屋根の軒先に取り付けてある鼻隠し(はなかくし)。
鼻隠しと破風板は似ているので間違えられやすいですが、どちらも屋根にとって重要な部材です。
鼻隠しは年月とともに劣化が進行する部材であるため、定期的になメンテナンスが必要です。
この記事では鼻隠しの概要から、修理と費用について解説します。
目 次
閉じる鼻隠し(はなかくし)とは?
鼻隠し(はなかくし)とは、屋根の軒先に地面と水平に取り付けられている板のことです。
かいつまんでいうと、「雨どいを取り付けている板」「雨どいの裏側にある板」のことです。
今から20年以上前に建てられた戸建て住宅の鼻隠しは、木材が多いです。
木材の上からモルタルを塗って仕上げる施工も良く行われていました。
最近では耐久性が高く不燃材である窯業(ようぎょう)製品やガルバリウム製品が主流です。
テイガクの現場で撮影した鼻隠しの動画
鼻隠しとは?破風板との違いと改修工事例
鼻隠しの役割
鼻隠しの主な役割は主にふたつあります。
「垂木(たるき)などの屋根の構造材を隠す役割」と「雨どいを取り付ける下地としての役割」です。
垂木(たるき)の鼻を隠す
屋根の下地として使われる垂木(たるき)の正面の部分を「鼻」と呼びます。
鼻隠しは、文字通りこの鼻を隠すための板として機能しています。
雨どいを取り付ける下地
鼻隠しは、雨どいを取り付ける下地としての役割もあります。
雨どいの裏側には鼻隠しがあります。
鼻隠しと破風板(はふいた)の違い
鼻隠しと似ている建設部材に破風板(はふいた)があります。
鼻隠しは屋根の軒先に、地面に対して水平に取り付けられます。
破風板も同じく軒先に取り付けられる板のことですが、破風板は屋根の傾斜部分(妻側)に取り付けられます。
鼻隠しには、雨どいが取り付けられますが、破風板は取り付けられません。
雨樋がない破風板は雨と風に常にさらされているため、鼻隠しに比べて圧倒的に傷むのが早いです。
実際、テイガクのお客さまも破風板の修理相談は多いです。
鼻隠しは、雨どいがあるため雨風の影響を受けにくいですが、それでも年数が進めば劣化していくので注意が必要です。
鼻隠しの素材とメンテナンスのサイン
鼻隠しの素材によって劣化のしやすさも異なります。
特に木材の鼻隠しは経年劣化の進行が早いです。
鼻隠しの素材
木製 | 傷みやすい |
ケイカル板 | 傷みにくい |
ガルバリウム鋼板 | 長期に渡って安心 |
雨どいが歪んだり、雨どい金具が外れたりする不具合は鼻隠しの劣化(保持力低下)が原因です。
建築後30年以上が過ぎた住宅には定期的なメンテナンスが求められます。
鼻隠しの3つの修理方法
鼻隠しのメンテナンスや修理方法は3つあります。
尚、鼻隠しの修理方法は破風板の修理方法と同じです。
①鼻隠しの塗装
最もポピュラーな鼻隠しのリフォーム方法は再塗装です。
20年以上昔の戸建て住宅では鼻隠しに木材が使用されていることが多く、リフォームの見積り内では「木部塗装」と表現する工事業者も存在します。
鼻隠しの素材、木材と金属、窯業それぞれ異なる塗料を使用します。
雨どいを取り付け直しする際には、雨どいの釘穴をパテで埋めた上で再塗装します。
②板金巻き
鼻隠しの劣化が進行している場合や、軒先の外観をスッキリさせたい場合では、板金を巻いて鼻隠しを修理します。
板金はガルバリウム鋼板を用います。
板金職人さんがガルバリウム鋼板を現場に持ち込み、お施主様宅の鼻隠しに合わせて鋼板を加工します。
大規模な現場の場合は、倉庫内にある板金折り機を用いて加工品を現場に持ち込みます。(テイガクの場合)
③鼻隠しの交換
鼻隠し自体を交換することも可能です。
例えば、木質系鼻隠しを窯業系鼻隠しに交換することも可能です。
ただし、鼻隠しの交換は大がかりな工事になるためあまりお勧めできません。
鼻隠しのリフォーム費用
テイガクがお客様にご提供している鼻隠しの修理費用は下記の通りです。
窯業系鼻隠しの取替えは、使用する鼻隠しの素材やサイズにより工事価格が異なります。
工事項目 | 単価 |
---|---|
鼻隠し塗装(2回塗り) | 1,000円/m |
鼻隠し板金 | 4,000円/m |
窯業系鼻隠しへの取り換え | 平均6,000円/m |
鼻隠しを長持ちさせたいなら板金巻きがおすすめ
現在の鼻隠しが木材で、この先長期的に鼻隠しのメンテナンスを不要にしたいとお考えであれば、板金巻きがおすすめです。
鼻隠しを再塗装は、塗膜の劣化に合わせて再度塗装が必要になるため、金額は安いですが状態の維持期間を考慮するとトータルコストは板金巻きの方が安くなる場合があります。
鼻隠しの改修工事
改修工事 | メンテナンス不要期間 | コスト |
---|---|---|
塗装工事 | 短期的 | トータルコスト増 |
板金工事 | 長期的 | トータルコスト少 |
ケレン(汚れをヤスリで削り落とす)をして塗装作業がよくおこなわれますが、木部の摩耗が激しい場合、凸凹が残った状態で塗装せざるを得ない場合があります。
完全にフラットな状態にするためには、ディスクサンダーなので木を削る必要があり、工事金額も高くついてしまいます。
鼻隠しや破風板の修理には足場が必要
鼻隠しや破風板の修理は足場が必要です。
鼻隠しの塗装や板金巻きの工事費用より足場組立費用の方が一般的に高額です。
そのため、葺き替えやカバー工法などの屋根本体工事と合わせて鼻隠しの修理をおこないましょう。
特に建築後、30年以上が経過した木材の鼻隠しは改修工事が必要なケースが多いです。
テイガクは板金工事会社です。
鼻隠しや破風板の板金巻きは私たちの専門分野です。
屋根や外壁工事と合わせて改修を検討されている方は、ぜひテイガクにご相談ください。
お見積り、現地調査まで無料で承ります。