垂木(たるき)とは?垂木が傷んでいたら大変なことに!

  • 垂木(たるき)について解説します

  • 修理業者さんに「垂木が傷んでいる」と言われたら要注意!

  • 垂木と合わせて覚えてほしい2つの屋根下地も解説!

屋根の垂木(たるき)について

このページでは屋根を構成する屋根下地のひとつ、垂木(たるき)について詳しく解説します。
垂木とは母屋(もや)の上に取り付ける「木の棒」のことです。
垂木の上には野地板(のじいた)とよばれる合板を張ります。
垂木は隠れて見えない建材ですが、野地板を下から支える大切な屋根下地材です。
垂木は「屋根の重さ」や「屋根の流れ長さ」によって使用するサイズが変わります。

垂木(たるき)とは

垂木(たるき)とは屋根を構成する「木の棒」のことです。
屋根の傾斜に沿って“垂れ下がるよう斜めに“取り付ける部材であるため「垂木」とよびます。
屋根には欠かせない屋根下地部材のひとつです。
屋根下地部材は主に3つあります。
垂木の他には「下葺き材(防水シート)」と「野地板(のじいた)」があげられます。
野地板は垂木の上に張ります。
したがって、垂木は野地板を張るための下地材とも言い換えられます。

垂木(たるき)の位置

2-1.屋根の構成順序

屋根瓦を一番外側とした場合、屋根は外側から以下の順番で構成されています。
1:屋根瓦
2:屋根瓦の下に下葺き材(したふきざい)
3:下葺き材の下に野地板(のじいた)
4:野地板の下に垂木
5:垂木の下に母屋(もや)・棟木(むなぎ)・軒桁(のきげた)

2-2.垂木の取り付け位置

垂木は母屋上に屋根の流れに沿って斜めに取り付けられます。
なお、母屋は取り付け位置によって名称が変わります。
母屋のうち一番頂点にくる母屋は「棟木(むなぎ)」とよび、底辺(外壁側)の母屋は「軒桁」とよびます。
したがって、垂木は「母屋」と「棟木」そして「軒桁」の上に取り付ける部材となります。
垂木と母屋は「ひねり金物」とよばれる特殊な金物を使って接合させます。
「ひねり金物」をしっかり取り付けないと、屋根が風でめくれて吹き飛ばされてしまいます。

垂木の位置

垂木の鼻

垂木の先端断面部分(小口部分)を「垂木鼻(たるきはな)」もしくは「鼻」とよびます。
「鼻」を露出したままでは不恰好であり、雨風の影響を受けてしまいます。
そのため、現代では「鼻」を保護するためにために「鼻隠し」とよばれる板を取り付けます。
鼻隠しについて詳しくはこちら
しかし、古い住宅や寺社仏閣では鼻部分を露出して外部に晒していることが多いです。
垂木保護の観点では決して良いことではありません。

垂木の鼻

垂木の取り付け間隔

垂木は455mm間隔で取り付けるのがルールです。
このルールに従って垂木が取り付けられていれば、防水シートや野地板を剥がさずとも垂木の位置がわかります。

垂木の取り付け間隔

垂木の断面サイズ

垂木の断面サイズは使用する屋根材や屋根の流れ長さによって異なります。
重い屋根ほど、より大きな垂木のサイズが求められます。

屋根素材・形状垂木の断面
ポリカ波板などの簡易的な屋根30×40mm
軽い金属屋根や屋根の流れ長さが短い36×45mm/45×45mm
コロニアル45×60mm
重い陶器瓦で垂木が露出している場合45×75/60×75mm

縦と横の長さが異なる場合、縦長にして取り付けます。
垂木の長さは3m~4mの商品が最も多く流通しています。

垂木の断面サイズ

垂木とは屋根下地の一部

垂木は3つの屋根下地のひとつ

屋根下地といえば、「下葺き材」と「野地板」そして「垂木」の3つを示します。

下葺き材について

下葺き材とは野地板と垂木の上に貼る「防水シート」のことです。
下葺き材は雨漏りを最終的に防いでくれる重要な役割を担います。
つまり、防水シートは野地板と垂木の水濡れによる腐食を防ぐ役割をもつとも言い換えられます。
ルーフィングシートについて詳しくはこちら

ルーフィング張り

野地板について

「面の形」で屋根全体の重さを支える役割を担う板のことです。
屋根全面に敷き詰めるように、垂木の上に張ります。
昔の野地板は幅の狭い板を張っていましたが、最近はたたみサイズの構造用合板を用いるのが主流です。
野地板の上には防水シートを張ります。
野地板について詳しくはこちら

野地板(のじいた)張り

古い垂木について

経年劣化や雨漏りなどの影響で垂木は腐ってしまうことがあります。
野地板をしっかり支えてあげるために、古い垂木に新しい垂木を抱き合わせて補強などをおこなうことが屋根のリフォーム工事ではあります。

古い垂木

損傷した垂木について

屋根修理業者さんから「下地が痛んでいる」と言われたとき、ひょっとしたら垂木が痛んでいることかもしれません。
垂木が傷む原因は「雨漏りによる腐食」もしくは「雪の重さによる折れ曲り」によることが多いです。
垂木は屋根下地の一番下部に位置します。
そのため、垂木にまで痛みが及んでいる場合は、かなり深刻な状況と考えられます。
垂木を修理する際は、屋根と下葺き材、野地板全てを剥がす大掛かりな工事が必要になります。

損傷した垂木

垂木の材質・価格・購入先

垂木の材質

垂木の材質は「スギ」「米マツ」「米ツガ」「エゾマツ」などの木材が多いです。
しかし、木材のウィークポイントをクリアした「樹脂製品」も近年販売されています。
樹脂は水に強く腐らない特徴があります。

垂木の価格と購入先

垂木はホームセンターでも販売されています。
価格は1本あたり1,000円前後です。

ポリカ波板などの垂木直張り屋根

ポリカ波板などの簡易的な屋根を作るときは、野地板を張らずに垂木に直接屋根材を張ります。
下記動画が参考にしてください。

 JP 検索       アバターの画像 波板の張り方【コメリHowtoなび】

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垂木の修復や補修は屋根工事のプロに相談

垂木は母屋など建物の構造体に取り付ける部材であるため、垂木の修復や補強、交換はベテランで経験豊富な会社や職人さんにお任せするのが大切なポイントになります。
依頼予定の業者さんの施工実績などはしっかりとご確認ください。
関東地区と関西地区の工事のご相談はテイガク屋根修理で対応可能です。
垂木や屋根下地材の修復工事のお見積りは無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

屋根修理業者
この記事を書いた人
著者 前川 祐介
前川 祐介 代表取締役社長
テイガク サイト制作責任者
宅地建物取引士
建築物石綿含有建材調査者
著者経歴

大阪府堺市生まれ。千葉県立船橋東高校→法政大学→サノフィ(旧アベンティスファーマ)株式会社を経て、父親が経営する板金工事会社である昭和ルーフリモ株式会社へ入社。
中央工学校夜間建築学科卒業。年間100棟以上の屋根と外壁工事に携わった経験を活かし、テイガク記事の執筆とユーチューブ動画撮影をおこなっています。趣味は日本史学。

運営会社

昭和ルーフリモ株式会社は2001年設立の板金工事会社です。
これまでの金属屋根と金属サイディング工事件数の合計は20,000棟を超えます。
板金工事は足場を組み立てるため、外壁塗装の工事事業にも注力しています。

国土交通大臣許可(般-25)第22950号
許可を受けた建設業:板金工事業/屋根工事業/塗装工事業 他

代表前川が本音で解説「板金工事会社とは?」

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