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閉じる遮熱ルーフィングとは
遮熱ルーフィングとは、遮熱効果のあるルーフィングのことです。
屋根材の下に敷くルーフィング(防水シート)に、アルミ箔を貼り付けたもので、表面のアルミ箔が太陽の光を反射して、家の中に熱が伝わるのを抑えてくれます。

そもそもルーフィングは、屋根位材(瓦など)の下に敷く防水シートのことです。
ルーフィングがあることで、雨水の侵入を防ぐことができます。
ルーフィングにはいくつか種類があります。
この記事では、数あるルーフィングのなかのひとつ、「遮熱ルーフィング」について解説します。

遮熱ルーフィングが夏の暑さを改善する仕組み
家の中の熱のうち75%が輻射熱
屋根の遮熱効果を考えるうえで、まず熱がどのように室内に伝わるのか、理解しておきましょう。
暑苦しさの原因である熱の移動には、以下の3つ形態があります。

輻射熱(ふくしゃねつ)
物体が直接触れていなくても、赤外線などの電磁波によって生じる熱です。
太陽の光を浴びて温かく感じるのは輻射熱の典型例です。
住宅では、屋根や壁が太陽光で熱くなり、その熱が室内に伝わります。
今回のテーマである遮熱ルーフィングは、この輻射熱を効果的に抑えるためのものです。
対流熱(たいりゅうねつ)
空気や水などの液体・流体の移動によって生じる熱です。
例えば、エアコンの温風や冷風が部屋全体に広がるのは対流熱によるものです。
伝導熱(でんどうねつ)
物体から物体へ直接伝わる熱です。
例えば、熱いフライパンに触ると手が熱くなるのは伝導熱によるものです。
建物内の熱移動の割合を調べた研究によると、全体のうち75%が輻射熱によるものと言われています。
そのため、家の断熱性を高めるには、輻射熱をブロックすることが重要になります。
輻射熱を反射する遮熱ルーフィング

遮熱ルーフィングは防水機能に加えて、熱を遮る(さえぎる)「遮熱性」も兼ね備えているのが特徴です。
遮熱ルーフィングの表面にあるアルミ箔などの金属は、太陽光などの輻射熱を反射します。
この特製により、遮熱ルーフィングは室内へ熱が入り込むのを抑えることができます。
遮熱効果を高めるには「通気層」が重要
遮熱ルーフィングの遮熱効果を最大限に引き出すためには「通気層(空気層)」が必要です。

通気層は、屋根材とルーフィングの間に作る空気の通り道のことです。
具体的には、ルーフィングと野地板の間に通気垂木(つうきだるき)もしくは通気胴縁(つうきどうぶち)とよばれる木の棒を取り付けます。
この通気層があることで、外の空気を取り込むことができ、その取り込まれた空気が通気層を通って換気棟などから排出されます。
通気層の高さの理想は25~35mmは確保したいです。
最低でも18mm以上で施工したいです。

遮熱ルーフィングだけではなく、通気層を施工することで、熱の吸収を抑えることができます。
ただし、この通気層を作る施工方法は手間とコストがかかります。
そして、十分な知識と経験がある屋根工事会社でなければ施工ができない工事です。
そのような背景から、残念ながら日本ではまだ一般的な施工方法ではありません。
外壁では外壁通気工法が当たり前のように取り入れられ、防水シートでは「タイベックシルバー」のような遮熱シートが普及しています。
しかし、屋根における遮熱ルーフィングの普及はまだまだ進んでいません。

屋根からの熱流入対策には空気層よりも通気層に注目!! ー熱シャット工法ー
遮熱ルーフィングの代表的な商品
遮熱ルーフィングは、大きく分けてアスファルト系と高分子系に分類されます。
それぞれの代表的な商品をいくつかご紹介します。
アスファルト系遮熱ルーフィング
板紙にアスファルトを染み込ませたルーフィングをアスファルト系ルーフィングといいます。
アスファルトにゴムや合成樹脂、プラスチックなどを混ぜて耐久性を高めた改質アスファルトルーフィングもあります。
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広く普及しているため施工実績が豊富
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防水性能が高い
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価格がリーズナブル
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高分子系に比べて重いので建物への重量負担が大きくなる
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透湿性が低いため換気対策(通気工法など)と組み合わせる必要がある
代表的な商品
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【種類】
改質アスファルトルーフィング -
【特徴】
改質アスファルト特有の優れた釘穴シール性(釘を打った後の穴を自己修復する性質)と高い防水性を兼ね備えています。
屋根材とルーフィングの間に通気層を設ける工法(通気工法)の際に使用します。
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【種類】
改質アスファルトルーフィング -
【特徴】
三島工業もアスファルト系ルーフィングの主要メーカーです。
アルミシートの表面に不織布を貼ることで、日光の照り返しを抑えられて施工がしやすい商品になっています。
高分子系遮熱ルーフィング
高分子系のルーフィングは、合成ゴムや合成樹脂(塩化ビニル、ポリエチレンなど)を主成分としています。
アスファルト系に比べて軽量で、破れにくい特徴があります。
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軽量なので建物への負担が少ない
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透湿性が高く、結露対策に効果的
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柔軟性がありひび割れや破れに強い
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アスファルト系に比べて価格が高め
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普及し始めたのが比較的最近であり、施工実績は多くはない
代表的な商品
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【種類】
高分子系ルーフィング -
【特徴】
アスファルト系ルーフィングの約1/3の重さで軽量なのが特徴です。
釘穴周辺からの水漏れもしにくいとされています。
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【種類】
高分子系ルーフィング -
【特徴】
遮熱性に加えて透湿性(湿気を通す性能)を備えた商品です。
透湿性があることで、屋根の湿気を排出することができるので屋根を長持ちさせることができます。
耐久性は50年相当とされています。
遮熱ルーフィングの価格
遮熱ルーフィングは他のルーフィングに比べて高い
遮熱ルーフィングは他のルーフィングと比較して価格は高めになります。
以下はテイガクが提供している最新のルーフィングの施工価格です。
ルーフィングの種類 | 単価 |
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遮熱ルーフエアテックス (高分子系遮熱ルーフィング) |
1,300円/㎡ |
ニューライナー (改質アスファルトルーフィング) |
1,000円/㎡ |
タディスセルフカバー (粘着層付きアスファルト ルーフィング) |
1,100円/㎡ |
Pカラー (アスファルトルーフィング) |
600円/㎡ |
現在日本で最も多く使用されている改質アスファルトルーフィングに比べて、遮熱ルーフィングは1㎡あたり300円高くなります。
屋根の長期維持には遮熱ルーフィング
遮熱ルーフィングの効果を最大限に発揮するには、通気工法の併用が不可欠です。
通気工法は屋根からの熱流入を抑えるだけではなく、結露がもたらす屋根の腐食にも効果的です。
この観点は、建物の長期維持、長期コストの観点では大きなメリットです。
日本ではまだ施工実績数が少ないですが、この遮熱ルーフィングと通気工法の組み合わせは、世界的には一般的な手法です。
遮熱ルーフィングの評価も高まっていくかもしれません。
遮熱ルーフィングの動画や施工例
遮熱ルーフィングを解説した動画
以下の動画はテイガクのYouTubeチャンネルで遮熱ルーフィングについて解説した動画です。
実際に現場で使用している遮熱ルーフィングをご覧いただけます。
チャンネル登録者数 1万人
テイガク公式 Youtube はこちらYoutube撮影者 テイガク 代表 前川祐介
遮熱ルーフィングを使用した施工例
以下は遮熱ルーフィングを使用した施工例です。
ご自宅の屋根リフォームを考える際にぜひ参考にしてみてください。
遮熱ルーフィングのアストロフォイルを用いた施工例
ケイミュー社の遮熱ノアガードⅡを使用した施工例
遮熱ルーフィングを用いた屋根リフォームはテイガクへ
テイガクでは、他社では施工実績が少ない遮熱ルーフィングを使ったリフォームを数多く手掛けています。
現地調査、お見積もりは無料で承っております。
お客様のご要望に合わせた複数のプランをご提案することが可能です。
屋根、外壁の工事をお考えの方はぜひテイガクにご相談ください。