断熱屋根材とは?
2023年1月に撮影した断熱屋根材の表面
上記写真は滋賀県大津市でテイガクがスーパーガルテクト(雪留めなし)で施工した屋根の写真です。
「この屋根を見て何を思いますか?」
屋根に雪が残っている写真と思われたはずです。
それでは、雪が残ってない屋根を探してください。
ほとんどの屋根の上には雪が残っていないです。
(北側は雪が残っている屋根がありますが、東西南はほとんど雪が残っていません。)
室内の暖房の熱が断熱材でブロックされているから、雪が解けずに残っています。
スーパーガルテクトは南側を除き東西北面の雪がかなり残っています。
そのような屋根は周囲を見渡してもひとつもありません。
これは断熱屋根の断熱効果が証明できる写真です。
これほど、断熱屋根の効能は優れています。
2023年、電気料金が高騰しています。
夏と冬の光熱費抑制を考えると、断熱屋根はこれからの屋根のファーストチョイスになることは間違いありません。
テイガクのお客様からも大好評
断熱屋根材とは日本の屋根材メーカーが製造する断熱材一体型の金属屋根のことです。
金属屋根に断熱材が裏打ちされた屋根材です。
断熱性能は他の金属屋根と比べてかなり高く、夏は涼しく冬は暖かくなります。
20年以上前から取り扱いがある構造の屋根材で、実績と評価は確立しています。
令和4年にはアイジー工業のスーパーガルテクトが高い断熱効果が認められ、文部化科学大臣賞を受賞しています。
真夏の過ごしやすさ、光熱費が高くなる冬の電気料金抑制の問題解消を優先すると、金属屋根の新築とリフォームは共に断熱屋根材をおすすめします。
断熱材は遮音性も高めてくれます。
テイガクで工事をおこなった多くのお客様に断熱効果を実感していただいています。
自信をもっておすすめできる屋根材です。
断熱効果の仕組み
断熱屋根材は熱の侵入を防いでくれる効果があります。
夏は外側からの熱を防いでくれます。
冬は室内からの熱の損失を防いでくれます。
そのため、夏と冬の冷暖房の利きがよくなり、光熱費抑制が実現できます。
遮熱性能と断熱性能は全く異なります。
遮熱性能は屋根の表面が熱くなりにくいだけであり、時間が経過すると最終的には遮熱性能がない屋根の表面と温度の差はほとんどなくなります。
また、遮熱性能は夏にしか効果がなく、冬は太陽の熱を吸収しにくくなるのでより寒くなってしまいます。
ヒートショックや冬は夏よりも光熱費がかかる問題もあり、遮熱性能の効果は限定的です。
遮熱性能ではなく断熱性能を優先してほしいです。
日本製の強み
日本の金属屋根メーカーでのみ断熱屋根材を取り扱っています。
理由は製造管理や物流管理が難しいからです。
日本の金属屋根メーカーは製造物の検品や梱包などをかなり丁寧におこなっています。
屋根材ごとの品質の均質性を重視しています。
断熱材は発砲させて貼付させるという製造工程があり、製造物の均質性を海外で担保させるのが難しいと筆者は判断しています。
断熱材一体型金属屋根の商品
屋根材メーカー | 商品名 |
---|---|
アイジー工業 | スーパーガルテクト |
ニチハ | 横暖ルーフ |
福泉工業 | シルキーG2 |
折板屋根では断熱材付きは常識
工場や倉庫で用いる折板屋根は断熱材付きが当たり前のように使われています。
結露抑制や断熱効果、遮音効果をもたらすため、断熱材の裏打ちは必須です。
しかし、戸建て住宅の金属屋根ではまだまだ断熱材の裏打ちの重要性が浸透していないです。
断熱効果
石粒付き鋼板と比べてどうなのか?
断熱材がある屋根が優れている
よく石粒付き鋼板の屋根と断熱屋根の断熱性能について、尋ねられます。
結論を述べると断熱屋根の方が、断熱性能は優れています。
下記はニチハの横暖ルーフαSと石粒付き鋼板屋根のデータ比較です。
屋根材 | 野地板裏の温度 | 室温 |
横暖ルーフαS | 26.6度 | 26.6度 |
石粒付き鋼板 (空気層15mmの商品) | 49度 | 20度設定 |
石粒付き鋼板の屋根メーカーのデータと比較しても、断熱屋根の効果が優れていることが確認できます。
室温を20度に設定していることを加味すると、断熱材付きの屋根がいかに断熱効果が優れているか評価できます。
石粒付き鋼板屋根は空気層の厚みがポイント
石粒付き鋼板の屋根は商品によって空気層の厚みが全く異なります。
断熱層(空気層)の厚みに断熱効果は比例するため、空気層がほとんどない商品(5mm以下の屋根材)は断熱性能が劣ります。
石粒付き鋼板の屋根は空気層がほとんどない屋根と、空気層があってかつ通気ができる屋根があり、断熱性能は屋根の商品によって全く異なります。
また、石は陶器と同じ素材なので陶器瓦と同じ程度の断熱効果があると宣伝されています。
石粒の厚み(1㎜程度)と陶器の厚み(2cm程度)は全く違い、陶器瓦は空気層が厚いだけではなく通気も確保できる屋根できます。
空気層が薄く通気が確保できない石粒付き鋼板の屋根の断熱効果は(空気層の厚みに比例しますが)、限定的で大きな期待はできないと筆者は評価しています。
金属サイディングの断熱効果を屋根に転用
金属サイディングと窯業サイディング、ALC、モルタルのなかで最も断熱効果があるのは金属サイディングです。
熱の伝わりにくさは証明されています。
これは窯業サイディングの主要メーカーであるニチハやケイミュー、旭トステムが加盟している金属サイディング工業会が算出したデータからでも明らかになっています。
金属サイディングの仕組みをそのまま屋根に転用させたので、断熱効果が優れているのは当たり前のことです。
断熱改修の補助金は出るのか?
省エネを目的にした断熱改修補助金制度が定期的におこなわれています。
残念ながら断熱屋根材を用いたリフォームは断熱改修補助金制度の対象になりません。
断熱改修が壁や天井裏の中に断熱材を入れる工事しか認められていないことが背景にあります。
おすすめの屋根材
アイジー工業:スーパーガルテクト
アイジー工業は金属サイディングと金属屋根の最大手メーカーです。
断熱材の厚みは最厚16mmで、燃えにくいイソヌレートフォームを用いています。
断熱材が高く評価され、令和4年に文部科学大臣賞を受賞しています。
スーパーガルテクトが他の屋根材と異なる優れている点は、かん合部にも断熱材があることです。
かん合部にも断熱材があるため、屋根全体が断熱材でおおわれる特性があります。
ニチハ:横暖ルーフ
ニチハは外壁材の最大手メーカーです。
断熱効果が優れている金属サイディングを金属屋根に取り入れて販売された屋根材です。
横暖ルーフは20年以上昔から販売されている断熱屋根材で、断熱効果だけではなく実績も豊富です。
横暖ルーフαSが断熱材の厚みが17mmあり、最も断熱効果が高いです。
スーパーガルテクトと異なり屋根の引っかけ部分に断熱材があるため、横暖ルーフαsも屋根全体を断熱材で覆うことができます。
これからの屋根は断熱屋根
断熱屋根で施工した現場で「2段ベッドで寝ている娘からエアコンが明らかに効きやすくなったと言われました」。
こんなお喜びの声を過去、筆者は頂戴しました。
お子様が成長するにつれて勉強部屋の室内環境を整える必要があると思います。
暑苦しい部屋では快適に勉強をすることができません。
冬は夏よりも電気を使うため、熱を逃がさない断熱屋根材は光熱費の抑制につながります。
夏も冬も過ごしやすくなる断熱屋根材は屋根の改修だけではなく新築のファーストチョイスになる屋根材です。