「近くの工事現場から来たのですが、お宅の屋根がめくれているようでして・・・」。
面識がないリフォーム会社の人が、突然訪問してきたことはありませんか?
最近、悪質な訪問販売による屋根や外壁のリフォームを進める会社が増えてきています。
巧妙な嘘に騙されないよう、今回は、訪問販売の営業手口と傾向についてご紹介します。
築後1年目でも狙われる屋根のリフォーム営業
「営業停止命令」や「事業者名公表」等の行政処分がなされるリフォーム会社が相次いでいます。
GoogleやYahoo!などの検索サイトで「リフォーム会社行政処分」と検索すると、悪質な手法で営業停止などの処分を受けた業者名や違法行為の内容を確認することができます。
その多くが外壁と屋根の外装リフォーム訪問販売会社です。
特に屋根は日常的に点検することができない部位なので、訪問販売営業のターゲットになりやすいです。
近年の台風による被害や、火災保険による保険金を用いた無料修理などが一般消費者に広く認知されるようになり、屋根の修理に関連した訪問販売営業がこれまで以上に活発化している印象を筆者は受けています。
たしかに、台風で屋根がはがれる被害は、築後1年目でも起こりえます。
そのような背景があるため、「新築の建物」や「改修工事から数年しか経過していない建物」でも訪問販売会社の営業対象になっています。
もちろん、「本当に屋根に不具合が生じている」のであれば、訪問販売による営業も工事の検討材料になるでしょう。
しかし、「全く必要性や緊急性がない工事の勧誘」も少なくありません。
最近、テイガクをご利用いただいたお客様から「屋根に不具合があると指摘を受けたから、確認に来てほしい」。といった連絡が増えています。
訪問した結果、ほぼ全ての屋根で何も異常がありませんでした。
テイガクのお客様にかぎらず、最近、屋根のリフォームをしたばかりなのに、屋根の不具合の指摘を他業者から受けて不安を感じている方もいるのではないでしょうか。
近くの工事現場からお宅の屋根の不具合を見つけました!
「近くで工事(改修や新築工事)をおこなっており、足場(建物)からお宅の屋根がめくれているので、心配になってご訪問にあがりました」。
リフォームの訪問販売会社が最も好んで用いる「営業トーク」です。
「近隣工事ついでに点検商法」。とテイガク社内で勝手に名付けました。
「近くで工事をしている地元の業者だし、工事中わざわざ合間を縫って指摘してくれている訳だから、言ってくれてることは信用できそうな気がする」。
このように消費者に思い込ませる意図があります。
まず確認して欲しいことは、「本当に近くで工事をしている現場があるかどうか」です。
実際に工事をおこなっている場所を聞いてもはぐらかされたり、すでに工事は終わっていると言われた場合は、その訪問販売会社の指摘は嘘と判断できます。
嘘と分かったら、絶対に屋根にのぼらせないでください。
さらに悪質な会社は、嘘をつくだけにとどまらず、屋根にのぼって屋根を壊して既成事実を作りあげます。
過去にリフォーム工事をおこなった屋根工事会社や、建物を建てた工務店などにまずは相談してください。
訪問販売=悪徳会社という残念なレッテル
インターネット上では訪問販売形式のリフォーム会社に対して、かなり厳しい意見や評価があふれかえっています。
筆者個人としては「訪問販売=悪徳会社」という白黒はっきりさせるレッテルを貼るのは、否定的です。
なぜなら、全ての訪問販売会社が悪徳であるとはかぎらないからです。
訪問販売形式のリフォーム会社の活躍によって、助けられた命や守られた建物は多くあります。
たとえば、過去、大阪北部地震や台風21号、台風15号など屋根が壊滅的に破壊される大規模自然災害が発生しました。
いずれの自然災害も本格的な屋根と外壁の改修に着手するには、被災後1年以上待たされる状況となってしまいました。
自然災害が発生する前に、訪問販売会社の営業活動によって改修工事を実施していた方は、大きな災難を逃れられたはずです。
一部の不安をあおって不必要な工事を進める体質の会社や、一部のモラルのない人間の愚かな行為が訪問販売業界の風当たりを強くさせています。
筆者自身も屋根のリフォームをしている際、隣の家の屋根がはがれている発見をこれまで数えきれないほど経験してきました。
善意で隣家に教えに行く行為が悪い行為としてみなされてしまう社会的な風潮に、胸を痛めています。
テイガクで工事をおこなわれたお客様へ
「近くで工事をしている建設会社の人から屋根の不具合の指摘を受けた」。
そのように言われた場合、私たちは屋根の状態を実際に確認していないので、「100%問題はない」と評価することはできません。
しかし、ほぼ全ての屋根において、屋根機能維持に問題がないです。
もし、他業者様から屋根の不具合に関する指摘を受けた場合、絶対に屋根にのぼらせることはさせず、まずはテイガクにご連絡ください。