金属屋根のシェアが高まっています。
ガルバリウム鋼板の普及の影響で、金属屋根で新築もしくはリフォームする人が増えています。
金属屋根の種類はたくさんあります。
トタンやガルバリウム鋼板、エスジーエル鋼板、銅、そして今回ご紹介するステンレスも屋根の素材として用いられています。
この記事では、ステンレス屋根の耐用年数と塗装の必要について解説していきます。
最強の金属屋根?ステンレスの屋根(ナルカラー)
ステンレスの屋根
ステンレス屋根の耐久性
ステンレスは鉄を主成分とした合金のことです。
鉄の他クロームとニッケルが含まれています。
食器やシンクなどの身近なものから、屋根のような建材にまで幅広く採用されています。
ステンレスを英語で示すと「Stainless」であり、日本語に直訳すると「錆びない」です。
まさにステンレスは、まさに錆びにくい代表的な金属です。
ステンレスの耐用年数は、およそ50年です。
金属の中でも耐久性は抜群に高く、トップクラスの素材であると評価できます。
各鋼板の耐久性
鋼板種類 | 耐用年数 |
---|---|
トタン | 15~20年 |
ガルバリウム鋼板 | 20~35年 |
エスジーエル鋼板 | 25~40年 |
ステンレス | 40~50年 |
ステンレスの屋根が採用されている施設
ステンレスの屋根は耐久性が高いため、公共施設で採用されていることが多いです。
戸建て住宅よりは圧倒的に大型建築物で用いられています。
ステンレス屋根の価格
ステンレスの屋根は他の素材の屋根と比べて高額です。
おおよそ2倍程度の価格です。
オプション工事として屋根の裏側に断熱材を貼り付けたり、遮熱塗料が塗布されたステンレスを選択することもできます。
各鋼板の工事価格
鋼板種類 | ㎡単価 |
---|---|
トタン | 6,000円/㎡ |
ガルバリウム鋼板 | 6,500円/㎡ |
エスジーエル鋼板 | 6,700円/㎡ |
ステンレス | 13,000円/㎡ |
ステンレスの屋根のメリットとデメリット
ステンレス屋根のメリット
熱伝導率が低い
ステンレスは金属の中で最も熱伝導率が低い素材です。
ステンレスの熱伝導率はガルバリウム鋼板の半分以下の数値です。
熱伝導率が低いとされるガルバリウム鋼板の金属サイディングよりも、熱が伝わりにくく、夏場の室内がより過ごしやすくなります。
ステンレスの風呂窯は冷めにくく、ステンレスの水筒は温まりにくいです。
その原理が屋根と外壁で実現です。
また、耐火性にも優れています。
耐久性が高い
ステンレス屋根の最も大きなメリットは耐久性です。
ステンレスのビスや雪留め金具などの電蝕の恐れもなく、オールステンレスで屋根と外壁を仕上げることができます。
他の鋼板よりも硬い特性があるため、凹みにくいです。
屋根のメンテナンスについての将来的な不安は全てなくなります。
一生に一度の屋根工事を実現されたい方におすすめの素材です。
ステンレス屋根のデメリット
工事価格が高い
費用対効果の点では、ガルバリウム鋼板に劣ります。
初期投資を考慮しても費用の優位性が図れないです。
施工性が悪い(切粉の錆び)
ステンレスを切断加工する時、小さなステンレスの破片物である切粉が大量に発生します。
切粉が自動車の鉄板部分に触れてしまうと、電飾により錆びを引き起こします。
ステンレスはガルバリウム鋼板よりも神経を使う素材です。
また、ガルバリウム鋼板よりも硬いため、切断や折り曲げも労力がかかります。
切断ヶ所はとても鋭利なので、注意を怠ってしまうと身体に傷をつけてしまうおそれがあります。
ステンレス屋根の塗装
ステンレス屋根の塗膜は、他の鋼板と同じで経年と共に色あせます。
そのため、色あせが気になる場合は再塗装をおこないます。
ただし、屋根機能の維持だけを期待される場合は、メンテナンスフリーと捉えられて差し障りありません。
なお、塗装を行う場合には、塗装の知識と経験が必要です。
同時にステンレス屋根に関する専門的な知識と経験も必要になります。
塗料の選択や塗装方法の検討だけではなく、板金の加工やビスの打ち直し、下地の交換などを要する場合があります。
ステンレス屋根の塗装について考えている方は、是非、金属屋根にも精通している専門工事業者に相談されることをおすすめします。