アスファルトルーフィング940とは?10年で劣化がはじまるルーフィング

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新築で最も用いられているルーフィング

最も値段が安い屋根の防水シート

ルーフィング(テイガクの東京・埼玉工事センター)
ルーフィング(テイガクの東京・埼玉工事センター)

「アスファルトルーフィング940」とは、屋根材の下に貼る(もしくは野地板の上に貼る)代表的な屋根の防水シートです。
ルーフィングは屋根からの雨漏りを最終的に防いでくれる戸建て住宅で最もと言ってもいいほど重要な建築資材です。
屋根材メーカーの施工マニュアルを見ると、たいていの屋根材メーカーは「アスファルトルーフィング940以上」の品質のルーフィングを用いるよう指定しています。
屋根の防水シートであるルーフィングの中でも「アスファルトルーフィング940」は最低基準を満たす製品です。

ルーフィングとは?

ルーフィングの種類はアスファルトルーフィング940以外にもたくさんあります。
最低基準にあたるアスファルトルーフィング940はもちろん、価格が安いです。
そのため、主に建売住宅でよく採用されています。

品質の良いその他のルーフィングもアスファルトを浸透させたルーフィングに違いがありません。
しかし、一般的にアスファルトルーフィングといえば、「アスファルトルーフィング940」のことを示します。

アスファルトルーフィング940の商品一覧

商品名  価格(2023年アマゾン) 
田島ルーフィング pカラー 6200円 (1本)
静岡瀝青 アスファルトルーフィング  5,900円 (1本)
日新工業 カラールーフィング 7000円 (1本)

動画でも解説!

アスファルトルーフィング940がダメな理由
04:11

アスファルトルーフィング940がダメな理由

アスファルトルーフィング940の構造

アスファルトルーフィング940
アスファルトルーフィング940

アスファルトルーフィング940のアスファルトを浸透させた紙が基材となっています。
表面がグリーンカラーの商品が多いです。

そもそも940とは何のことか?

1㎡あたり940g以上の重量という意味です。
現行の商品は1m×1mサイズで1,095gの商品が多く、もちろん、940gの基準を満たしています。
同じ構造の防水シートで1㎡あたり430g程度の製品があります。
430gの防水シートは外壁で用いられ、「アスファルトフェルト430」とよびます。
昔は防水シートの重さがあるほど性能が高いとみなされ、屋根と外壁で防水シートの重さによって使い分けをしていました。

しかし、最近は技術の進歩のおかげで、軽量で止水性能が高いルーフィングが開発されています。
そのため、940や430などの数字は意味のない数字になっています。

アスファルトルーフィング940の寿命

10年過ぎたあたりで劣化が進む

田島ルーフィング株式会社ウェブサイトより

田島ルーフィングはルーフィング製造の最大手メーカーです。
アスファルトルーフィング940も製造しています。
グラフはルーフィングの劣化状況を確認した田島ルーフィングによる試験結果です。
劣化したルーフィングは、柔軟性が損なわれ硬くなっていきます。
アスファルトルーフィング940は約10年で柔軟性が完全に失われます。

なぜ10年で機能が損なわれるのか?

2000年4月1日に品確法とよばれる法律が定められました。
この法律が制定されたことで、戸建て住宅を建築した工事会社は自社で建築した建物に10年間の雨漏り保証を設けることが義務付けられました。
(それまでそんな義務がなかったので、今考えるととても恐ろしいことです。)


裏を返せば、屋根の防水性能は最低10年持てばよいという考えとして、とらえられます。
屋根の中のルーフィングの存在自体を消費者は知らないため、一番安いルーフィングで仕上げられているのが現実です。

雨漏りの真の原因はルーフィングの破れ
雨漏りの真の原因はルーフィングの破れ

屋根のリフォームではNG

改質アスファルト以上の品質が望ましい

インターネットのおかげで
・ルーフィングは屋根にとって最も重要な建材であること
・アスファルトルーフィング940は最低レベルの建材であること
の理解が進んでいます。
そのため、屋根の改修において、アスファルトルーフィング940を堂々と使う業者は減少しつつあります。
残念ながら新築では今でもアスファルトルーフィング940が当たり前のように使われています。
すくなくと屋根の改修をおこなう際は、改質アスファルトルーフィングを用いてください。

最低でも改質アスファルトルーフィング以上の製品を使いたい

ルーフィングは意外とコストパフォーマンスが高い

実はルーフィングはコストパフォーマンスが高い建材です。
数万円程度の費用負担で、グレードの高いルーフィングに変更することが可能です。
これから屋根の新築あるいは改修を予定されている方は、できるだけ良いルーフィングを選ぶよう心がけてください。

ルーフィングの種類と品質・価格

商品 品質 価格
アスファルトルーフィング940 600円/㎡
改質アスファルトルーフィング ★★ 900円/㎡
粘着式不織布ルーフィング ★★ 1,100円/㎡
透湿ルーフィング  ★★ 1,100円/㎡
両面不織布ルーフィング ★★★ 1,000円/㎡

上記はテイガクが提供している最新のルーフィングの施工価格です。

屋根リフォーム価格表

屋根リフォーム費用

この記事を書いた人
著者 前川 祐介
前川 祐介 代表取締役社長
テイガク サイト制作責任者
宅地建物取引士
建築物石綿含有建材調査者
著者経歴

大阪府堺市生まれ。千葉県立船橋東高校→法政大学→サノフィ(旧アベンティスファーマ)株式会社を経て、父親が経営する板金工事会社である昭和ルーフリモ株式会社へ入社。
中央工学校夜間建築学科卒業。年間100棟以上の屋根と外壁工事に携わった経験を活かし、テイガク記事の執筆とユーチューブ動画撮影をおこなっています。趣味は日本史学。

運営会社

昭和ルーフリモ株式会社は2001年設立の板金工事会社です。
これまでの金属屋根と金属サイディング工事件数の合計は20,000棟を超えます。
板金工事は足場を組み立てるため、外壁塗装の工事事業にも注力しています。

国土交通大臣許可(般-25)第22950号
許可を受けた建設業:板金工事業/屋根工事業/塗装工事業 他

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