軒天とは?種類ごとの耐久性とメンテナンス・修理時期

軒の裏側にある軒天。
ご自宅の軒天がどのような種類かご存知でしょうか?
軒天は、建物にとって実は重要な部分です。
この記事では、軒天の概要から修理時期まで詳しく解説します。

軒天とは? 軒天とは? 軒天とは?

軒天(のきてん)とは?

軒天

軒天とは、せり出た屋根の裏側(軒先の裏側)にある板のことです。
軒天は軒天ボード軒天井(のきてんじょう)ともよびます。
軒先は軒裏ともよぶことがあります。

最近の住宅では、軒天ボードとよばれる白い板材で軒天を仕上げることが多いです。
昔は左官材(塗り壁材)を塗って外壁と一体化させることが多かったです。
さらにさかのぼると、たとえば歴史建造物は、軒天ボードを張らずに、軒裏を露出したままにしています。
寺社仏閣の多くも軒裏には、軒天ボードをほとんど張っていません。

軒天がない屋根は、雨ざらしになり、火も燃え移りやすくなるため、建物とって良くありません。
つまり、軒天は、住まいを守るための重要な役割を果たしてくれる、建物にとって大切な建材です。

軒裏が露出している軒天

なぜ軒天が必要なのか?

火事から建物を守るため

軒天を張る一番の理由は、飛び火による火事を生じさせないことを目的に軒天を張り付けます。
あまり知られていないことですが、火事が生じた際、一番はじめに火が燃え移るのは、軒裏です。

耐火構造適合品

住宅密集地や繫華街などに張り付ける軒天には、一定の耐火性能が建築基準法上、求められていることがあります。
国土交通大臣が認定した耐火性能を有する軒天材を使用する必要があります。
耐火性能には、「軒裏30分準耐火構造適合品」や「軒裏45分準耐火構造適合品「軒裏1時間準耐火構造適合品」などがあり、建物の地域や建物に定められた防火性能に合格した軒天材を用いる必要があります。

建物や外壁を保護するため

軒天がある住宅とない住宅では、全く外壁の傷み方が異なります。
軒天の長さがあまりない住宅は、当然、外壁の色あせが早いです。
当然、雨漏りするリスクも高いです。

軒天の材質と種類

木製の板材

木製の軒天

ベニヤ(カラーべニア)プリント合板(化粧合板・ピーリング材)は、かつての軒天材の主流でした。
厚みは薄く、3~5mm程度です。
しかし、最近は耐火性能や耐久性の問題から、ケイカル板を用いる機会が増えています。
木は吸水すると傷んでしまいます。
また、木製の板は黒っぽいヤニが発生しやすく汚れやすいです。

ケイカル板

ケイカル板の軒天

ケイカル板は、不燃材で燃えにくく、耐水性にも優れた素材です。
厚みは12~18mm程度です。

木目調の軒天が人気

木目調の軒天

軒天と言えば、白が一般的です。
白は建物を大きくする視覚効果があります。
しかし、最近は外観デザインのセオリーに変化が訪れ、黒い軒天の建物もよく見かけるようになりました。
金属が錆びたような風合いの個性的な軒天もあります。
中でも人気なのが木目調です。
軒天材を製造するメーカーのラインナップにも、木目調の軒天は欠かかさず用意されています。

ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板の軒天

ガルバリウム鋼板も軒天によく用います。
ただし、戸建て住宅よりは、コンクリート造のビルの天井材として用いられることが多いです。
理由は値段が高いからです。

スパンドレルとは?

凹凸に折り曲げ加工をした金属素材の天井仕上げ材をスパンドレルとよびます。
金属素材はガルバリウム鋼板だけではなく、アルミやステンレスも含まれます。
元々は天井材として用いられていたスパンドレルですが、外壁に用いたことで思わぬ展開になりました。
金属サイディングの主流デザインとして、大ヒットしたのです。
はじめて開発した商品がアイジー工業の「ガルスパン」。
スパン系サイディングとよばれる金属サイディングが街中でよく見かけます。
実は軒天材を外壁に用いた発想から生み出された外壁材です。

モルタル仕上げ

モルタルで仕上げられた軒天

軒天材を目視で確認することができないですが、軒天材の上にモルタルジョリパットなどを被せた仕上げも広義の意味では軒天に当てはまります。
特にモルタル仕上げの軒天は、軒天の内側に湿気が充満したり、雨水が入ったりすることがあるため、有孔ボードの軒天材を張って仕上げるのが望ましいです。

換気口などで軒天に通気性を確保する理由

軒天換気とは?

軒天に穴をあけることで、屋根裏(小屋裏)の換気を行うことを軒天換気とよびます。
その他、棟に穴を空ける換気棟、外壁の妻面に穴を空ける妻換気などがあります。
屋根裏の通気性能を高め、結露による構造材の水濡れを抑制させます。

軒天の穴を「吸気口」、換気棟を「排気口」として空気の流れを確保し、屋根の内部の通気性能を高める構造が最近の住宅では多いです。

建物の大きさに準じて軒天の穴の面積(有効換気面積)を求める必要があります。
有効換気面積は、フラット35などの住宅ローンの施工基準にも必要最低面積が細かく定められています。

換気金物

換気金物を取り付けるため穴をあける
換気金物を取り付けるため穴をあける
軒天換気金物

軒天換気金物を取り付けることで軒天の有効換気面積を確保することができます。
軒天に穴を空ける穴の大きさが大きいほど、換気性能が高くなります。
取り付ける換気金物のデザインは多様です。

有孔ボード

有孔ボード

軒天自体に穴が空いている有孔ボードもあります。
換気金物を取り付ける手間が必要ありません。

軒ゼロ住宅とは

軒ゼロ住宅

軒ゼロ住宅とは、軒の出がない住宅のことです。
もちろん軒の出がないため、軒天はありません。
建築コスト抑制のため、軒ゼロ住宅が近年、増えています。
軒先をたっぷりだして軒天ボードを張ると、当然、屋根と軒天の面積が増えます。
昔の建物は、軒先の長さが600mm~900mmありました。
軒先がほとんど出ていなかったり、軒天が全くない住宅の雨漏りリスクが最近、問題視されはじめています。

代表的な軒天の不具合

軒天の水染み・雨漏り

雨染みが発生した軒天

軒天に雨染みが生じていると、軒天付近からの雨漏りの可能性があります。
雨漏りの場合は、軒天を剥がして確認をすることで、原因究明することができます。
ただし、結露が原因であることも多いです。
軒天の裏側は、建物の構造上、湿気がこもりやすいです。
結露が原因で水染みが生じた場合は、換気金物を取り付けることで軒天の結露による汚れの発生を抑えることができます。

バルコニーの排水口からの漏水も多い

バルコニー裏の汚れた軒天
バルコニー裏の汚れた軒天

外壁からせり出したバルコニーの裏側にも軒天は取り付けられています。
バルコニーの排水口や笠木から雨水が軒天内部へ入り込んでいることがしばしばあります。

アイコン バルコニーの裏側の軒天は結露で汚れやすい

バルコニーの床下と軒天の空間は結露がこもりやすいです。
最近はバルコニーの床下内部も屋根裏と同じく、通気を確保している建物が増えています。
しかし、昔の建物は、通気金物もない軒天で完全にバルコニーの内部を密封させてしまっていることが多いです。
通気がない軒天は、結露の影響で汚れやすいです。

軒天の汚れ

排気口が取り付けられた軒天

軒天に排気口が取り付けられいる場合、軒天周りが著しく汚れてしまうことがあります。

軒天の剥がれ

剥がれた軒天

台風などの強風で、軒天が剥がれてしまうことがあります。

軒天の寿命とリフォーム方法

軒天の寿命は?

軒天の寿命は30年前後です。
厚みの薄いべニア板の軒天は30~35年を目安に増し張りや張り替えを検討してほしいです。
定期的なメンテナンスを怠ると、軒天が剥がれやすくなったり、雨漏りの発生を見逃したりしてしまいます。

軒天塗装

軒天の塗装

軒天の劣化を抑えるために、軒天塗装は有効です。
木板やケイカル板の軒天の場合、透湿性がある塗料を用いることをおすすめします。
日本ペイントの「ケンエース」は、結露の影響を受けやすい軒天材に適した大ヒット塗料です。
テイガクでも使用する機会が多い塗料です。

軒天増し張り

軒天の増張り

古い軒天のうえに新しく軒天を重ねて張る修理も有効です。
20年30年と長く建物の状態を維持させたい場合は、軒天増し張りを検討してください。
カラーべニアやプリント合板を張ることが多いです。

アイコン 軒天を張る職人さんは誰?

新築時では大工さんが張ります。
屋根職人さんも軒天張りは得意です。ただし、塗装職人は軒天張りはできないでしょう。
また、下から板を張り上げる作業は、素人の人が思っている以上に大変な作業です。
DIYで軒天を張ることも基本的には困難です。

ピーリングボードによる増し張り

ピーリングボードによる軒天の増張り

上記写真は、築40年が経過した建物です。
木目のピーリングボードで軒天を増し張りしました。
合わせて換気金物を取り付けています。
おしゃれでかっこいい軒天に仕上がっています。

軒天張り替え

軒天の張り替え

軒天の痛みが激しい場合は、塗装や増し張りでは対処ができません。
そのため、軒天を張り替えします。
雨漏りが酷い場合、軒天の下地である野縁(のぶち)とあわせて張り替えをすることがあります。

アイコン 足場無しで軒天の修理はできる?

できないです。足場を組み立ててから、安全を確保した状態で、軒天の修理をおこないましょう。

軒天のことならテイガクにお任せ

テイガクは屋根と外壁の専門工事会社です。
軒天塗装だけではなく、軒天を交換する工事も日常的におこなっています。
軒天に関するお悩みは、テイガクにご相談ください。
お見積りまで無料で承っております。

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