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屋根の雨漏りで使うおすすめシーリング材がわかります
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シーリング材を使うと雨漏りが悪化する理由がわかります
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万能・定番のシーリング材がわかります
ホームセンターに行くと、たくさんのシーリング材が立ち並んだ売り場があります。
あまりにもたくさんの種類があるので、正直どれを選べばいいのか迷います。
このページでは、屋根と外壁のシーリング補修に関する内容と、テイガク屋根修理のスタッフが厳選したおすすめのシーリング材をご紹介いたします。
※今回の記載内容はおもに補修、応急処置に関するものです。ご理解いただいた上で参考にしてください。
目 次
シーリングとは
シーリング材は屋根と外壁の補修ができる万能薬です。
少量で用いる場合は、素人でも簡単に扱えます。
「シーリング」の他、「コーキング」や「シリコン」「シリコーン」とも呼ばれます。
建築工事にはシーリングは欠かせないいものです。
テイガク屋根修理でもあらゆる場面でシーリングを多用します。
1-1.シーリングは塗装工事?
シーリングは塗装工事?
戸建住宅などでは塗装職人さんがシーリング工事を行うことがありますが、シーリングは塗装工事ではありません。
シーリング工事を行う際、シーリングを「塗る」ではなく「打つ」といった表現をします。
シーリング工事は「コーキングガン」と呼ばれる銃のようなものでシーリング材を押し出して施工するからです。
大規模な建物(住宅含む)では、専門職としてシーリング職人さんが工事に携わります。
1-2.シーリング材の3つの用途
シーリング材の用途は3点あります。
ひとつは「緩衝」です。
サイディング(外壁材)の目地としてシーリングをつかいます。
地震で建物が揺れた際、目地が地震の動きに追従してくれます。
その結果、サイディングへの負荷を低減し、サイディングのヒビ割れや破損などの不具合を防いでくれます。
ふたつめは「接着」です。
シーリングは固体と個体を接合させる接着剤としてもつかえます。
建材用シーリングの販売大手は、ボンドで有名な「コニシ」だったりします。
接着剤メーカーが外壁のシーリングを製造しています。
屋根では板金を取り付ける時の接着剤として使います。
欠けたコロニアルを接着させる時にも使います。
最後は「穴埋め」です。
雨漏りの応急処置でシーリングを使います。
屋根や外壁のヒビにシーリングを充てんさせて、雨漏りを防ぎます。
シーリングによる補修事例
シーリングを用いた補修事例とおすすめシーリングを紹介します。
2-1.コロニアルの「カケ」や「ヒビ」を補修
カケたコロニアルを接着補修する時に使います。
1mm以上の隙間があいた場合のヒビにも有効です。
ただし、ヒビが無数にある場合は既に屋根の寿命が来ていると判断できます。
また、屋根材自体が最初からぜい弱(ノンアスベスト製品に多いです)である場合は、シーリングによる応急処置的な補修では効果が望めません。
おすすめシーリング材・・・「POSシーリング」
2-2.陶器瓦の「カケ」や「ヒビ」を補修
陶器(粘土)瓦のカケやヒビの補修にコーキング(シーリング)を用います。
陶器瓦の補修素材はコーキングの他、「パテ」も使えます。
瓦専用のパテとコーキングが販売されています。
※コーキングとシーリング、パテの違いは4-1をご覧ください。
パテの利点は保存が長期間できることです。
シーリングは保存期間が約1年であり、開封後は品質が低下します。
ただし、パテはコーキングガンを使わないので、施工性が悪い欠点があります。
屋根の補修は高所作業なので、コーキングガンを用いるシーリングをテイガク屋根修理はおすすめします。
おすすめシーリング材・・・陶器瓦は「瓦用シリコーン」 セメント瓦は「POSシーリング」
2-3.陶器瓦の「ずれ」を補修
陶器瓦の「ずれ」を修正するには「葺き直し」を要します。
瓦の下には「瓦桟(かわらざん)」と呼ばれる木材に、瓦を引っ掛けて固定させます。
しかし、葺き直しは手間と費用がかかります。
そのため、台風などで瓦が飛ばされないよう、シーリングで瓦を固定させることがあります。
これを「ラバ―ロック工法」と呼びます。
おすすめシーリング材・・・「シリコンシーラント8060プロ」
2-4.コロニアルやシングルの「浮き」や「捲れ」を補修
コロニアルやアスファルトシングルは風の影響で浮いたり捲れたりします。
シーリングを使って浮きや捲れを補修できます。
おすすめシーリング材・・・「シリコンシーラント8060プロ」
2-5.金属屋根の「穴あき雨漏り」を直す
金属屋根は穴あきをケアする必要があります。
その穴を埋めるために、シーリングをつかいます。
金属屋根は表面の温度が80度を超えます。
そのため、耐熱性の高いシーリングがおすすめです。
金属屋根はテープで補修するのも効果的です。
おすすめシーリング材・・・「金属用シールS585HF」
2-6.天窓やサッシからの雨漏りを直す
天窓やサッシまわりの雨漏りの多くは室外側シーリングの破損が原因です。
この場合の対処方法は打替えではなく、既存のシーリングを残したまま増し打ちする方がいいです。
おすすめシーリング材・・・「シリコンシーラント8060プロ」
2-7.取り合い部の「隙間」を埋める
「外壁と屋根」との取り合い部は雨が侵入しやすいです。
壁際に取り付ける雨押え板金の際はシーリングで充てんいたします。
外壁と屋根の接合に取り付ける雨押さえ板金に破損がないかは、日頃からケアする必要があります。
おすすめシーリング材・・・「シリコンシーラント8060プロ」
2-8.棟板金を接合する
コロニアルや金属屋根で使われる棟板金(むねばんきん)を結合させる時にシーリング材を使用します。
棟板金は風への影響が受けやす部分であるため、接着効果があるシーリングは棟板金を固定させる重要な役割があります。
おすすめシーリング材・・・「シリコンシーラント8060プロ」
2-9.外壁の「ヒビ・クラック」を直す
外壁のヒビ割れをシーリング材で補修します。
「サイディング壁」と「モルタル壁」で推奨されるシーリング材が異なります。
一般的に「サイディング壁」ではパテ、「モルタル壁」では樹脂製シーリング(コーキングとも呼びます)材で補修することが多いです。
また、外壁の種類やヒビの幅、挙動の有り無しなどで、補修方法が異なります。
補修方法は、こちらの外壁のヒビ補修の工法が役に立つので参考にしてください。
おすすめシーリング材・・・サイディング壁「ワンタッチ サイディング雨もれ防止補修材 」・モルタル壁「POSシーリング」
2-10.目地として外壁材を接合する
「サイディング壁」の目地材として使用します。
外壁目地のリフォームは既存のシーリング材を取り除き、新しいシーリング材で打替えします。
窓まわりなどの開口部は雨仕舞の観点から、既存のシーリングを残したまま、新たなシーリングを増打ちすることが多いです。
おすすめシーリング材・・・「POSシールLM」
シーリング材の補修や応急処置がNGな部位
シーリング材は使いやすく、便利です。
そのため、隙間があるところであればどんなところでも埋めたくなります。
しかし、埋めたばかりにかえって雨漏りが発生したりするなど、逆効果になることがしばしばあります。
主な原因は排水部位をシーリング材で塞いでしまうことです。
水の逃げ場がなくなり、室内へ浸水してしまうパターンです。
また、シーリング材を打つことで通気性が悪化し、中の下地材や構造材に悪影響を及ぼすこともあります。
下記に、シーリング材の使用がNGな部位をご紹介します。
3-1.屋根の横軸方向
屋根の横軸方向の隙間にシーリング剤を充填することは、やめましょう。
コロニアルや日本瓦の横軸にある隙間は屋根内部に入った雨水を排水する役割を担っています。
雨漏りを修繕するため、全面的にシーリングを充填したり、防水塗料を塗ったら、更に雨漏りが悪化したといった話はよく聞きます。
3-2.通期工法の外壁と下屋根の隙間
(金属・窯業)サイディング壁と屋根の取り合い部にシーリング剤を充填すると、雨漏りが悪化することがあります。
サイディング壁は通気層を設けています。
通気層は壁の中の湿気を放出するとともに、雨水を排水する役割も担っています。
室内の壁から雨漏りが発生し、慌ててここの部位を疑いシーリング剤で充填した結果、かえって雨漏りが悪化した事例があります。
ただし、外壁と屋根の取り合い部の接合不良による雨漏りも考えられます。
外壁通期工法の住宅はシーリング材を打つ前に充分な検証を要します。
3-3.瓦屋根の漆喰部分
日本瓦の棟の土台にあたる部分は面土と呼ばれ、通常、漆喰で塗り固められています。
この面土をシーリング剤やモルタルで充填するのはやめましょう。
漆喰は通気性能がありますが、シーリング材やモルタルは通気性能がありません。
屋根裏は水蒸気が溜まりやすく棟下地は湿気の影響を最も受ける部位です。
通気が悪くなりため湿気に弱い棟下地は腐食しやすくなります。
シーリングとコーキングの違いと種類
シーリング材の種類について解説いたします。
シーリング材は多くの種類が準備されており、適材適所に使用する必要があります。
中にはサイディングメーカー専用などのシーリング材もあり、用途が細分化されています。
4-1.シーリングとコーキング、パテの違い
「シーリング」や「コーキング」どちらの名称も同じ意味と解釈いただいて問題ございません。
建築業界では「緩衝」や「接着」「穴埋め」などをシーリング材で行う工事全般を「シーリング工事」と呼びます。
一方、「コーキング」はシーリング工事分野の中で油性(現在は樹脂が主流)の充填剤を使用した場合に用いる名称です。
樹脂製品の代表的な素材で、「ウレタン」や「シリコン」「変成シリコン」品があげられます。
これらはコーキング材に該当します。
いずれも「表面は硬化しているが中身が柔らかい性質が」特徴です。
ヨブヨしたゴム製のもので穴埋めなどをする材料が「コーキング材」になります。
表面が硬く中身も硬いシーリング材があります。
代表的なものにパテがあげられます。
パテは凸凹した面を平らにする場合に用います。
パテはシーリング材の一種ですが、コーキング材には該当しません。
4-2.コーキング材の種類と強度
耐久性能ではシリコン系が最も高く、変性シリコンよりも安価です。
ただし、シリコン系は上に塗料がのりません。
塗料を使用する場合は変性シリコンもしくはウレタン系を使用します。
ウレタン系は塗装が必須です。
変性シリコン系には「ブリードタイプ」と「ノンブリードタイプ」があり、塗装をする場合は「ノンブリードタイプ」が施工後の仕上がりが良好です。
コーキングタイプのシーリング材の耐久性 |
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油性系(ポリコークが有名)<ウレタン系<変性シリコン系<シリコン系 |
4-3.1液性と2液性のシーリング材
シーリング材には1液型と2液型があります。
1液型は単材で使用し、2液型は2つの溶剤を混ぜて使用します。
性能は大きく異なりません。
しかし、1液型は333mlと少量であり、筒状のカートリッジタイプになっているため取り換えが面倒です。
そのためマンションなど、たくさんシーリング材を使用する現場では2液型で施工します。
1液型シーリング材はプライマーが未使用でもある程度接着はします。
しかし、安定した接着性を保つためにはプライマーは必要です。
2液型シーリング材は必ずプライマーを使用します。
4-4.建材メーカーが取り扱う専用シーリング材
シーリング材は屋根や外壁工事にはなくてはならないものです。
そのため、屋根や外壁材のメーカーは、取り扱い商品ごとに専用シーリングを用意しています。
商品の性質や色に合わせて製造しているため、使用している屋根や外壁材に最も適したシーリング材であると言えます。
外装材メーカー最大手のケイミューは「スーパーKMEWシール」を販売しています。
このシーリングはとても耐久性が30年以上でとても優れています。
ヒビ割れがなく、色あせもしにくい特徴もあります。
高額ですが業界内でも評判のいいシーリング材です。
その他、ガルバリウム鋼板屋根専用や雨樋専用など使用箇所に応じ、様々なシーリング材があります。
迷ったらとりあず、これ!「POSシール」
使用部位ごとにシーリング材を購入していたら、負担が高まるばかりです。
そこで、万能で高いパフォーマンスのシーリング材をご紹介します。
POSシール/セメダイン社 変成シリコーン系シーリング材
変成シリコンであり、色もたくさんあります。
POSシールの特徴
・内外装の各種目地(防カビ性付与)
・内外装の各種目地(防カビ性付与)
・高耐久性
シーリング材の打替え工事事例
外壁サイディング目地の打替えの手順をご紹介いたします。
6-1.既存目地を撤去する
既存の目地を取り除きます。
シーリング材を簡単に除去する溶剤はなく、一般的にはカッターやペンチなどを利用します。
劣化していないシーリング材は手で引っ張るだけで綺麗に取れることがあります。
6-2.マスキングテープを貼ってプライマーを塗る
マスキングテープを貼って、プライマーを塗ります。
6-3.シーリング材を打ち
ボンドブレーカー(目地底に貼るシール)を貼り、シーリング材を充填させます。
6-4.ヘラでシーリング材を整える
充填後、ヘラでシーリング材表面を平滑にさせます。
6-5.シーリング工事完成
最後にマスキングテープを剥がして完成です。
テイガク屋根修理のシーリング工事
テイガク屋根修理ではシーリング工事も承っております。
板金工事に合わせて「屋根工事と合わせてやシーリングや外壁塗装を行う」とは必然です。
屋根工事とシーリングを含む外壁塗装工事を組み合わせて行うお客様がとても多いからです。
また、テイガク屋根修理は屋根工事だけではなく、シーリング工事を伴う金属サイディング工事も専門にしています。
テイガクのシーリング剤について
テイガクでは2024年10月より、工事に使用するシーリング材に、耐候性・速乾性に優れた「SRシール H100」を採用いたします。(SRシール H100の詳細はこちら)
ご希望のシーリング材がございましたら変更は可能ですので、担当の施工管理士にご相談ください。
もちろん、「屋根工事とシーリング工事だけ」の組み合わせも大歓迎です。
高品質のシーリング工事をもお客様にご提供できることをお約束いたします。
まとめ
重要なポイント
シーリング材は使用する部位により使い分けをする必要があります。
シーリング材は適用品があり、更にグレードもあります。
シーリング材による補修は応急処置です。雨漏りによる被害が顕著な場合は屋根の葺き替えやカバー工法を検討してください。
シーリング材を充てんすることで、逆に雨漏りが生じたり、雨漏りが悪化することがあります。
屋根工事とあわせて塗装工事やシーリング工事を行うお客様がたくさんいます。
屋根工事と外壁工事の組み合わせリフォームはテイガク屋根修理にお任せください。