屋根の中に鳥が浸入し、繁殖することがあります。
「鳥害」は私たちの生活に悪影響を及ぼすため、適切な対処が必要です。
この記事では戸建住宅の「鳥害対策」と、鳥の侵入を塞ぐ「面戸(めんど)」について解説します。
鳥の鳴き声で困った時の相談先は?
鳥の鳴き声」や「鳥のフン」などでお困りの方がいらっしゃいます。
・市販の対策用品を用いる
・自治体に相談・依頼する
・民間の駆除業者に依頼する
・屋根をリフォーム(隙間埋め・葺き替え)する
いくつか対策方法が考えられますが、市販の鳥よけスプレー・鳥よけネットは一時しのぎに過ぎません。
また、駆除をしたとしても鳥にとって元々居心地のよい環境であるから、近い将来(春先に)再び鳥が戻ってきます。
実は「屋根をリフォーム」する以外の対策は根本的な解決に至りません。
※鳥の駆除や巣の除去は自治体によって対応が異なるため、各自治体の環境保全課に事前確認をしてください。
鳥が好む環境は?
鳥にとって居心地のいい環境とは以下のようなケースがあげられます。
・周りが農園で樹木が少ない家屋
・日本瓦(J型)で葺かれた屋根
・建築物の劣化により、隙間がたくさんある家屋
・人の気配がない家屋
引っ越しすることはできないため、鳥害を根本的に解決するには、「鳥が浸入する隙間を埋めること」もしくは「平坦な屋根材に葺き替えること」のどちらかを行います。
特に日本瓦(J型)で葺かれた屋根には十分な対策を講じる必要があります。
陶器製の瓦は主に「J型」「S型」「F型」に分別されます。
陶器製の瓦の中で「J型」は日本瓦であり、いわゆる日本の伝統的な和瓦の形をした屋根です。
屋根の断面が「J」の形をしているため、J型と呼ばれています。
隙間の多い日本瓦(J型) は屋根の隙間箇所に鳥が好んで浸入します。
そのため、日本瓦では「面戸(めんど)」と呼ばれる部材を軒先の隙間箇所に取り付けます。
また、棟部分の隙間箇所は「漆喰」で塞ぎます。
屋根の隙間を埋める「面戸」とは
屋根の隙間を埋める「面戸(めんど)」と呼ばれる部材があります。
害鳥や害虫の侵入だけではなく、雨水の侵入も防ぐ役割があります。
面戸は 隙間の多い「日本瓦」や「折半屋根」で用いられていることが多いです。
屋根の施工時に取り付けることもあれば、元々面戸がなく後付けで取り付けることもあります。
日本瓦の場合、屋根の軒先にできる隙間を木材板で塞ぐことが多いです。
そのため、この隙間を埋める木材は「面戸板」と呼ばれています。
一方、棟の部分にできる隙間は「漆喰」を用いて塞ぎます。
折板屋根は金属製の面戸製品がメーカーより販売されています。
コロニアルやガルバリウム鋼板屋根では、軒先に隙間が生じない屋根材ですが、棟板金に僅かな隙間が生じます。
屋根面と棟板金の隙間を塞ぐための面戸がメーカーから販売されています。(ただし、棟板金に鳥が浸入する可能性は極めて低いです)
棟板金に用いる面戸は化学製品で、通気性のあるスポンジのような製品を使用します。
「ケミカル面戸」「ソフト面戸」などと呼ばれています。
最近では、屋根メーカー大手のケイミューからテープ型の面戸「製品名:乾式自在面戸W」も販売されています。
熱や湿気、紫外線、酸性雨などにも耐える優れた耐候性をもったアルミニウム製の面戸です。
日本瓦の場合、時間の経過と共に「木材板の面戸」は腐食し、「漆喰」は劣化するため、その他の屋根材より隙間が生じやすく、鳥が侵入しやすい屋根であるといえます。
そのため、定期的なメンテナンス点検を実施し、面戸の設置や漆喰の埋め直しなどを行う必要があります。
シーリングで隙間を埋めるのは避けた方が良いです
鳥の侵入を防ぐために、シーリング材で住宅の隙間を埋めることも一つの方法です。
シーリング材について詳しくはこちら シーリング材の選び方【屋根・外壁の雨漏り補修】
ただし、逆効果になることがあるため注意が必要です。
住宅の隙間は排水する役割を担っています。
シーリング材で隙間を塞いでしまうと、万が一雨水が建物内部に浸水した場合、雨水が隙間から排水できず室内に雨漏りを生じさせることになります。
その他に、屋根や外壁の隙間は通気(断熱)のために設けていることもあります。
シーリング材の使用は手軽なので、住宅のありとあらゆる隙間を埋めたくなりますが、適切な場所に正しい方法で用いることが大切です。
テイガクのシーリング剤について
テイガクでは2024年10月より、工事に使用するシーリング材に、耐候性・速乾性に優れた「SRシール H100」を採用いたします。(SRシール H100の詳細はこちら)
ご希望のシーリング材がございましたら変更は可能ですので、担当の施工管理士にご相談ください。