屋根や外壁に使用される建材として、金属製のガルバリウム鋼板が注目を集めています。
高い評価を受けている素材ではありますが、完璧な建材というわけではありません。
それでも多くの場面で選ばれるのは、他の素材と比較して多くの優れた特徴があるためです。
年間1,000棟以上の施工実績があるテイガクが、ガルバリウム鋼板の屋根を中心に、ガルバリウム鋼板の特徴や耐久性、工事価格さらに適切なメンテナンス方法について詳しくご紹介します。
ガルバリウム鋼板屋根はシェア1位
ガルバリウム鋼板(ガルバ・GL鋼板)は、1970年代前半にアメリカで開発されました。
2000年代に入ると、日本の建築業界でも次第に採用されるようになり、現在では住宅や倉庫の屋根・外壁などに広く使用されています。
屋根材の中で断トツの第1位
40年前、屋根は瓦屋根がシェア№1でした。
しかし、2017年以降は、新築とリフォーム共に金属屋根が最も多く用いられるようになっています。
金属素材の中で、ガルバリウム鋼板の屋根を用いる機会が最も多いです。
2021年屋根材市場調査 素材別シェア
| 屋根材 | シェア |
|---|---|
|
金属屋根 (主にガルバリウム鋼板) |
63.2 |
| スレート | 15.0 |
| 陶器瓦 | 13.4 |
| アスファルトシングル | 5.6 |
| 石粒付き金属屋根 | 2.8 |
ガルバリウム鋼板の屋根に決めた理由は?
テイガクのお客様がガルバリウム鋼板の屋根を選ぶ主な理由は、以下の通りです。
・軽量で地震による不安が軽減できるから
・耐久性と耐風性に優れているから
・断熱性(断熱材一体型製品)に優れているから
・屋根カバー工法のコストパフォーマンスが優れているから
新築時は建材への関心や理解が低いものの、リフォームの際には自ら建材を選べる機会が増えます。
インターネットを通じてガルバリウム鋼板屋根の魅力が消費者に伝わっており、その結果、ガルバリウム鋼板の屋根が広く支持されるようになりました。
屋根カバー工法とは?
屋根カバー工法とは、古い屋根の上に軽い金属屋根を重ね張りする屋根のリフォーム方法のことです。
ガルバリウム鋼板製の屋根は軽量であるため、重ねて張る改修工事がよくおこなわれています。
外壁はシェア第2位
窯業サイディングに次いで金属サイディング(金属製の外壁材)の外壁材は2番目に高いシェアを獲得しています。
シンプルなデザインが魅力で、注文住宅に多く採用されているほか、屋根同様、外壁カバー工法によるリフォームでも広く活用されています。
2024年外壁材 素材別シェア
| 屋根材 | シェア |
|---|---|
| 窯業サイディング | 80.2 |
|
金属サイディング (主にガルバリウム鋼板) |
9.8 |
| モルタル | 6.8 |
| 木質 | 5.6 |
| ALC | 2.8 |
ガルバリウム鋼板の外壁に決めた理由は?
テイガクのお客様がガルバリウム鋼板の外壁を選ぶ主な理由は、以下の通りです。
・おしゃれでかっこいいから
・メンテナンスがほぼなく長持ちするから
・カバー工法でリフォームでき、テナンスがほぼなく長持ちするから
外壁塗装を繰り返すよりも美観や機能を大きく向上させることができ、さらにトータルコストの削減にもつながることから、屋根と同様に、金属サイディングによる外壁カバー工法の人気も高まっています。
ガルバリウム鋼板の特徴
ガルバリウム鋼板の基材は漢字が示す通り「鋼(はがね)の板」です。
「鋼」とは、主成分である「鉄」に「炭素」などを加えた合金です。
一般消費者は、鉄と認識して差し障りはありません。
鉄は非常に頑丈な素材ですが、水に触れると錆びて耐久性が低下する弱点があります。
この問題を克服するために、鉄の表面に「ガルバリウム」という合金を密着させる技術(メッキ技術)が1972年、アメリカのベスレヘムスチール社によって開発されました。
これにより、鉄の耐久性を大幅に向上させた素材、ガルバリウム鋼板が誕生しました。
合金皮膜を密着させることを「メッキ」といいます。
ガルバリウム鋼板とは、鋼板をガルバリウムでメッキさせた複合素材です。
「鋼板」に「ガルバリウム」を組み合わたものが「ガルバリウム鋼板」です。
なお、ガルバリウム鋼板の表面は、塗装による塗膜で覆われており、さらに高い保護性能が備わっています。
ガルバリウム鋼板は、子供たちに人気な「装着変身ヒーロー」にたとえるとわかりやすいです。
人間がヒーロースーツを装着してスーパー戦隊ゴレンジャーになるように、「人間=鋼板」と「スーツ=ガルバリウム」が合体して「ガルバリウム鋼板」が完成されます。
鋼板をガルバリウムでメッキさせ、鉄をパワーアップさせた建材が「ガルバリウム鋼板」です。
一般消費者は、ガルバリウム鋼板とは、「30年以上もつ丈夫な鉄板」と認識して差し障りはないでしょう。
また、ガルバリウムという、ひとつの物質があるわけではありません。
ガルバリウムは、「亜鉛」と「アルミ」「ケイ素」を組み合わせた「合金」です。
合金の質量比においてアルミが55%を占めています。
日本工業規格 (JIS)では、ガルバリウム鋼板を溶融55%アルミニウム-亜鉛合金めっき鋼板(JIS G3321)と規定しています。
ガルバリウムは、55%のアルミと約44%の亜鉛が混合されいます。
アルミと亜鉛には、鉄を錆びから守る保護機能が備わっています。
かつては、亜鉛のみでメッキした鋼板(トタン)が一般的に使われていました。
しかし、トタンは時間の経過とともに錆びやすく、20~30年も経つと錆びの進行が目立つようになります。
そこで、トタンにアルミを加えることで錆びの拡大を抑えられる「ガルバリウム」が登場しました。
この改良により、ガルバリウム鋼板は高く評価されるようになりました。
金属は重くて熱くなりやすいのでは?
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ガルバリウム鋼板の厚みは1mmにも満たないため、実際に手で触れてみると驚くほど軽いことが実感できます。
断熱材一体型になっている屋根材や外壁材が開発されており、外装材の中でもトップクラスの断熱効果が認められています。
ガルバリウム鋼板の厚みによって耐久性が変わるって本当?
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厚さが厚いほど、ガルバリウム鋼板の耐久性は高くなります。
たとえば、住宅の屋根では0.35mm厚、大型の公共施設では0.8mm厚の製品を用いることが多いです。
メッキ層の厚みによって耐久性が変わるって本当?
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ガルバリウム鋼板は、メッキ量が多いほど耐久性が向上します。
メッキのコーティング量は、AZ120(120g/㎡)やAZ150(150g/㎡)といった表記で示されることが一般的です。
例えば、アイジー工業の金属屋根は、通常のガルバリウム鋼板と比較してメッキ量が多いAZ150仕様となっており、高い耐久性を備えています。
エスジーエル鋼板とは?
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エスジーエル鋼板は、アルミと亜鉛からなるガルバリウムにマグネシウムを加えた合金です。
このマグネシウムの添加により、ガルバリウム鋼板の約3倍以上の耐久性を実現しています。
マグネシウムの含有量に応じて、「スーパーダイマ」や「ZAM鋼板」などの名称で分類されることもあります。
日本工業規格(JIS)では、JIS G 3323「溶融亜鉛-アルミニウム-マグネシウム合金めっき鋼板及び鋼帯」として規定されています。
| メッキの種類 | 組成 |
|---|---|
| 亜鉛メッキ(トタン) | 亜鉛 |
| ガルバリウム | 亜鉛+アルミ |
| エスジーエル | 亜鉛+アルミ+マグネシウム |
屋根ではスーパーガルテクト(アイジー工業)や横暖ルーフαプレミアムS(ニチハ)、外壁ではスパンサイディングN(旭トステム)やガルボウ(アイジー工業)などが有名です。
ジンカリウム鋼板(石粒付き金属屋根)とは?
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ジンカリウム鋼板は、主に海外で使用されるガルバリウム鋼板の名称です。
JIS規格に基づくガルバリウム鋼板と同じ組成を持ち、アルミ質量55%を含むメッキ鋼板です。
鋼板表面が塗膜で仕上げられた製品だけでなく、石粒を付着させたユニークな屋根商品も開発されています。
アルミとガルバの外壁どっちが良い?
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ガルバリウム鋼板の金属サイディングが広く普及される前は、アルミの外壁材を用いていました。
材質としての性能はアルミ、費用対効果としての評価はガルバが優れています。
ガルバリウム鋼板屋根の耐久性
屋根の寿命は30年前後
ガルバリウム鋼板の屋根の寿命はおよそ25年から35年です。
屋根は外壁より過酷な環境にさらされるため、外壁と比べて屋根のほうが耐久性が低くなりやすい傾向があります。
ガルバリウム鋼板の耐久性の目安
| 部位 | 耐久性 |
|---|---|
| 屋根 | 約25~35年 |
| 外壁 | 約30~40年 |
【徹底解説】屋根リフォーム後”8年経過”したガルバリウム鋼板の屋根の状態
ガルバリウム鋼板の錆びの進行
ガルバリウム鋼板はトタンに錆びにくく、錆が拡大しにくい特徴を有しています。
しかし、錆とは全く無縁というわけではありません。
ガルバリウム鋼板は、下記のようなステップで劣化(錆びの発生)が進行します。
-
白錆び(白亜化)が発生
-
赤錆びに転じる
-
黒錆びに転じる
-
穴が開く
-
穴に雨水が入り込み雨漏りが発生
筆者の経験した限り、ガルバリウム鋼板はトタンのように瞬く間に錆が拡がることはありません。
基本的に錆びは局所的(数mm程度)に発生し、拡大することなく時間をかけてゆっくりと黒錆びへと転じます。
もちろん、長く使い続けるには、錆びのメンテナンスは定期的におこなってください。
しっかりメンテナンスをしていれば40年以上の耐久性の維持も十分に期待できます。
【10年経過】ガルバリウム鋼板屋根の色あせ具合をチェック!
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屋根工事後10年が経過したスーパーガルテクトの画像です。
ガルバリウム鋼板の塗膜は、フッ素などの耐候性の高い塗膜でない限り、色あせします。
特に屋根は紫外線と雨風の影響を強く受けるため、色あせスピードが速いです。
【10年経過】ガルバリウム鋼板の屋根をチェック!
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こちらの画像は、屋根工事後10年が経過した横暖ルーフの画像です。
色は黒と思われます。
大分色あせていますが、雨漏りはなく屋根は良好な状態です。
【20年経過】ガルバリウム鋼板の屋根をチェック!
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こちらの画像は、屋根工事後20年が経過した横暖ルーフの画像です。
屋根カバー工法が実施されていましたが、工事業者の施工不良が原因で雨漏りが生じていました。
色は茶色だと思われます。
下屋根の北側であるため、屋根表面の汚れや苔が目立ちます。
ガルバリウム鋼板の寿命が短くなる要因
ガルバリウム鋼板は、用いられる周囲の環境によって耐久性が変わります。
たとえば、公園の森林近くにある建物で落ち葉が緩い勾配のうえに溜まると、ガルバリウム鋼板は錆びやすくなります。
1年に1度は屋根にのぼって、屋根のうえに溜まった落ち葉を取り除く必要があります。
以下にガルバリウム鋼板の耐久性が落ちる要因と環境を取り上げます。
-
酸化による(水濡れによる)錆び
-
雨が当たらない部位
-
海岸や工場、森林の近く
-
勾配が緩い屋根
-
主金属接合部の水濡れによる電蝕
テイガクが確認をしたガルバリウム鋼板が錆びて腐食した事例を下記に示します。
錆び発生の事例1:20年前に屋根カバー工法をして雨漏り発生
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ガルバリウム鋼板を留める部位に雨水や結露水が入り込むと、固定する釘やビスが濡れてしまいます。
水濡れは酸化を促進させ、留め具やガルバリウム鋼板を錆びさせてしまいます。画像は、20年前にガルバリウム鋼板の屋根でカバー工法をおこなった屋根の画像です。屋根の内部に入り込んだ雨水が屋根の留め具に滞留し、ガルバリウム鋼板の屋根と釘が錆びていました。
残念ながら、金属屋根の釘打ち部の雨水滞留や留め具の問題が認知されていません。そのため、画像のような不具合が年々、増加しています。テイガクでは、ディスゴ処理されたステンレス製のビスで屋根材を固定するに至っています。
錆び発生の事例2:建築10年後に金属サイディングに白錆びが発生
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水が全く触れない場合も、酸化が促進されます。ガルバリウム鋼板に付着したホコリやチリなどの不純物が錆びを誘引させます。
錆び発生の事例3:建築15年後に金属サイディングに穴空きが発生
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ステンレスの素地とガルバリウム鋼板が直接触れると、電食を引き起こし、ガルバリウム鋼板の錆が促進されます。着色されたステンレスとガルバリウム鋼板を用いることで、錆びと穴あきの拡大抑制ができます。
沿岸地域でガルバリウム鋼板の屋根は使えない?
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沿岸地域は塩害の影響を受けるため、錆の発生リスクは高くなります。しかし、実態として、沿岸部の建物の多くはガルバリウム鋼板の屋根や外壁が用いられています。内陸に比べ相対的に錆びやすいものの、定期的な清掃や点検を行えば、車と同様に日常の使用や業務に支障をきたすほどの問題として過度に心配する必要はありません。心配な方は塩害に強いエスジーエル鋼板の採用をおすすめします。
ガルバリウム鋼板のメンテナンス
雨水が当たらない箇所は定期的に洗浄
軒下や出窓の下などは雨が当たらないため錆びやすいです。
そのため、定期的に水洗いによるクリーニングがメーカーからも求められています。
沿岸地域や工業地域は求められる洗浄回数が多いです。
メンテナンスのスケジュール
10年や20年などの相当数の年月が経過したガルバリウム鋼板。
メンテナンスをおこなうべきか不安を覚える人、多いはずです。
上記は、ニチハ株式会社のガルバリウム鋼板屋根「横暖ルーフ」のメンテナンススケジュールです。
日常点検として年1回、定期点検として年5回のメンテナンスを推奨しています。
そして、屋根の継ぎ目に用いるシーリングは10年、ポリエステル塗膜の屋根は15~20年となっています。
それでは、実態はどうでしょうか?
筆者は、しっかりとした品質で工事をおこなっていれば、20年は何もしなくても問題はないと評価しています。
ガルバリウム鋼板屋根のメンテナンス
強いて言えば、屋根で用いる「面戸の取り換え」と「シーリングの打ち替え」は、20年に一度、点検と必要に応じた処置をしてほしいです。
特に屋根のリフォームでは、シーリング頼りになるヶ所が多くあります。
ガルバリウム鋼板の建材に限らず、多くの建材はメーカー側の責任問題が回避できる無難な表現で語られることがほとんどです。
理想と現実には乖離があることを、消費者は理解しておきましょう。
25年近くガルバリウム鋼板の屋根と外壁の工事に携わってきた建築板金工事会社のひとつの意見として、参考にしてください。
ガルバリウム鋼板屋根のリフォーム後のメンテナンスで一番重要な部位
ガルバリウム鋼板の色あせ
ガルバリウム鋼板の表面には塗膜が形成されています。
基本的に塗膜は、ポリエステルが用いられています。
ポリエステルは色あせが早く、色によって屋根の場合は早くて3年で色あせが感じられます。
外壁は屋根に比べると悪環境ではないため、20年経過すると色あせを感じるようになるでしょう。
ただし、フッ素は色あせの進行が遅いため、屋根でも30年以上、塗装をおこなう必要はありません。
筆者はフッ素が好きでよくお客様におすすめしています。
ただし、色あせは美観維持の目的によるものであるため、錆が発生していない限り、屋根と外壁の機能に影響を及ぼすことはありません。
ガルバリウム鋼板の色あせ(耐候性)
| 部位 | ポリエステル | フッ素 |
|---|---|---|
| 屋根 | 約3~10年 | 30年以上 |
| 外壁 | 約15~20年 | 30年以上 |
ガルバリウム鋼板に塗装する際のおすすめ塗料は?
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ガルバリウム鋼板の塗装時は、溶剤系の塗料を用います。
テイガクでは、屋根は日本ペイントの「ファインパーフェクトルーフ」外壁は「ファインパーフェクトトップ」をよく採用しています。
フッ素の商品が少ない理由は?
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以前、金属サイディングは、フッ素塗膜の鋼板がほとんどの商品に採用されていました。
しかし、2022年夏、フッ素供給量の減少に伴い、現在、一部の屋根や金属サイディングにしかフッ素は用いられていません。
フッ素の原材料を採掘する際に、温室効果ガスが排出され、フッ素の供給量が世界的に制限されています。
フッ素は半導体製造の材料に用いられてもいるため、将来、フッ素鋼板はなくなる可能性があります。
屋根や外壁の張り替えを検討するタイミングは?
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雨漏りが生じた場合は、張り替えを検討してください。
カバー工法による改修ができるかどうかは、屋根と外壁の形状と下地の劣化状況によって判断します。
屋根と外壁の工事価格
目安は1㎡当たり税込み1.2万円
4人家族の住まい(建坪25坪程度)の屋根と外壁を想定したガルバリウム鋼板を用いた工事価格を示します。
ガルバリウム鋼板の工事価格は面積や長さを基準に求めます。
ざっくり、住宅や大型施設共に1㎡当たり1.1~1.3万円(税込み)がボリュームゾーン。
価格が変動する要因としては、工事依頼先や用いる商品、鋼板塗膜、現場周囲の環境などがあげられます。
新築に比べてリフォームは割高です。
また、ガルバリウム鋼板を縦方向に張るのか横方向に張るのかによっても価格は変わります。
屋根工事価格(80㎡/税込み)
| 標準的な価格 | |
|---|---|
| 新築の屋根(縦葺き) | 60~80万円 |
| 新築の屋根(横葺き) | 70~100万円 |
| 屋根カバー工法(横葺き) | 90~120万円 |
| 屋根葺き替え(横葺き) | 110~170万円 |
外壁工事価格(125㎡/税込み)
| 標準的な価格 | |
|---|---|
| 新築の外壁(横張り) | 120~180万円 |
| 新築の外壁(縦張り) | 140~200万円 |
| 外壁カバー工法(横張り) | 160~250万円 |
| 外壁張り替え(横張り) | 200~350万円 |
止まらない金属製品の値上げ
コロナ禍以降、鋼板価格が毎年のように値上がりを続けています。
その影響もあり、2025年現在、テイガクの工事提供価格は5年前の約1.4倍となっています。
まだまだ材料費や人件費が上がる見込みです。
できる限り早めに工事を決断することをおすすめします。
屋根の「横葺き」と「縦葺き」とは?
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「横葺き」とは、屋根の傾き(流れ)に対して水平に張ります。
屋根のリフォームでは「横葺き」を採用することが多いです。
横葺き専用の屋根は、「縦葺き」よりも断熱性能などの付加価値の高い商品が多いです。
また、複雑な屋根の形状でも施工ができる利点があります。
屋根の傾きに沿った縦方向に仕上げられた屋根を「縦葺き」とよびます。
昔ながらのトタン屋根は典型的な縦葺きの屋根です。
トタン屋根には「芯木(しんぎ)」と呼ばれる木の棒が内部に入っています。
最近の戸建て住宅の縦葺きは、「立平(たてひら)」とよばれる芯木のない形状が主流です。
縦葺きは横葺きよりも付加価値が低い一方で、施工にかかる日数が短くかつ材料費も安いメリットがあることから主に新築の建物で用いられています。
外壁の「横張り」と「縦張り」とは?
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サイディングのような外壁材は、基本的に横方向に張ります。
理由は、ガルバリウム鋼板の外壁の裏側に組む下地に当たる胴縁(どうぶち)を縦に取り付けることができるからです。
縦に胴縁を取り付けることを縦胴縁とよびます。
縦に胴縁が取り付けられていると、外壁内部に入った雨水は胴縁の縦のラインに沿ってスムーズに排水できます。
一方で、外壁材を縦方向に張る縦張りが人気です。
理由はシンプルモダンなかっこいい印象が得られるからです。
アイジー工業が「ガルスパン」を開発したことがきっかけで、ガルバリウム鋼板の外壁材を縦方向に張る人が増えました。
縦張りの場合は、胴縁が横胴縁になるため、施工に注意が必要です。
工場や倉庫の屋根と外壁の仕上げは?
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工場や倉庫などの大型建築物の屋根は縦葺きのガルバリウム鋼板屋根、「折板(せっぱん)」がよく採用されています。
外壁は縦張りで仕上げることが多いです。
ガルバリウム鋼板を張る屋根職人って誰?会社は?
建築板金工事会社とは、ガルバリウム鋼板を用いた金属建材の工事を専門とする工事会社です。
屋根材や外壁材などを仕入れて、建築板金工職人に指示し、材料発注から工事管理までをおこなう会社です。
たとえば、ハウスメーカーが新築で金属サイディングを張る工事をおこなう場合、ハウスメーカーは下請けの建築板金工事会社に工事発注をします。
もし、工事費用を重視するなら、業界の構造を理解し、建築板金工事会社に直接依頼すると良いでしょう。
【依頼先の比較】建築板金工事会社のメリット
|
建築板金工事会社 (専門・テイガク) |
その他の会社 | |
|---|---|---|
| 工事価格 | 〇 | △ |
| 工事品質 | 〇 | △ |
| 対応力 | 〇 | △ |
塗装会社によるガルバリウム鋼板の工事価格は?
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近年、ガルバリウム鋼板の屋根による屋根カバー工法を提案する塗装会社が増えています。
足場を組むため、外壁塗装工事と合わせて金属屋根の工事を提案するパターンが多いです。
しかし、塗装工事を主業とする会社では、金属屋根の施工を下請けの建築板金工事会社に外注することが一般的です。
そのため、見積もり金額が割高になりやすく、さらに工事品質に対する不安も残る可能性があります。
ガルバリウム鋼板の屋根や外壁はホームセンターでも購入できますか?
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ガルバリウム鋼板はホームセンターでも購入できます。
大きなホームセンターに行くと、屋根材や外壁材をバラ売りで購入できます。
建築板金工事会社の見分け方は?
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ガルバリウム鋼板の屋根材や外壁材は、3~4mほどあります。
そのため、保管のためには比較的大きな屋根がある倉庫を要します。
材料を調達して工事提供ができる会社であるかは、倉庫があるかどうかで判断できます。
建築板金職人とは?
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ガルバリウム鋼板の屋根と外壁の工事をおこなう職人です。
金属屋根と金属サイディングの需要の高まりに伴い、活躍の場が広がっている一方、技術力が備わっていない職人が建築板金工事をおこなっている実態もあります。
メリットとデメリット
ガルバリウム鋼板のデメリットは、他の建材と比べるとわかりやすいです。
主要な屋根材、外壁材とガルバリウム鋼板を比較しました。
主要屋根材との比較
| 比較内容 |
ガルバリウム鋼板 (断熱材付き) |
スレート屋根 | 瓦屋根 |
|---|---|---|---|
| 耐久性 | 〇 | △ | ◎ |
| 色あせ | △~◎ | △~◎ | ◎ |
| 価格 | △ | ◎ | × |
| 重量 | ◎ | △ | × |
| 施工難易度 | △ | ◎ | △ |
| 断熱性 | ◎ | △ | 〇 |
| 遮音性 | ◎ | 〇 | ◎ |
主要外壁との比較
| 比較内容 |
ガルバリウム鋼板 (断熱材付き) |
窯業サイディング | モルタル |
|---|---|---|---|
| 耐久性 | ◎ | 〇 | △ |
| 凹みやすさ | × | 〇 | ◎ |
| 価格 | △ | ◎ | × |
| 重量 | ◎ | 〇 | △ |
| 施工難易度 | △ | ◎ | △ |
| 断熱性 | ◎ | 〇 | △ |
| 遮音性 | 〇 | ◎ | △ |
ガルバリウム鋼板は電波を遮る?
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屋根裏アンテナをご利用のご自宅の場合、ガルバリウム鋼板の屋根で重ね張りすると、テレビの映り具合に悪い影響が及ぶ可能性があります。
ただし、外壁については重ね張りをしても、これまで一度も電波に関する問題が発生したことはありません。
電波が弱くなることは物理的に考えられますが、生活に支障をきたすほどの問題ではありません。
「テイガク」は、25年以上、これまで1000棟以上の金属サイディングを用いたカバー工法を手掛けた実績がある会社です。
当社の経験則からの評価も是非、参考にしてください。
ガルバリウム鋼板の傷や凹みの許容範囲は?
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ガルバリウム鋼板を用いた工事は、職人さんの手を介するため、必ず微細な傷や凹みが工事後に生じます。
2~3㎜の傷やペンを突き刺したような凹みは、タッチアップ補修による補修で済ませるのが一般的です。
(テイガクでは目線の位置や脚立で届く位置の極小の凹みは、リペア補修をおこないます。)
特にフッ素の屋根と外壁は微細な傷が付きやすいため、当社でも、お客様には一定の理解を求めいてます。
ガルバリウム鋼板のメーカー
ガルバリウム鋼板の屋根が消費者に届けられるまでの流れ
日本製鉄やJFE鋼板などの製鉄会社がガルバリウム鋼板を製造します。
製鉄会社が生産したコイル状になったガルバリウム鋼板を、建材メーカーが屋根材や外壁材に加工して販売します。
一方、石粒付き金属屋根のように、韓国やニュージーランドで製造された屋根材を輸入して販売する会社も存在します。
-
製鉄会社がガルバリウム鋼板を製造
-
建材メーカーがガルバリウム鋼板を成型加工して屋根へと製造
-
建材卸業者が建材メーカーから商品を購入
-
建築板金工事会社が商品を購入もしくは納品
-
現場に届けられた屋根材や外壁材を建築板金職人が工事
ガルバリウム鋼板のメーカー
国内メーカー(屋根と外壁)
国内メーカーの多くは、屋根材と外壁材の双方を手がけています。
海外製品と異なり、約3mの長尺屋根材を製造し、断熱材一体型の商品が主流です。
外国メーカー(屋根が中心)
外国メーカーの屋根材は石粒付きタイプが主流で、国内メーカー品に比べて価格が抑えられているものが多く、初期コストを低減しやすいのが特徴です。
| メーカー | 屋根 | 外壁 |
|---|---|---|
| 株式会社リクシル | 〇 | 〇 |
| 伊藤忠建材株式会社 | 〇 | なし |
| 式会社ルーフタイルグループジャパン | 〇 | なし |
| 株式会社ディートレーディング | 〇 | なし |
おすすめ商品と色
おすすめ商品:断熱材一体型
屋根と外壁共に鋼板の裏側に断熱材を貼り付けた「断熱材一体型」の製品がおすすめです。
断熱材があるおかげで、問題視されていた断熱性や遮音性が大きく改善されます。
テイガクのお客様も、屋根工事後、夏の暑さが改善されたと好評です。
外壁材は各メーカーから断熱性能の基準である熱還流率を求めており、数字上においても断熱材一体型のガルバリウム鋼板は、最も断熱性能が優れていることが証明されています。
金属サイディングの断熱性能比較
| 比較内容 | 断熱材一体型 | 窯業サイディング | ALC | モルタル |
|---|---|---|---|---|
| 熱貫流率 | 1.62W/㎡K | 3.78W/㎡K | 2.72W/㎡K | 6.12W/㎡K |
ガルバリウム鋼板のおすすめ商品
ガルバリウム鋼板屋根の屋根
横暖ルーフαS(ガルバリウム鋼板)
「横暖ルーフαS」は、ニチハ株式会社が販売する断熱材一体型のガルバリウム鋼板の屋根です。
販売開始から25年以上が経過し、断熱材一体型の金属屋根としては、最も実績がある屋根です。
断熱材の最大厚は17mmと業界最厚、鋼板は遮熱鋼板が採用されており高い遮熱性能も有しています。
ジョイント部分の止水性能が優れおり、雪国を含む全国で採用できます。
スーパーガルテクト(エスジーエル鋼板)
山形県に本社があるアイジー工業は、金属屋根と金属サイディングのトップメーカー。
ガルバリウム鋼板の建材メーカーの王者といっても良いでしょう。
そんな、アイジー工業が開発した屋根材が「スーパーガルテクト」。
2016年に従来のガルバリウム鋼板製の「ガルテクト」からエスジーエル鋼板製の「スーパーガルテクト」に改良されました。
ガルバリウム鋼板屋根の外壁
シン・ネオスパンFU
「シン・ネオスパンFU」は、外壁材のトップメーカーであるニチハ株式会社の金属サイディングです。
数少ないフッ素鋼板であり、断熱材の厚みは18㎜と分厚く高い断熱効果が期待できます。
ニチハ株式会社が得意とする木目調のサイディングとの組み合わせもかっこよく、素敵です。
ビレクト
「ビレクト」は、水平ラインに段差を付けたドイツ張りをヒントに開発されたアイジー工業で最も人気がある金属サイディングです。
金属のもつ美しさを最大限に生かされたデザインです。
屋根は特に色にも注意
屋根の色は遮熱性能に大きく影響します。
たとえば、反射率が高い白やシルバー、グレーなどの色は、ブラックに比べて日光を効率よく反射するため、遮熱効果が高いとされています。
そのため、工場や倉庫の屋根は、白やシルバーがほとんどです。
また、赤色や茶色は、紫外線の影響を受けやすいため、色あせが早い傾向があります。
ただし、茶色はどんな色にも合わせやすく、屋根や雨どいでは茶色が一番人気です。
筆者としては、屋根は外壁に比べて熱の流入量が多いことから、屋根には遮熱効果の高い淡い色を選ぶことをおすすめしています。
一方で、外壁については、お客様の好みやデザインを優先して選んでいただいています。
スーパーガルテクトの日射反射率
| スーパーガルテクトの色 | 日射反射率 |
|---|---|
| ジェイドチャコール(灰色) | 26.0 |
| ジェイドブラック(黒) | 13.0 |
アイジー工業・2024年スーパーガルテクトカタログより
ガルバリウム鋼板の屋根と外壁の施工例
テイガクによる工事例
東京都板橋区 – 天窓付きのパミール屋根を横暖ルーフαプレミアムSで屋根カバー工法
日付:2024年08月
東京都板橋区 – 天窓付きのパミール屋根を横暖ルーフαプレミアムSで屋根カバー工法
日付:2024年08月
和歌山県岩出市 – 雨漏りが生じていたスレート屋根をスーパーガルテクトで屋根カバー工法
日付:2024年07月
和歌山県岩出市 – 雨漏りが生じていたスレート屋根をスーパーガルテクトで屋根カバー工法
日付:2024年07月
大阪府河内長野市 – スレート屋根をスーパーガルテクトで屋根カバー工法
日付:2024年07月
大阪府河内長野市 – スレート屋根をスーパーガルテクトで屋根カバー工法
日付:2024年07月
埼玉県上尾市 – スーパーガルテクトでパミール屋根をカバー工法
日付:2024年11月
埼玉県上尾市 – スーパーガルテクトでパミール屋根をカバー工法
日付:2024年11月
大阪市住吉区 – スレート屋根の天窓撤去と屋根カバー工法
日付:2024年06月
大阪市住吉区 – スレート屋根の天窓撤去と屋根カバー工法
日付:2024年06月
大阪市住吉区 – 屋根通気工法と外壁カバー工法を取り入れた本格リフォーム
日付:2024年12月
大阪市住吉区 – 屋根通気工法と外壁カバー工法を取り入れた本格リフォーム
日付:2024年12月
東京都練馬区 – 直張りサイディングに外壁カバー工法と屋根カバー工法リフォーム
日付:2024年9月
東京都練馬区 – 直張りサイディングに外壁カバー工法と屋根カバー工法リフォーム
日付:2024年9月
さいたま市南区 – 屋根カバー工法と外壁カバー工法で外装リフォーム
日付:2024年9月
さいたま市南区 – 屋根カバー工法と外壁カバー工法で外装リフォーム
日付:2024年9月
東京都西東京市 – 分譲住宅を外壁カバー工法で注文住宅の屋根外壁にフルリフォーム
日付:2024年8月
東京都西東京市 – 分譲住宅を外壁カバー工法で注文住宅の屋根外壁にフルリフォーム
日付:2024年8月
兵庫県西宮市 – ALCに人気の「ビレクト」を用いて外壁カバー工法
日付:2024年4月
兵庫県西宮市 – ALCに人気の「ビレクト」を用いて外壁カバー工法
日付:2024年4月










