屋根の千鳥葺きと乱葺きの違い

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横葺き屋根の葺き方「千鳥葺き」と「乱葺き」。
今回はこの2つの葺き方の特徴やメリットデメリットについて解説します。
工事前には押さえておきたいポイントなので、葺き方の違いについて確認しておきましょう。

横葺きの屋根の貼り方の千鳥葺きと乱葺き

横葺き屋根は、地面と平行に屋根材が張られている屋根です。
横葺きの金属屋根は、左から右に順に屋根材を張っていきます。
一番右端まで張った時、屋根材が中途半端に余ります。
その余った屋根材を捨てずに使い回して、上の段の左端から屋根を張る、それを繰り返し行うと、継ぎ目がランダムになります。
この葺き方を、「乱葺き」と呼びます。
一方で、余った屋根材を使い回さずに、継ぎ目を等間隔で、規則的に屋根を張る葺き方を、「千鳥葺き」と呼びます。

【youtube動画】屋根の千鳥葺きについて

【youtube動画】屋根の千鳥葺きについて

「千鳥葺き」とは?

千鳥といえば、最近ではお笑い芸人を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
千鳥」というのは、建築用語ではレンガのような配置のことをよびます。
千鳥葺きは、目地(屋根材の継ぎ目)が整った屋根の張り方です。
屋根材の幅が等間隔のため、美しい屋根に仕上がります。

千鳥葺きの屋根
千鳥葺きの屋根

太陽光パネル取り付ける場合は千鳥葺き

太陽光パネルがある方、これから取り付ける可能性がある場合は、目地の位置をあらかじめ考慮した、千鳥葺きで屋根を張る必要があります。
金属屋根材のスーパーガルテクトの施工マニュアルでも、太陽光パネルを載せる場合は、千鳥張りにすることになっています。

千鳥葺きと太陽光パネルの金具
千鳥葺きと太陽光パネルの金具

太陽光パネル取り付ける時、太陽光パネルの金具と屋根の目地が重なることは避けなければなりません。
雨漏りを引き起こす可能性が高くなってしまうからです。
金具と目地の位置が一致しなければ問題ないというのが筆者の見解です。
太陽光パネルの設置を希望する方は、工事前に屋根の仕上げ方を確認しておきましょう。

千鳥葺きのメリットとデメリット

千鳥葺きのメリットは、屋根の目地が整列するので美しい仕上がりになります。
平家などの屋根が目立つ建物では、千鳥葺きの屋根にすると綺麗な外観になります。
職人さんの中には、ポリシー(美学)があって千鳥葺きを求める方もいます。
テイガクの職人さんにも同意見の方がいて、それだけ千鳥葺きの外観は職人の方から見ても美しいと言えます。

デメリットは、屋根材本体の廃材が大量に発生することです。
端材を使いまわすことができないため、乱葺きの約1.2倍は屋根材を必要になり、その分工事金額が高くなってしまいます。

4段飛ばしの千鳥張り
4段飛ばしの千鳥張り

「乱葺き」とは?

乱葺きは、目地を整えない屋根の仕上げ方です。
屋根の端材を使いまわして屋根を張っていきいます。
一般的に金属屋根を横葺きに張る場合は、乱葺きが基本です。

乱葺きの屋根
乱葺きの屋根

乱葺きのメリットとデメリット

乱葺きのメリットは、屋根が余らないため経済的でかつエコロジーであることです。
余分な屋根材が出ないため、工事価格は千鳥葺きと比べて安価になります。

デメリットは、目地が整わない仕上がりですが、筆者はデメリットというほど気にはなりません。
職人さんが切断長さを間違えることもあるため、乱葺きは不均等な長さで屋根が仕上がることもありますが、
余分な端材がない分コストがかからないため、メリットの方が大きいと言えるでしょう。

屋根材を張る様子
計算する必要もないので施工性も良い

屋根の端材を無駄にしないで使いまわすことができれば、次の段、次の段と屋根材を張るのことを繰り返すことで、屋根の目地は階段状になり「階段葺き」と呼ばれる葺き方も可能です。

階段葺きの屋根
階段葺きの屋根

アイコン 業界の慣習は乱葺きのため事前確認を!

わたしたち屋根工事業界では、横葺き屋根は乱葺きが基本です。
お客様からのクレームで、目地が整列されていないと指摘を受けることがしばしばあります。
金属屋根はスレート屋根と違って屋根を嚙み合わせて仕上げるため、意匠はほとんど気にならず乱葺きで全く問題はありません。
千鳥葺きにしたい場合は、工事前に仕上げ方をよく確認しておきましょう。

テイガクで施工した千鳥葺き・乱葺きの現場

千鳥葺きを検討している方はテイガクにご相談ください

太陽光パネルの設置を目的に、千鳥葺きを検討されるお客さまも最近は増えています。
テイガクでは、太陽光パネルの設置を想定した工事内容についてもご提案が可能です。
千鳥葺きにご興味がある方は、ぜひお気軽にお問合せください。
現地調査、お見積りまで無料で承ります。

この記事を書いた人
著者 前川 祐介
前川 祐介 代表取締役社長
テイガク サイト制作責任者
宅地建物取引士
建築物石綿含有建材調査者
著者経歴

大阪府堺市生まれ。千葉県立船橋東高校→法政大学→サノフィ(旧アベンティスファーマ)株式会社を経て、父親が経営する板金工事会社である昭和ルーフリモ株式会社へ入社。
中央工学校夜間建築学科卒業。年間100棟以上の屋根と外壁工事に携わった経験を活かし、テイガク記事の執筆とユーチューブ動画撮影をおこなっています。趣味は日本史学。

運営会社

昭和ルーフリモ株式会社は2001年設立の板金工事会社です。
これまでの金属屋根と金属サイディング工事件数の合計は20,000棟を超えます。
板金工事は足場を組み立てるため、外壁塗装の工事事業にも注力しています。

国土交通大臣許可(般-25)第22950号
許可を受けた建設業:板金工事業/屋根工事業/塗装工事業 他

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