場組立工事の費用が高くなることが多いです。

屋根の部分修理と全面改修の費用は?

A

屋根の部分修理は2万円~20万円、屋根カバー工法は80万円~150万円、屋根葺き替え工事は150万円~250万円程度かかります。
屋根の面積と用いる屋根材の2点が屋根工事費用に大きく関わります。
屋根リフォーム費用の詳細はこちら

この記事を書いた人
著者 前川 祐介
前川 祐介 代表取締役社長
テイガク サイト制作責任者
宅地建物取引士
建築物石綿含有建材調査者
著者経歴

大阪府堺市生まれ。千葉県立船橋東高校→法政大学→サノフィ(旧アベンティスファーマ)株式会社を経て、父親が経営する板金工事会社である昭和ルーフリモ株式会社へ入社。
中央工学校夜間建築学科卒業。年間100棟以上の屋根と外壁工事に携わった経験を活かし、テイガク記事の執筆とユーチューブ動画撮影をおこなっています。趣味は日本史学。

運営会社

昭和ルーフリモ株式会社は2001年設立の板金工事会社です。
これまでの金属屋根と金属サイディング工事件数の合計は20,000棟を超えます。
板金工事は足場を組み立てるため、外壁塗装の工事事業にも注力しています。

国土交通大臣許可(般-25)第22950号
許可を受けた建設業:板金工事業/屋根工事業/塗装工事業 他

代表前川が本音で解説「板金工事会社とは?」

トップへ戻る
ニチハ商品 価格据え置きキャンペーン
ニチハ 価格据え置きキャンペーン