【どこよりも詳しい】火災保険を用いた屋根修理と申請方法について

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火災保険を用いた 屋根修理と申請方法 火災保険を用いた 屋根修理と申請方法 火災保険を用いた 屋根修理と申請方法

損害保険会社から支払われる保険金を利用して屋根の修理をおこなう人が年々増えています。
地球温暖化の影響で風の勢いが強くなっており、屋根が被災する事例が増えているからです。
住宅購入時に加入する火災保険が契約期間内であれば、保険を使って無料で屋根の修理ができます。
テイガクでもこれまで、多くのご自宅の壊れた屋根を保険金を用いて修理してきました。
損害保険会社への保険申請は、読者の方が思っているよりずっと簡単です。
このページでは火災保険と屋根修理をテーマに詳しく解説します。

はじめて火災保険で屋根修理をする人の基礎知識

火災保険の専門用語の意味を再確認しましょう。
専門用語とその意味を知っておくことで、保険申請の理解が深まります。

保険料と保険金、見舞金の違い

保険料とは、保険加入者が保険会社に支払う費用のことです。
近年の相次ぐ自然災害や修繕費の高騰を背景に、保険料は上昇傾向にあります。
一方、保険金は、保険会社が加入者に対して支払う修理費用を指します。
また、見舞金とは修理費用とは別の費用で、例えば住宅修理中に住む場所がない場合のホテル宿泊費などが含まれます。

保険料、保険金、見舞金

すまいの保険とは?

画像引用:一般社団法人 日本損害保険協会HPより

火災保険のことを「すまいの保険」ともよびます。
2017年以降、火災保険は火事ではなく、自然災害による被災で保険利用する人が急増しています。
そのため、火災保険ではなく、「すまいの保険」として販売する保険会社が増えつつあります。

火災保険と共済の違い

火災保険は、民間の損害保険会社が広く一般の人々から保険料を集め、被災時に保険金を支払う仕組みです。一方、共済は営利を目的としない団体が資金を集め、被災者に共済金を支払う仕組みです。
共済金の役割や金額は、「見舞金」に近いです。
一般的には、共済よりも火災保険の方が手厚い補償を受けられます。

保険鑑定人とは?

損害保険鑑定人

適切な火災保険の申請であるか、現場を訪問をして被害の実態を確認することがあります。
保険会社が現場訪問することもありますが、保険会社から依頼を受けた“損害保険鑑定人”とよばれる鑑定人が現場訪問をする場合があります。
高額な屋根修理の見積書や、不明瞭な写真を提出すると、保険会社が保険鑑定人を派遣する可能性が高まります。

屋根修理業者の見積書

保険金を申請する際には、「屋根修理業者が作成した見積書」が必要です。
しかし、「屋根修理業者」を名乗れば誰でもその肩書きを持てる現状があります。
つまり、修理に本来10万円しかかからない工事でも、200万円に水増しした見積書を作成し、保険会社に提出することが可能です。
もし200万円の保険金が支払われれば、その差額の190万円が屋根修理業者の利益となります。
このような悪徳リフォーム業者が増加したことで、火災保険にまつわるトラブルが社会問題化しています。
特に大規模な自然災害が発生した被災地では被災者救済が優先されるため、そうした業者が野放しにされがちな現状があります。
これが火災保険料の値上がりの一因ともなっています。

質問:火災保険を使って屋根修理できるのか?

回答:自然災害が原因の不具合であれば屋根修理費用が保険会社から支払われます

画像中央の アイコン アイコンを左右に移動すると、画像の比較ができます

風で飛ばされた棟板金 棟板金を下地と合わせて取り付け
【事例】屋根の棟板金が風で飛ばされた場合

風や雹(ひょう)、あるいは雪の影響で屋根や外壁に不具合が発生した場合、火災保険を利用して屋根の修理費用が保険会社から支払われます。
たとえば、風による屋根の被害で最も多い、棟板金の飛散を例にして修理費用がいくら支払われるのか算出します。

工事項目 面積/数量 単価 小計(税抜)
足場
組立費用
240円㎡ 750円 180,000円
棟板金交換
(廃材処分費)
20m 6,000円 120,000円
運搬費 1式 10,000円 10,000円
仮修理費
(応急処置)
1式 15,000円 15,000円
管理諸経費 1式 10,000円 10,000円
消費税 33,500円
税込み合計 368,500円
※自己負担額があれば自己負担額を差し引いた金額が支払い決定額

上記金額のような請求金額が適正価格であれば、保険会社は保険金の支払いをスムーズに認めてくれるはずです。
火災保険の支払いが認められるかどうかのポイントは、下記の通りです。

火災保険申請で最も重要なポイント
  • 適正価格の見積書であるかどうか

  • 明らかに自然災害(風による影響)が原因で屋根に不具合が生じているか

近年、保険会社による修理費用の支払いが拒否されるケースが増加しています。
火災保険詐欺などの問題が多発していることが原因で、保険会社だけではなく、消費者庁も注意喚起をしています。
そのため、火災保険の利用に関しては「信頼できる会社を選ぶこと」が非常に重要です。

最近の火災保険申請に関して抑えておきたいポイント
  • 保険会社の支払い基準が厳格化され保険金の拒否が増加している

  • 保険金を過大請求する屋根修理業者(火災保険申請サポート)のトラブルが続出している

  • 適切な保険金の申請対応ができる屋根修理業者を見つけることの重要性が増している

アイコン 「他の業者では保険金がおりない」というトークに注意

火災保険の支払い拒否が増えていることを逆手にとって、「支払い成功率」を売りにしてセールスする屋根修理業者も増えています。
まっとうな修理金額と修理内容、被災証拠があれば、当然、保険金はおりるものです。
安易に「支払い成功率」だけで屋根修理業者を選定することは避けましょう。

火災保険で屋根修理ができる自然災害例

自然災害の被災に対する補償内容

火災保険は、火災だけでなく、自然災害による住宅被害も多くの場合補償の対象となっています
たとえば、台風が発生し、強風の影響で屋根がはがれた場合、屋根修理にかかる費用が保険金として保険会社から支払われます。

保険適応が認められる風災被害の実例

風で棟板金が外れた

風で棟板金が外れた
棟板金の交換費用と足場組立費用を保険会社に保険請求

風でスレート屋根と野地板が吹き飛ばされた

風でスレート屋根と野地板が吹き飛ばされた
屋根一面の張り替え費用と足場組立費用を保険会社に保険請求

風で瓦屋根が崩れた

風で瓦屋根が崩れた
瓦屋根の葺き直しと足場組立費用を保険会社に保険請求

風でトタン屋根と雨どいが全て剥がれて庇板金も捲れた

風でトタン屋根と雨どいが全て剥がれて庇板金も捲れた
屋根葺き替え工事と雨どい交換、庇板金交換工事費用、足場組立費用を保険会社に保険請求

横葺きガルバリウム鋼板屋根が剥がれた

風で横葺きガルバリウム鋼板屋根が剥がれた
屋根葺き替え工事と足場組立費用を保険会社に保険請求

風で軒天が剥がれた
軒天の張り工事と足場組立費用を保険会社に保険請求

雹で雨どいに穴が空いた
雨どいの交換費用と足場組立費用を保険会社に保険請求

雹でスレート屋根が割れた

雹でスレート屋根が割れた
屋根の張り直し費用と足場組立費用を保険会社に保険請求

雹でカーポートのテラスに穴が空いた

雹でカーポートのテラスに穴が空いた
カーポートの交換費用と足場組立費用を保険会社に保険請求

雪の重みで雨どいが外れた

雪の重みで雨どいが外れた
雨どいの交換費用と足場組立費用を保険会社に保険請求

雪の重みで雨どいが外れた

雪の重みで雨どいが外れた
雨どいの交換費用と足場組立費用を保険会社に保険請求

屋根の被害

屋根(瓦屋根やスレート)の割れや欠けや崩れまたは剥がれ

スレートや金属屋根の棟板金の浮きや剥がれ

瓦屋根の棟瓦の崩れ

ケラバ部分の崩れや剥がれ

破風板のズレや剥がれ

倒れたアンテナや小石などの飛来物、落下したドローンによる屋根の損傷

雨どいの破損や穴あき

軒天のめくれ

庇屋根の破損やめくれ

ベランダやカーポートのポリカ屋根の破損や穴あき

落雷による屋根の破損

被災した屋根の応急処置

外壁やその他の被害

倒れた三輪車や小石などの飛来物、衝突したドローンによる外壁の損傷

小石などの飛来物による窓ガラスの割れ

ベランダの床下や手すりの損傷や凹み

落雷による外壁の破損

被災した外壁や付帯物の応急処置

シャッターボックスや雨戸の損傷や凹み

エアコン室外機や物置の損傷や凹み

門扉や塀の損傷や凹み

保険と合わせて屋根修理に関する基礎知識を身に付けましょう

火災保険の申請方法

火災保険の申請は驚くほど簡単です。
自動車事故で保険請求する手順よりも簡単です。
正しい方法で申請をおこなえば、希望額に近い保険金がスムーズに保険会社から支払われます。

火災保険申請のステップ

火災保険を申請する資料を入手する

保険会社もしくは保険代理店に、屋根修理をするための保険金を請求したい旨を伝えると、保険申請の資料がご自宅に送付されます。
最近は、スマートフォン(LINE)から火災保険の保険金が申請できるようになっています。
保険会社からのレスポンスも早いため、デジタルに強い人はスマートフォンから申請をしましょう。

保険会社から求められる書類は合計4枚

保険申請に必要な書類は以下の4つです。

  • 保険金請求書(保険会社の書式)

  • 事故状況報告書(保険会社の書式)

  • 修理見積書(屋根修理業者が用意)

  • 被災箇所の写真(屋根修理業者が用意)

「保険金請求書」と「事故状況報告書」は、被保険者(お客様)が記入します。
「修理見積書」と「被災箇所の写真」は、屋根修理業者(例:テイガク)が用意します。
保険会社が提供する返信用封筒にこれら4つの書類を入れて、保険会社に郵送してください。
最短で1週間、最長で1ヶ月程度(大規模な自然災害が発生した場合)でお客様の銀行口座に保険金が振り込まれます。

1.保険金請求書(お客様が記述)

火災保険請求書
某大手保険会社の火災保険請求書

日付や名前、住所、振込先などを書く程度の書類です。
難解なものではなく、とても簡単に記入ができる書類です。

2.事故状況説明書(お客様が記述)

事故状況説明書
某大手保険会社の事故状況説明書

事故状況説明書は建物のどのあたりが被災したかを示す書類です。
屋根の形を手書きで書いて、被災した箇所を矢印で書き示します。
東西南北の方向を書いておくと丁寧です。

3.修理見積書(テイガクが用意)

修理見積書
屋根修理見積書の例

屋根修理の見積書は、屋根修理業者が用意します。
保険内容によっては、20万円以上の損害がないと認められない場合があります。
ただし、屋根を修理するには足場を組む必要があるため、たいてい20万円は超える請求額になります。

4.被災写真(テイガクが用意)

風で剥がれた棟板金

被災写真は屋根修理業者が撮影します。
写真はたくさんあるほど、保険会社は被災であるか判断がしやすいです。
できるだけ多くの写真を撮影してもらいましょう。

スムーズかつ確実に保険金を受け取るための”ココロガマエ”

被災が分かったらすぐに資料請求

大規模な自然災害が発生した場合、同時多発的に火災保険を利用する人が増えるため、保険会社の対応が遅れてしまいます。
すみやかに保険会社や保険会社の代理店に連絡し、保険申請に必要な資料を請求をしましょう。
屋根修理業者を探すよりも先に資料請求です。
見積書や写真を入手してから保険会社に相談をすると、それだけで時間のロスが生じます。

アイコン 保険会社への連絡内容はシンプルに!

保険会社に連絡する際は、「〇月〇日の台風の際に屋根が飛ばされたので保険申請したいです」といった内容で十分です。
保険金がもらえないかもしれないと思って、多くの情報を保険会社に伝える必要はありません。
逆に不信に思われる可能性があります。

保険申請は自分でおこなう

火災保険の申請は思ったよりも簡単

火災保険の申請業務はとても簡単なため、必ず自分でおこないましょう。
「プロがおこなわなければ保険金は受け取れない」といった不安をあおるような言葉を見聞きします。
保険申請のサポート詐欺会社がよく用いるセールストークです。
人任せにしないようにしてください。

屋根専門の修理業者に相談する

言うまでもないことですが、「屋根専門の修理業者」に見積書の作成依頼はおこないましょう。

屋根専門の修理業者に依頼するメリット
  • 保険会社が期待する保険請求額に近い見積書を作成してくれる

  • 屋根工事が早くて確実

実勢価格と離れた屋根修理費用の請求は、保険会社からの支払いは遅れるばかりか、保険会社から不信に保険鑑定会社の調査が入る可能性が高くなります。
綿密に建物と屋根の調査がおこなわれた結果、屋根の不具合が経年劣化として判断され、保険金の支払いが拒絶されることもあります。

テイガク大阪中央工事センター

それでは、どのようにして屋根修理業者を見つけるのでしょうか?
とても簡単な見極め方法があります。
屋根職人さんを管理して屋根工事を提供する会社は、屋根材や廃材などを保管する倉庫やゴミ置き場を所有しています。
つまり、倉庫があるかどうかで、屋根修理業者であるかどうか見極めることができます。
たとえば、外壁塗装会社が「屋根修理」や「雨漏り修理」などをセールスしている場合は、自ら屋根資材を入手して工事をすることはなく、下請けの屋根修理業者を使っている可能性が高いです。

適正な屋根リフォーム費用はいくら?過大請求にならないために

屋根リフォーム費用

各組合のホームページから検索

現在、インターネットでは、屋根修理業者である板金工事会社や瓦工事会社を見つけることが難しくなっています。
「塗装会社」や「業者紹介サイト」などのホームページにたどり着くことが多いはずです。
以下に板金工事会社と瓦葺工事会社が所属する組合のホームページをご紹介します。
参考にしてください。

アイコン テイガクは屋根修理業者です!

テイガクは職人さんと屋根資材を管理する倉庫を有する屋根修理業者です。
自社で全ての屋根修理対応が完結できる体制が整っています。
アフターサービスも充実していて安心です。

火災保険の申請にまつわるトラブルや詐欺

点検商法によるトラブルが続出

国民生活センター/屋根工事の点検商法のトラブルが増えています-

台風や地震などの自然災害により、広範囲にわたり住宅に被害が発生すると、信頼できる屋根修理業者も対応が立て込んでおり、すぐに修理に取りかかれないことが多々あります。
この状況を悪用し、被災地では「火災保険が使える」といって訪問販売業者が現れ、高額な修理費用を提案するなどのトラブルが報告されています。
中には「無料で屋根を点検します」と勧誘し、屋根にのぼってわざと損傷を与え、自然災害を理由に保険請求をしようとするケースもあります。

日本損害保険協会による注意喚起

日本損害保険協会は損害保険会社の業界団体です。
あいおいニッセイ同和損害保険やau損害保険、セコム損害保険、ソニー損害保険、損害保険ジャパン、大同火災海上保険、東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険、明治安田損害保険など28社が加盟しています。
日本損害保険協会では、火災保険利用を目的とした住宅修理のトラブルに対して注意をよびかけています。

アイコン ウェブサイトで注意をよびかけている屋根修理業者が実は詐欺会社だったケースも!

ウェブサイト上で「火災保険のトラブルに注意!」や「詐欺撲滅!」とよびかけている会社が実は詐欺会社だったというオチは、よくあるはなしです。
リフォーム会社の紹介サイトで優良会社と評価されていた会社が詐欺で逮捕されたニュースの報道を筆者は目にしたことがあります。
ウェブサイトやSNSの書き込みに対しても「フェイクかどうか」読み解く力が消費者に求められる時代となっています。

火災保険のトラブルが無くならない理由は相見積もりをしないから

悪徳業者

屋根修理に保険金が支払われる仕組みを利用した詐欺やトラブルが多発する理由は、複数の屋根修理業者に対して相見積りをおこなわないことが原因だと筆者は結論付けています。
火災保険を利用する前提条件として、屋根修理業者の見積書が必要です。
そのため、火災保険を利用することを勧められ、同意すると、屋根修理業者が自動的に決定されてしまいます。
さすがに、火災保険の保険金がおりた見積書を作成してくれた屋根修理業者の工事依頼を途中で断ることは心情的に難しいはずです。
消費者は他の屋根修理業者の意見を聞く機会を得られず、火災保険の申請書類を作成する屋根修理業者の言いなりになってしまうということです。
相見積もりをさせずに多額の工事金額の屋根工事を受注することを目的に働きかけをする悪徳業者も屋根修理業者の中には存在します。

アイコン 大事なことは保険金ではなく屋根工事の品質!

保険金の金額ばかり気になっていませんか?
筆者はお客様に「一番高い金額の保険申請用の見積書を作成した会社に工事を発注する」と言われたことがあります。
保険金を受け取ることは「手段」でしかありません。
2度と被災しない安心できる屋根修理をおこなうことが本当の「目的」です。
手段と目的をはき違えないようにしましょう。

「火災保険の詐欺」について、日本損害保険協会がYouTubeアニメを作成しています。
とても参考になるので、是非、視聴してください。

自己負担をゼロを強調する手口

自己負担ゼロと言われたので、相見積もりをせずに火災保険の申請と工事契約をセットに依頼したが、結局、過大請求と保険会社からみなされ予定していた工事金額の半分しか保険金がおりず、多額の工事費用を支払うことになった。

キャンセル料を求める手口

屋根工事内容の説明や手振り素振りに不信感を覚え、屋根工事をキャンセルをしたが、火災保険申請から保険金入手までの手伝いをした労務に対する高額な対価を要求された。

うその理由で請求する手口

あたかも風で屋根が被災したかのように屋根をわざと割って、より多くの保険金がもらえるよう見積金額を水増しした。

火災保険専門コンサルタントを名乗って信用させる手口

他の屋根修理会社との連絡を遮断し、消費者を囲い込む目的で、「火災保険申請の専門家によるサポートでなければ、保険金を受け取ることが困難」と不安をあおった。

保険金が支払われないケース

保険会社の多くは火災保険の対象とならない前提条件を設けています。
以下の条件に当てはまる場合は、保険申請をしても受けつけてもらえない可能性があります。

火災保険が支払われない例

修理費用が20万円以下(特約)

保険契約者、被保険者等の故意もしくは重大な過失または法令違反

経年劣化ですでに屋根の痛みが進行している

屋根材などの製品そのものの問題

屋根修理業者がブラック認定されている

部分修理ではなく屋根カバー工法などの全体の屋根工事を請求

※損害保険会社や保険商品によって前提条件は異なります。

経年劣化と認められる場合

明らかな経年劣化が認められる屋根

屋根と外壁の痛みや劣化が見るからに進んでいる屋根や外壁は、台風が原因ではなく経年劣化が原因であると保険会社からみなされる可能性があります。
経年劣化とみなされた場合、屋根の修理にかかる費用は自己負担となります。

【保険金をお支払いできない主な場合】
・保険の対象の自然の消耗もしくは劣化または性質による変色、変質、さび、かび、腐敗、腐食、浸食、ひび割れ、剥がれ、肌落ち、発酵もしくは自然発熱の損害その他類似の損害
・ねずみ食い、虫食い等
・保険の対象の平常の使用または管理において通常生じ得るすり傷、かき傷、塗料の剥がれ落ち、ゆがみ、たわみ、へこみその他外観上の損傷または汚損(落書きを含みます。)であって、保険の対象ごとに、その保険の対象が有する機能の喪失または低下を伴わない損害

出典: 損保ジャパン|火災保険重要説明事項より一部抜粋

屋根材の品質自体の問題と認定

アスベストが含まれていないスレート屋根

アスベストが含まれていないスレート屋根は、不具合の原因が風災ではなく、素材の問題として評価される場合があります。
たとえば、パミールやコロニアルNEOといった屋根は、保険適応が認められない可能性があります。

ブラックリストに登録されているリフォーム会社

過去に保険金の過大請求が発覚し、保険会社との信頼関係が著しく損なわれたリフォーム会社は、保険会社のブラックリストに登録されます。
その結果、屋根修理の見積書が保険会社に拒絶され、別のリフォーム会社から見積書を取得するよう勧められるといったことがあります。

屋根カバー工法などの全体の屋根工事を請求

基本的に、保険金を用いた修理は、被災した部分の修理が保険対象となります。
同じ素材の屋根材を再調達して、元に戻すという考えが保険では適用されます。
したがって、古い屋根全面に軽い屋根材を被せて仕上げる屋根カバー工法のような工事は、保険会社から認められません。
たとえばスレートが数枚、風ではがれた場合、スレートを差し替える修理しか保険会社は認めません。
なお、被災している箇所が屋根全面に及んでいるといった合理的な理由が認められる場合は、屋根全面を葺き替える工事が保険適用できる可能性があります。

アイコン 保険金の金額や支払い拒否に不服だった場合は?

そんぽADRセンター」を利用しましょう。
「そんぽADRセンター」は損害保険に関する相談や苦情などの対応をしてくれる窓口です。
複数の保険会社が参加している日本損害保険協会が運営しています。
保険会社の対応に疑念がある場合は、「そんぽADRセンター」に相談をしてください。
費用は無料です。

正しい火災保険の使い方

保険金の使い道は原則自由

スレート屋根(コロニアル)が風で飛ばされて被災した場合、金属屋根で被せるカバー工法の保険申請はできません。
保険会社が支払ってくれるのは、あくまでも被災した屋根の「部分修理の費用」です。
屋根カバー工法のような全面改修をしたり、既存の製品より高品質な材料を用いたりする工事はできません。
その一方で、保険金の使い道は、原則、保険契約者の自由です。(契約内容による)
つまり、保険会社に申請した工事をおこなう必要はありません。
極端な話ですが、そのまま保険会社から受け取った保険金を使わないでいても、保険会社から何も言われません。(※保険会社や保険商品によって制限がある場合があります)

テイガクがおすすめする火災保険の使い方

屋根カバー工法

保険申請した工事を部分的な修理で済ませるのではなく、火災保険で得た保険金を屋根カバー工法や葺き替えなどの原資として利用することをおすすめします。
たとえば、築後20年以上経過している屋根の場合、すでに屋根が経年劣化で傷んでいるはずです。
もし同じような災害が発生した場合、再び、屋根の修理が必要になるでしょう。
中長期的に安心してお過ごしいただくには、自然災害を契機に、屋根全体の改修工事をおこなうのが賢明な判断です。

屋根リフォームの種類と方法について詳しくはこちら

屋根リフォームの種類と業者選び

火災保険申請に関するよくある質問

Q

保険の申請は保険会社と保険代理店どちらに連絡をすればよいか?

A

基本的にどちらに連絡しても全く問題はありません。
はじめての保険申請なので、親身になって申請手続きのサポートをしてくれる保険代理店も存在します。
一方で、保険請求が増えると代理店の評価が下がるという情報もあります。
筆者は24時間速やかに受付してくれる保険会社のホームページから連絡を取ることをおすすめしています。

Q

写真撮影のポイントは?

A

・被害か所の写真を撮影する
・屋根全体の形が分かる写真を撮影する(被災者の屋根であるか確認するため)
・表札を撮影する

Q

火災保険と公的支援の両方を申請して問題はないか?

A

問題はございません。

さいごに

火災保険の申請はとても簡単です。
しかし、簡単に保険金が手に入るがゆえに、保険契約者の火災保険を“利用”して営為のきっかけを図ろうとする業者がいます。
インターネットで火災保険について調べていると、明らかに客寄せを目的としている「0円屋根修理」や「火災保険200万円受給」などの過激な広告フレーズを目にします。

そんな甘いフレーズにとらわれず、「2度と被災しない屋根修理をおこなうこと」に目を向けてほしいです。
毎年のように大型の台風が襲ってくることを前提とした屋根のリフォーム工事をおこなってください。
このページはすでにボリュームがあるため、詳細は控えますが、屋根は読者の人が思っている以上に、難解です。
「屋根材は何を用いるのか?」「屋根の仕上げ方にはどのような注意点があるのか?」など、屋根の修理は様々なことを把握しておく必要があります。

これから火災保険を利用して屋根修理をおこなう人は、安心できる屋根修理業者探しからぜひ、はじめてください。
正しく火災保険の申請をすれば、何も不安になることはありません。
ここまでご閲覧ありがとうございました。

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