胴縁(どうぶち)とは?-外壁カバー工法で使いたい外壁下地材

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外壁の下地に使われる胴縁、外壁材の下にあるため実際に目にする機会はあまりないと思います。
胴縁にはいくつか種類があり、使用する胴縁によっては外壁の性能が変わってきます。
この記事では、胴縁の概要や役割について解説します。

胴縁(どうぶち)とは?

胴縁

胴縁(どうぶち)は窯業サイディングや金属サイディングの下地材として使われる棒状の建材です。
一般的に、胴縁のサイズは、幅が約45㎜、厚みが約20㎜です。
外壁工事においては、よく登場する重要な建材です。

テイガクで撮影した胴縁の動画

胴縁(どうぶち)とは?-外壁カバー工法で使いたい外壁下地材
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胴縁(どうぶち)とは?-外壁カバー工法で使いたい外壁下地材

胴縁の役割とは?

胴縁の役割は大きく2つあります。
1つ目は、上に外壁材を張るための「下地材」としての役割、そしてもう1つが外壁に「通気層」を確保するための役割です。

外壁の下地材として

外壁の下地材として胴縁をもちいることで、外壁材を壁に固定する強度が増し、強い風圧に耐えられるようになります。
また、外壁材を張る方向によって、胴縁の取り付ける方向が変わります。
胴縁の取り付け方で、縦方向に取り付ける胴縁を縦胴縁(たてどうぶち)とよび、横方向に取り付ける胴縁を横胴縁(よこどうぶち)とよびます。

縦胴縁
横胴縁

通気層を確保する外壁通気工法

胴縁を壁に取り付けることで、外壁内部に空気の通り道である「通気層」を設けることができます。
この通気層を確保して施工する方法を「外壁通気工法」と呼びます。
通気層があることで、外壁内部の湿気や水分が内部に留まらずに、外へ排出することができ、外壁本体の腐食や雨漏りを防いでくれます。
また、通気層があることで、断熱効果もあります。

通気層を設けることで、湿気が排出される
通気層を設けることで、湿気が排出される

2000年4月から標準化

昔はこの胴縁を用いた外壁通気工法は採用されておらず、直接外壁材を張る「直張りサイディング」の建物が多く存在しました。
直張りサイディングは通気層がないため、壁内部の湿気や雨水が外に排出されず、劣化やひび割れが生じやすかったり、雨漏りしやすかったりします。
2000年に品確法とよばれる法律が施行され、10年間、建設業者に雨漏りに対する責任が課せられるようになりました。
直張りサイディングは雨漏りが生じやすいことから、2000年4月以降の建物は、従来の直張りから胴縁を用いた通気工法を導入したサイディング外壁へと切り替わりました。
裏を返すと、2000年3月以前の建物は、胴縁がないサイディング外壁の建物がほとんどです。

胴縁の種類

胴縁に使用される素材はいくつか種類があります。
戸建て住宅の胴縁では、主に「木材」と「樹脂」の素材が使われていいます。
金属の胴縁もありますが、戸建て住宅に使われることはほとんどありません。

木胴縁

おすすめの胴縁は「樹脂製」

胴縁の素材は、樹脂がおすすめです。
木の胴縁は、シロアリ水濡れの腐食の影響があるためあまりおすすめできません。
特に、3階建ての建物は、風の影響を大きく受けやすいため固定力が高い樹脂胴縁を採用したいです。

樹脂胴縁

アルミ芯入りの樹脂胴縁

樹脂胴縁の中でも、樹脂の中にアルミの芯が入っている胴縁が一番おすすめです。
アルミ芯が入っていることで、入っていない形状のものと比べて固定の強度が増し、熱による形状の変形を防ぐことができます。

アルミの芯が入っている樹脂胴縁

外壁カバー工法での胴縁の取り付け

この現場は、窯業サイディングだった外壁を、カバー工法で金属サイディングを張る予定です。
元の外壁材の上に、防水シートが張られている状態で、胴縁を取り付けています。

外壁の柱に取り付け

胴縁の取り付けは、外壁の柱部分に合うようにおこなう必要があります。
防水シートに、あらかじめ柱の位置をマークしておいて、胴縁を取り付けていきます。
そうすることで、柱と胴縁をしっかり固定することができます。

柱の位置を確認するテイガクの職人
柱の位置をマークするテイガクの職人
柱と胴縁をしっかり固定
柱と胴縁をしっかり固定

胴縁と胴縁の隙間

胴縁の取り付けで隙間を開けることもとても重要です。
隙間があることで、空気が抜け通気がしっかり取れます。

胴縁の取り付けで隙間を開ける

胴縁の厚みも重要

胴縁の厚みも、15㎜や18㎜、20㎜など厚みが様々です。
厚みがあればあるほど、固定する力も強くなり、そして断熱性能も高まります。
厚みのある胴縁を取り付けることで、外壁の性能を良くすることができます。

アルミ芯入りの樹脂胴縁の厚みは18㎜
アルミ芯入りの樹脂胴縁の厚みは18㎜

今回現場で使用した、アルミ芯入りの樹脂胴縁の厚みは18㎜なので、固定力も通気層としての性能も十分だと言えます。

新築やリフォームでは外壁の下地にもこだわりを

昔、胴縁はというと、木の素材の15㎜厚のものを中心に使用していました。
しかし、最近は、樹脂の素材があったり、18㎜以上が主流になったりしています。
こだわりのある注文住宅会社の中には、24㎜や30㎜の厚みで外壁を仕上げるといった会社さんも存在します。
これから、新築や外壁リフォームを検討されている方は、外壁の固定力、そして通気層をしっかり確保するために、ぜひ胴縁にもこだわってみてください。
テイガクは、金属サイディングでの外壁カバー工法は専門分野です。
もし、外壁のリフォームを検討されている人がいらっしゃれば、お気軽にご相談ください。
見積もり現地調査まで無料で承ります。

この記事を書いた人
著者 前川 祐介
前川 祐介 代表取締役社長
テイガク サイト制作責任者
宅地建物取引士
建築物石綿含有建材調査者
著者経歴

大阪府堺市生まれ。千葉県立船橋東高校→法政大学→サノフィ(旧アベンティスファーマ)株式会社を経て、父親が経営する板金工事会社である昭和ルーフリモ株式会社へ入社。
中央工学校夜間建築学科卒業。年間100棟以上の屋根と外壁工事に携わった経験を活かし、テイガク記事の執筆とユーチューブ動画撮影をおこなっています。趣味は日本史学。

運営会社

昭和ルーフリモ株式会社は2001年設立の板金工事会社です。
これまでの金属屋根と金属サイディング工事件数の合計は20,000棟を超えます。
板金工事は足場を組み立てるため、外壁塗装の工事事業にも注力しています。

国土交通大臣許可(般-25)第22950号
許可を受けた建設業:板金工事業/屋根工事業/塗装工事業 他

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