折板屋根の雨漏り原因(代表的な4パターン)
1.屋根本体の錆による穴あき
折板屋根の素材がトタン(亜鉛メッキ鋼板)である場合、定期的な塗装メンテナンスを怠ると、10年15年程度で屋根全体に錆が発生し、雨漏りの原因である穴あきを招きます。
トタンに限らず、トタンより上部と評価されているガルバリウム鋼板も同様です。
ガルバリウム鋼板も経年劣化と共に錆が発生することがあります。
海に近い環境だったり、森林で落ち葉が溜まる環境だったりすると、更に錆びは発生しやすくなります。
2.内樋(箱樋)の劣化による穴あき
折板屋根の軒先が「内樋(うちどい)構造」になっている建物は要注意です。
写真のように雨水を受けて排水させる雨樋が建物の内部にある構造部のことを内樋とよびます。
工場や倉庫ではなく、内樋構造は店舗の建物でよく採用されています。
箱の形をしているため、箱樋(はこどい)ともよびます。
一般的に雨どいを外に設ける「外樋(そとどい)構造」と比べ、雨水の排水経路が室内側にあるため、内樋構造は雨が漏れるリスクが高い屋根の構造です。
内樋の中に、金属製の新しい内樋を2重に重ねることで雨漏りを抑えることができます。
3.落ち葉の電飾や積雪の水たまり
屋根の角度が急ではなく緩やかであるほど、屋根の面積は少なくなります。
そのため、多くの折板屋根は勾配(屋根の角度)が緩やかに設計施工されています。
一方、勾配がない屋根は、落ち葉や異物などが積載されやすい構造と言い換えられます。
落ち葉や木の枝などの異種素材が屋根に接触すると、錆を誘引させる電蝕(でんしょく)を引き起こします。
大量の雪が降り積もった折板屋根は雪解け水がうまく排水されず、雨漏り発生を引き起こすことが多いです。
4.ボルト部分の錆びによる穴あき
折板屋根にはボルトで屋根を固定する方法があります。
ボルトが外に露出しているため、錆びが進行しているボルトをよく見かけます。
経年劣化とメンテナンスがおこなわれていないことが原因です。
屋根に穴を空けて留め付ける部分であるため、当然、ボルトの錆が進行すると雨漏りを引き起こします。
折板屋根の改修方法
折板屋根の改修方法は大きく3つの種類に分けられます。
1:部分補修
2:塗装
3:カバー工法
葺き替えも改修方法のひとつですが、建物内の営業を停止する必要があり、多額の費用がかかるため、現実的な工事ではありません。
1.部分補修
「シーリング材の充てん」や「防水テープの貼り付け」で空いた穴を塞ぐ補修作業です。
もちろん、穴が空いた折板屋根の穴を元に戻すことは不可能なので、応急処置的な作業となります。
2.塗装
錆びを除去する「ケレン作業」と「錆び止め塗料」を加えて折板屋根を塗装する作業です。
ちなみに、折板屋根は1枚の金属板を折り曲げて成型加工されているため、屋根の塗装面積が敷地面積よりも大きくなります。
おおよそ建物の敷地面積の1.6倍程度、屋根の塗装面積が大きくなります。
そのため、折板屋根の塗装は思っていた以上に屋根塗装の費用がかかります。
なお、すでに屋根全体が錆だらけになっている場合は、塗装をしても屋根の長期機能維持の期待はできません。
3.カバー工法(折板屋根の上に折板屋根を被せる工事)
古い折板屋根の上に新しい折板屋根を被せる工事です。
折板屋根の雨漏り改善をおこなうには、まずカバー工法を検討してください。
屋根の長期維持を目的とされるお客様が最も多くおこなっている工事です。
折板屋根の上に折板屋根を重ねるカバー工法の手順
①現地確認
現地調査をおこないます。
折板屋根や雨どいの状態を調べます。
テイガクでは現地調査からお見積りの提出までは無料で請け負っております。
現地調査で最も大切なことは「そもそも工事ができるかどうか」です。
建物が増改築されていたり、敷地内に十分なスペースがなかったりすると、屋根カバー工法をおこなうことができません。
工事ができるかどうかは、建築板金工事のプロが見て判断いたします。
②足場組立
工事会社で最初におこなう工程は、足場の組立です。
営業活動をしている企業様がほとんどなので、従業員や来店されるお客様の安全に配慮したうえで計画的に足場を組み立てます。
写真は立川市にある住宅情報館様の建物です。
テイガクが折板屋根の改修工事をおこないました。
③クレーンによる資材搬入
屋根材をクレーンで持ち上げます。
写真のような十分なスペースがなければ、折板屋根を持ち上げることはできません。
屋根材を持ち上げる作業が最も折板屋根の改修工事で緊張する時間です。
折板屋根の持ち上げ
④断熱材一体型の折板屋根がおすすめ
折板屋根のカバー工法は基本的にペフとよばれる断熱材が貼り付けられた屋根で改修をおこなってください。
折板屋根と折板屋根の間に空気層ができることになり、断熱材がないと空気層内で結露水が大量に発生します。
ペフが結露水の発生を抑制してくれます。
工事価格を優先してしまい、ペフのない屋根で仕上げてしまうと、後々、後悔することになります。
⑤本体施工
折板屋根を屋根上に持ち上げることができれば、後はスムーズに工事が進みます。
折板屋根を用いる大型建築物の工事は職人さんの数も多く入るため、100坪程度の建物であれば1週間程度で屋根の仕上げ工事は終わります。
⑥ケラバと棟板金の取り付け
折板屋根の弱点は「ケラバ」と「棟板金(むねばんきん)」です。
この2か所は強風で風災被害にあることが多いです。
そのため、しっかりとビスで固定をする必要があります。
⑦雨どいの交換
折板屋根を被せることで、屋根の位置と高さが変わります。
雨どいの排水機能にも影響が及ぶため、屋根カバー工法と雨どいの交換はセットでおこないます。
雨どいを新しいものに交換をして工事が完了です。
折板屋根の改修工事費用
折板屋根の改修工事の費用
300坪の折板屋根の倉庫 | 約1000坪の折板屋根の工場 | |
折板屋根の部分修理費用 | 約100,000円 | 約300,000円 |
折板屋根の塗装工事費用 | 約1,200,000円 | 約3,000,000円 |
折板屋根のカバー工法費用 | 約3,600,000円 | 約9,000,000円 |
折板屋根の改修工事は、屋根面積が大きくなるほど価格が安くなります。
屋根カバー工法の費用は屋根塗装の費用の約3倍程度です。
ただし、用いる鋼板の素材や厚み、断熱材の有無によって工事費用は変わります。
もちろん、屋根塗装で用いる塗料の質によっても工事費用は変わります。
意外と多い改修後のクレーム
折板屋根の改修工事後に最も多いクレームが結露水の落水です。
雨漏りと勘違いするお客様が多いです。
折板屋根と折板屋根の間に空気層が形成されることで、結露が発生します。
基本的には「ペフ」とよばれる断熱材を折板屋根に貼ることで結露は解消されますが、精密機械や紙製品を用いる施設の場合は、写真のようにグラスウールを敷き詰めた施工をおこなうことをおすすめします。
折板屋根の改修工事はテイガクにお任せください
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折板屋根の改修工事はテイガクにお任せください。
テイガクでは金属屋根と金属外壁の専門工事会社です。
専門の施工管理者と建築板金工がお客様の大切な資産である工場や倉庫を、長く安心して利用ができるよう改修いたします。
直接契約による直接工事がテイガクの強みです。
専門性の高い工事をわかりやすく説明し、かつ適切な価格で工事をご提供いたします。
現地調査を経たお見積もり書の作成までは無料です。
工場や倉庫の屋根と外壁改修工事をご検討されている人は、お気軽にテイガクへお問い合わせください。