目 次
表示屋根葺き替えの費用相場は120万~220万円
古い屋根材を剥がして新しい屋根材に張り替える「葺き替え」の費用相場は、120万〜220万円です。
葺き替え工事は、屋根を一新できるため、新築時と同等、あるいはそれ以上の性能まで回復・向上させることが可能です。
屋根の改修では長期的な安心につながる工事なので、予算上可能であれば採用したいです。
近年は、耐震性の観点から軽量な金属屋根で葺き替えるケースが増えています。
屋根葺き替え費用は何で決まる?
屋根の葺き替え費用は、「屋根の面積」「屋根の形」「工事前の屋根材」「新しい屋根材」の4つがポイントとなり決定します。
【ポイント①】屋根の面積
工事費用は多くの場合、1㎡あたりの工事単価が設定されており、その単価に面積を掛けて工事費の総額を計算します。
【ポイント②】屋根の形
シンプルな切妻屋根(いわゆる三角屋根)と、屋根面が多い複雑な形状の屋根では、葺き替え費用は大きく異なります。
複雑な屋根は、必要な部材が多く施工箇所も増えるため、施工時間も長くなり、工事費用は高くなる傾向があります。
「思っていたより葺き替え費用が高い」と感じる場合は、まさにこの屋根形状の違いが主な理由です。
【ポイント③】工事前の屋根材
工事前の屋根材の種類によって費用は大きく変わります。
たとえば、瓦の下に土がある土葺き屋根や、アスベストが含まれたスレート屋根は、葺き替え費用が高くなります。
一方、トタン屋根は、屋根処分時に費用がかからないため(現金になるため)、他の葺き替え工事よりも安くなります。
屋根専門工事会社に直接依頼した場合
屋根葺き替え工事の平米単価(足場代含む)
| 既存の屋根材アスベスト有無 | 1㎡当たりの単価(税込) |
|---|---|
| アスベスト無(瓦含む) | 1.6~2.1万円/㎡ |
| アスベスト有 | 1.8~2.3万円/㎡ |
【ポイント④】新しく張る屋根材
新しく張る屋根材の種類によっても費用は変動します。
アスファルトシングルやスレート屋根は材料単価が比較的安く、全体の費用を抑えやすいです。
近年は、耐久性の高さや軽量性、メーカー保証がある点などから、金属屋根が選ばれるケースが多くなっています。
ただし、金属屋根といっても種類が豊富で、メーカーや商品グレードによって材料費や施工条件が異なるため、最終的な葺き替え費用に幅が出ます。
【参考】瓦屋根の葺き替え費用の計算式
国土交通省では、実際に地震や台風などの災害で被害を受けた瓦屋根の改修費用データをもとに、改修費用の算定式(目安の計算方法)を案内しています。
瓦屋根の葺き替え見積金額が、妥当かどうかを判断するうえで、参考資料として活用できます。
【例】屋根面積132㎡ 棟長さ12mの場合の屋根葺き替えの計算式
屋根面積132㎡×屋根面積工事単価1,7500(円/㎡)+12m×6,500(円/㎡)=2,388,000円
【現在の屋根材別】葺き替えの費用相場
前述した通り、葺き替え費用は、「現在の屋根材」、「新しい屋根材」によって、費用相場が大きく変わります。
テイガクで葺き替え工事をおこなったお客様の工事費用を元に、現在の屋根材別の葺き替え費用相場を表にまとめました。
屋根材別の屋根葺き替えの費用と相場一覧
| 現在の屋根材 | 新しい屋根材 | 葺き替え費用 |
|---|---|---|
瓦(土なし) |
瓦または樹脂繊維セメント瓦屋根 |
155万~195万円 |
瓦(土葺き) |
瓦または樹脂繊維セメント瓦屋根 |
195万~235万円 |
瓦(土なし) |
金属屋根 |
125万~165万円 |
瓦(土葺き) |
金属屋根 |
165万~205万円 |
スレート屋根(アスベスト有り) |
スレート屋根 |
130万~170万円 |
スレート屋根(アスベストなし) |
スレート屋根 |
120万~160万円 |
スレート屋根(アスベスト有り) |
金属屋根 |
145万~185万円 |
スレート屋根(アスベストなし) |
金属屋根 |
135万~175万円 |
金属屋根 |
金属屋根 |
120万~170万円 |
※工事費用は2026年現在での目安です。依頼業者先(直接依頼かを含)によって大きく価格は変動します
葺き替え工事の手順と工程別の費用
屋根葺き替え工事の工程別に費用をご紹介します。
今回は、屋根のモデルは建坪25坪(約80㎡)2階建ての屋根を想定しています。
見積の相場は、既存の屋根材のアスベスト無しで120万~190万円、アスベスト有りで150万~220万円です。
現地調査・見積り書提出
相場:無料
施工管理者が屋根の状態を調査し、お客様へ葺き替えの工事内容をご提案します。費用は無料がほとんど。
足場組立
費用相場:約15万~25万円
工事に必要な足場を組み立てます。
既存の屋根材処分
相場:約20万~40万円(アスベスト無し)、約50万~90万円(アスベスト有り)
既存の屋根材をはがし処分をします。
ルーフィング貼り
相場:約10万~15万円
屋根の防水シートであるルーフィングを貼ります。
板金役物を取り付け
相場:約15万~35万円
軒先やケラバに役物と呼ばれる板金部材を取り付けます。
屋根本体張り
相場:約40万~70万円
新しい屋根材を張ります。
棟板金下地、棟板金を取り付け
相場:約1万~2万円(棟板金下地が樹脂の場合)
3万~5万円(棟板金下地が金属の場合)
棟板金を取り付けます。下地の素材により費用が変わりますが、金属製は強固な棟下地へ仕上がります。
換気棟を取り付け
相場:約3万~9万円
換気棟を取り付けることで、室内にこもった湿気を外へ排出し、居室が快適になります。
足場解体・完工確認・保証書発行
相場:約10万~30万円(諸経費)
担当の施工管理者が、完工の確認をします。
【テイガク実例】葺き替え費用内訳と見積書を公開
テイガクの屋根葺き替え費用の内訳単価一覧
テイガクでは、実際の屋根葺き替えの工事項目を定額料金で示しています。
2026年3月現在の単価の一部を紹介します。
より詳しい項目と最新の情報はテイガクの、「屋根カバー工法と屋根葺き替えの費用【定額料金表】」をご確認ください。
屋根材の撤去と処分
| 工事項目 | 単価 |
|---|---|
| スレート屋根の撤去処分 |
3,000円/㎡ (税込3,300円) |
| 瓦屋根の撤去処分 |
3,200円/㎡ (税込3,520円) |
| 土葺き屋根の撤去処分 |
5,000円/㎡ (税込5,500円) |
| アスベスト加算 |
+1,800円/㎡ (税込1,980円) |
屋根工事費用
| 工事項目 | 単価 |
|---|---|
| 野地板増し張り(構造用合板12㎜) |
2,900円/㎡ (税込3,190円) |
| ルーフィング(ニューライナールーフィング) |
1,000円/㎡ (税込1,100円) |
| 断熱材一体型ガルバリウム鋼板(横葺き) |
5,900円/㎡ (税込6,490円) |
| 断熱材一体型エスジーエル鋼板(横葺き) |
6,400円/㎡ (税込7,040円) |
| 軒先板金 |
2,400円/m (税込2,640円) |
| ケラバ板金 |
1,900円/m (税込2,090円) |
| 棟板金 |
2,500円/m (税込2,750円) |
| 換気棟(内部鋼板製/半間) |
28,000円/m (税込30,800円) |
諸経費
| 項目 | 単価 |
|---|---|
| 管理諸経費(屋根面1面ごと) |
工事合計金額の1% (最大8%) |
【実例①】葺き替えの見積り書-瓦屋根から金属屋根へ葺き替え
【建物情報】
| 築年数 | 30〜40年 |
| 屋根の形 | 寄棟 |
| 屋根の面積 | 62㎡ |
【瓦屋根から金属屋根へ葺き替え】実際の見積書
| 工事項目 | 単価 | 面積/長さ | 小計税抜 |
|---|---|---|---|
| 仮設工事 | |||
| 足場工事 | 750円/㎡ | 298㎡ | 223,500円 |
| 解体・下地 | |||
| 瓦屋根撤去処分 | 3,200円/㎡ | 61㎡ | 195,200円 |
| 野地板張り | 2,900円/㎡ | 61㎡ | 176,900円 |
| 屋根工事 | |||
| ルーフィング(ニューライナー) | 1,000円/㎡ | 61㎡ | 61,000円 |
| ガルバリウム鋼板(断熱材一体) | 6,300円/㎡ | 61㎡ | 384,300円 |
| 軒先板金 | 2,400円/m | 28m | 67,200円 |
| 谷樋板金 | 5,950円/m | 3m | 17,850円 |
| 棟板金交換 | 2,500円/m | 25m | 62,500円 |
| 板金下地(アルミ製) | 1,800円/m | 25m | 45,000円 |
| オプション | |||
| 換気棟(メーカー純正品) | 38,000円/台 | 1台 | 38,000円 |
| 屋根本体鉄ビス留め | 500円/㎡ | 61㎡ | 30,500円 |
| 諸経費 | |||
| 資材搬入搬出費 | 30,000円 | 1式 | 30,000円 |
| 管理諸経費 | 100000円 | 1式 | 100,000円 |
| 消費税 | 143,245円 | ||
| 端数調整 | -695円 | ||
|
費用合計 (参考) |
1,575,000円(税込) | ||
【実例②】葺き替えの見積り書-スレートから金属屋根へ葺き替え
【建物情報】
| 築年数 | 20〜30年 |
| 屋根の形 | 複合屋根(屋根面8面未満) |
| 屋根の面積 | 73㎡ |
【スレートから金属屋根へ葺き替え】実際の見積書
| 工事項目 | 単価 | 面積/長さ | 小計税抜 |
|---|---|---|---|
| 仮設工事 | |||
| 足場工事 | 750円/㎡ | 268㎡ | 201,000円 |
| 解体・下地 | |||
| 既存スレート撤去・処分(アスベストなし) | 3,000円/㎡ | 73㎡ | 219,000円 |
| 野地板張り(既存野地板再利用のためなし) | 3,100円/㎡ | 0 | 0円 |
| 屋根工事 | |||
| ルーフィング(ニューライナー) | 1,000円/㎡ | 73㎡ | 73,000円 |
| ガルバリウム鋼板(断熱材一体) | 6,600円/㎡ | 73㎡ | 481,800円 |
| 軒先板金 | 2,400円/m | 27m | 64,800円 |
| ケラバ板金 | 1,800円/m | 11m | 19,800円 |
| 棟板金交換 | 2,500円/m | 17m | 42,500円 |
| 雨押え板金 | 2,500円/m | 2m | 5,000円 |
| 板金下地(アルミ製) | 1,800円/m | 2m | 3,600円 |
| オプション | |||
| 換気棟(メーカー純正品) | 40,000円/台 | 1台 | 40,000円 |
| 屋根本体鉄ビス留め | 500円/㎡ | 73㎡ | 36,500円 |
| 諸経費 | |||
| 資材搬入搬出費 | 30,000円 | 1式 | 30,000円 |
| 管理諸経費 | 60,000円 | 1式 | 60,000円 |
| 消費税 | 127,700円 | ||
| 端数調整 | -700円 | ||
|
費用合計 (参考) |
1,404,000円(税込) | ||
こちらの施工の詳細はこちら
【既存の屋根材別】葺き替えに適した屋根は?
既存の屋根材によって、葺き替えで用いる新規の屋根材の種類が限定される場合があります。
瓦屋根の場合は、基本的にどの屋根材へも葺き替えることが可能ですが、 野地板を増し張りして瓦へ葺き替える場合は、総重量が増加するので注意が必要です。
土葺き屋根を、乾式の瓦屋根やルーガ(樹脂繊維セメント瓦)へ葺き替える場合は、土の重量がなくなるため、野地板を増し張りしても屋根全体が軽くなります。
また、2寸以下の勾配が緩い屋根(縦葺きのトタン屋根など)は、緩勾配に対応できる縦葺きの金属屋根(ガルバリウム鋼板やエスジーエル鋼板など)に限られるため、新規屋根材の選択肢は多くありません。
なお、アスファルトシングルやスレート屋根への改修は、条件によって屋根材のメーカー保証を受けられない場合がある点を押さえておきましょう。
【既存の屋根材別】葺き替えに適した屋根材
| 新しい屋根材 | ||||||
| 既存の屋根材 | 瓦 | ルーガ | スレート | シングル |
金属 横葺き |
金属 縦葺き |
![]() 瓦 |
![]() 良 |
![]() 最適 |
![]() 可 |
![]() 可 |
![]() 最適 |
![]() 最適 |
![]() スレート |
![]() 不可 |
![]() 良 |
![]() 可 |
![]() 可 |
![]() 最適 |
![]() 最適 |
![]() シングル |
![]() 不可 |
![]() 良 |
![]() 不可 |
![]() 可 |
![]() 最適 |
![]() 最適 |
![]() 金属(横葺き) |
![]() 不可 |
![]() 不可 |
![]() 不可 |
![]() 不可 |
![]() 最適 |
![]() 良 |
![]() 金属(縦葺き) |
![]() 不可 |
![]() 不可 |
![]() 不可 |
![]() 不可 |
![]() 最適 |
![]() 良 |
葺き替えは金属屋根が人気
葺き替え工事では、基本的に軽量な金属屋根へ葺き替えるケースが多いです。
なかでも選ばれやすいのが、断熱材一体型の「ガルバリウム鋼板」や「エスジーエル鋼板」です。
屋根を軽くできるため耐震面で有利になり金属としての耐久性も高いです。
断熱材が一体になっていることで、室内環境の改善にもつながります。
ガルバリウム鋼板への葺き替え施工例
テイガクは、断熱材一体型ガルバリウム鋼板への葺き替え工事について、工事手順と費用を施工例ごとに公開しています。
ガルバリウム鋼板屋根への葺き替え工事価格の平均は約210万円です。
エスジーエル鋼板への葺き替え
エスジーエル鋼板屋根は、ガルバリウム鋼板の3倍超の耐久性が認められた素材です。
アイジー工業のスーパーガルテクトなどが有名で、この高い耐久性が沿岸地域などでおすすめです。
エスジーエル鋼板の葺き替え工事価格の平均は約230万円です。
葺き替え費用を安くするには?
Webサイトやチラシなどに表示されている、「○○円〜△△円」といった幅のある価格表示は注意が必要です。
条件次第でいくらでも安く見せられるため、安易に信じると、結果的に「高値掴み」を招く恐れがあります。
そのため、表示金額に「何が含まれているか(足場・撤去処分・諸経費・税)」を確認し、必ず条件を揃えて内容を比較するようにしましょう。
費用が変わる一番の要因は「業者選び」
工事費用の内訳だけではなく、業者選びもとても重要です。
依頼する業者によって、工事費用は大きく変動します。
そのためには、「屋根リフォーム業界はどんな構造になっているのか」といった背景を理解することも大事です。
屋根葺き替え費用が変動する要素は、他にも次のような点が挙げられます。
-
仕上げる屋根材は何を使うか?
-
ルーフィングや役物をどの仕様にするか?
-
野地板を増し張りするか(または使用する野地板の種類)?
-
既存屋根材の撤去・処分方法は?
-
前面道路が狭くガードマン等が必要か?
もちろん、ここで挙げた要素は一例に過ぎません。
訪問販売業者やハウスメーカーに屋根葺き替えを依頼すると、施工自体は下請けに委ねられるため、中間コストがかかり、工事価格が高くなる傾向があります。
塗装会社や太陽光発電の販売会社へ屋根葺き替えを依頼した場合も、同様の構造になりやすいでしょう。
リフォーム紹介サイトを利用した場合
「厳選業者の無料比較」を掲げる業者紹介サイト(マッチングサービス)は、主にIT企業が運営しています。成約時にリフォーム会社が支払う「成約手数料」が収益源のため、業者は利益確保のためにその手数料分を見積額に上乗せせざるを得ず、結果として消費者の支払総額が高くなる傾向にあります。
また、紹介された業者が屋根専門ではないことも珍しくありません。
その場合、サイト上の概算価格よりはるかに高額な見積りを提示され、「思っていたより高い」と戸惑うケースも少なくありません。
もちろん、マッチングサービスが必ずしも悪い結果になるとは限りませんが、手数料が発生する仕組みにはこうしたデメリットもあるため、それらを理解したうえで利用を判断することをおすすめします。
屋根葺き替えの専門工事会社は建築板金工事会社
屋根葺き替え工事は、軽量で耐久性にも優れる金属屋根へ葺き替えるのが一般的です。
適正価格で金属屋根工事を行うためには、金属屋根専門の「建築板金工事会社」へ直接依頼することをおすすめします。
また、外壁塗装と合わせて屋根葺き替え工事を検討され方も多いでしょう。
しかし、塗装会社経由の屋根葺き替え工事は、「外注」になるケースが多く、仲介手数料が発生するため、費用が割高になりがちです。
建築板金工事会社かどうかは、「自社倉庫の有無」である程度見分けることができます。
金属屋根材はサイズが大きく、現場に直送してその場しのぎで扱うのは難しいため、屋根材を保管・管理するための倉庫が不可欠です。
実際に自社で直接工事を提供している会社であれば、屋根材保管用の倉庫を必ず持っています。
依頼先を選ぶ際は、「屋根材を保管できる倉庫があるかどうか」を一つの判断ポイントにしてください。
屋根葺き替えの補助金は何がある?
補助金は大きく分けて、「国や都道府県が計画した補助金」と「市区町村が計画した補助金」の2種類があります。
屋根の葺き替えで利用できる、国や都道府県による補助金の典型例としては、旧耐震基準の建物を対象に、瓦屋根の耐震性能向上を目的として屋根を軽量化する改修(瓦から金属屋根への変更など)が挙げられます。
市区町村が計画した補助金は、その自治体が独自に企画する制度です。
地域によっては、葺き替え工事に対する、補助制度がない場合もあります。
国・都道府県の補助金は補助額が大きい反面、手続きが複雑です。
市区町村の補助金は手続きが簡単ですが、補助額は小さくなりがちです。
なお、国や都道府県の制度でも、申請窓口は市区町村になることが多いため、自治体独自の補助金と混同しないよう注意が必要です。
お住まいの自治体の担当課に「屋根の葺き替え(軽量化・耐震化等)が補助対象になるか」を確認し、あわせて自治体補助金を検索できるポータルサイトでも制度の有無を調べるのが確実です。
屋根葺き替え補助金
| 事業者 | 補助金の種類 | 補助額 | 条件や難易度 |
|---|---|---|---|
| 国・都道府県 |
屋根軽量化に伴う 耐震改修など |
高い | 高い |
|
市区町村 (ない場合が多い) |
葺き替え | 3万~10万円程度 | 低い |
火災保険で屋根葺き替えはできる?
風災や雹(ひょう)災によって屋根が破損した場合、葺き替え費用に火災保険が使用できる可能性があります。
保険の基本は「被災箇所の原状回復」のため、原則として全面葺き替えがそのまま認められるケースは多くありません。
しかし、被害が広範囲に及び、全面改修が合理的だと判断されれば、葺き替え費用として査定される場合もあります。
実際にテイガクでも、2024年9月の八王子市の雹災において、保険を活用した葺き替え事例が多数あります。
ただし近年、保険金目的の不正請求や詐欺的な勧誘(例:わざと屋根を壊して風災に見立てる、事実と異なる申請をさせる等)が社会問題となり、保険会社だけでなく警察や自治体も含めた取り締まりや啓発が強化されています。
虚偽の申請は深刻なトラブルを招くため、絶対に行わないでください。
仮に「葺き替えとしての満額査定」は認められなくても、部分修理として支払われた保険金を、葺き替え費用の一部に充当できるケースもあります。
被災した場合は、葺き替えを含む全面改修まで選択肢に入れて検討してみましょう。
屋根葺き替え時期の3つの基準
屋根の葺き替え時期を判断する基準は、「屋根材の寿命」、「屋根の維持期間」、「屋根機能の回復」、の大きく3つに分けることができます。
その1:屋根材の寿命
屋根材ごとに耐用年数の目安は異なります。
屋根材の耐用年数に合わせて葺き替えを検討します。
-
屋根寿命の到来…放置すると屋根材の痛みや野地板の腐食が進行
その2:屋根の維持期間
屋根をこの先30年・40年といった長期スパンで、雨漏りすることなく屋根を維持したい場合。
防水紙や下地まで含めて計画的に葺き替え工事を行います。
-
屋根の長期維持…一度の工事で40年以上の屋根機能維持を実現
その3:耐震性・屋根機能の改善
「耐震性の改善」や「雨漏りへの対応」を目的とするケースです。
先延ばしにするほど不具合や被害が広がりやすいため、できるだけ早く葺き替えを検討しましょう。
-
耐震性の問題の解消…地震や太陽光発電設置などによる耐震低下リスクを回避
-
雨漏りの原因調査と改善…屋根機能の改善を実現
屋根材の寿命は?
屋根材によって、葺き替えの検討時期が変わります。
たとえば瓦屋根は、瓦そのものの耐久性が高いだけでなく、瓦と野地板(屋根の下地材)の間に通気層があるため、野地板も傷みにくく長寿命になりやすいです。
一方でスレート屋根は、築後30年あたりから割れや反りなどの劣化が目立ち始めることが多く、屋根材の下で結露が起きやすい構造のため、野地板の腐食が進行しているケースもあります。
そのため、同じ築年数でも屋根材によって「まだ持つ屋根」と「早めに手を打つべき屋根」が分かれます。
各屋根材の葺き替え適正時期
| 屋根材 | 葺き替え時期 |
|---|---|
| 瓦屋根(土葺き屋根) | すぐに |
| 瓦屋根 | 築45年以上 |
| セメント瓦 | 築40年以上 |
| スレート(アスベスト入) | 築35年以上 |
|
スレート (アスベスト無/~2000年半ば) |
築15年以上 |
|
スレート (アスベスト無/2000半ば以降) |
築30年以上 |
| 瓦棒(トタン屋根) | 築25年以上 |
| アスファルトシングル | 築25年以上 |
| ガルバリウム鋼板 | 築35年以上 |
野地板の寿命も葺き替えの基準に
屋根の葺き替え時期を考えるうえでは、屋根材だけでなく、屋根を支える野地板の寿命も重要な判断基準になります。
野地板が雨漏りや結露の影響で傷みが進行している場合、屋根塗装や屋根カバー工法では根本解決になりにくいため、葺き替えを選択するのが基本です。
特に通気性のない屋根では、スレート屋根や金属屋根であっても、築30年を超えたあたりから野地板の劣化が目立ち始めることがあります。
屋根カバー工法か葺き替えかの判断ライン
「葺き替えとカバー工法、どちらが良いですか?」というご相談をよくいただきます。
結論はシンプルで、基本的には葺き替え工事のほうが望ましいと考えています。
葺き替えは、防水シートや下地の状態を確認し、必要に応じて補修できるため、新築時に近い状態まで戻すことが出来、長期的な安心につながるからです。
たとえば、中古住宅を購入した子育て世代の方で「この先も安心して長く住みたい」という場合は、初期費用はかかっても葺き替えのほうが結果的に満足度は高くなります。
一方、予算の都合で屋根カバー工法を選ぶ場合は、最低限の対策として「高耐久ルーフィング(防水シート)の採用」と「高耐久ビスによる確実な固定」は必ず押さえてください。
雨漏り放置は危険
雨漏りの長期間放置するのは避けてください。
屋根の不具合は時間とともに広がり、やがて野地板や垂木などの構造部まで傷めてしまいます。
もし野地板や垂木が腐食してしまうと、屋根材を新しくするだけでは済まず、「野地板の交換」や「垂木の補強」といった追加工事が必要になり、費用負担は一気に大きくなります。
屋根葺き替えに建築確認申請は?
2階建ての木造住宅の多くは、これまで「4号建築物」と呼ばれる区分に該当し、一定の条件下で建築確認の手続きが簡略化されていました。(4号特例)
2025年からこの4号特例の見直しが進み、「屋根の葺き替えは建築確認申請が必要になるのでは?」というご質問をいただくことがあります。
屋根葺き替え工事は、原則として建築確認申請を必要とする『大規模の修繕・模様替』には該当しません。
国土交通省の考え方では、野地板や垂木などの「主要構造部」に、広い範囲(原則として過半以上)で手を入れる場合に、建築確認の対象となる可能性がある、と整理されています。
一般的な葺き替え工事は、野地板や垂木まで広範囲に解体・更新するケースは少ないです。
ただし、下地の腐朽が進んでいて野地板の広範囲な張り替えが必要になる場合などは、確認申請が必要になる可能性があります。
出典: 屋根及び外壁の改修に関する建築基準法上の取扱いについて屋根ふき材の改修を行うことで屋根を構成する全ての材を改修することになる
場合、その改修部分の見付面積が過半であれば、大規模の修繕又は大規模の
模様替に該当する。
屋根葺き替えのメリットとデメリット
屋根の葺き替えは費用のかかる工事だからこそ、その分、得られるメリットも大きい工事です。
屋根葺き替えのメリット
屋根葺き替えの最大のメリットは、屋根材だけでなく防水紙や下地まで含めて刷新することで、40年以上の耐久性を見込める点です。
瓦などの重い屋根から金属屋根へ替えることで、屋根全体が軽くなり耐震性の改善にもつながります。
太陽光発電を設置する場合にも、屋根の状態を一新してから施工できるため相性が良い工事です。
また、既存屋根を撤去する工程で雨漏りの原因箇所を直接特定できるため、再発防止の対策を打ちやすいのも大きな利点です。
加えて、断熱材の追加や通気・遮熱などの処置を組み合わせれば、夏冬の室内環境が改善され、より過ごしやすい住まいに近づけることもできます。
屋根葺き替えのデメリット
葺き替えのデメリットは、屋根カバー工法より費用負担が大きく、目安として1.5~2倍になりやすいこと。
工期も平均2週間ほどと長めで、解体に伴う音・ほこり・振動が発生します。
加えて、撤去材を降ろして処分するための敷地確保や運搬の手間も必要です。
頻度としては少ないですが、野地板がバラ板の場合、室内にゴミが入り込むことがあります。
屋根裏に貴重品を置かないなどの対応が必要です。
葺き替えで税込み100万円を超えた場合の調査義務
建築物の解体・改修工事では、「建築物石綿含有建材調査者」による石綿に関する事前調査をおこなう必要があります。
改修工事は請負金額が税込100万円以上、解体工事は解体部分の延べ床面積が80㎡以上が対象です。
事前調査の未実施は、工事停止や行政指導等のリスクがあります。
屋根葺き替えでよくあるトラブル
野地板の裏側に生じる”すき間”を埋める(モルタル外壁×瓦屋根の組合わせ)
屋根の軒先部分にある野地板の先端は「広小舞(ひろこまい)」と呼ばれます。瓦屋根とモルタル外壁の組み合わせの住宅では、モルタル外壁と屋根の取り合い部分にすき間が生じることがあります。このすき間を放置すると、風雨の吹き込みによって雨漏りの原因になったり、害虫やネズミなどの侵入経路になったりする恐れがあります。
葺き替え工事の際は、このような取り合い部を板金部材で適切に塞ぎ、雨仕舞いと防虫・防獣の対策を講じたうえで屋根を改修することをおすすめします。
歪んだ屋根面を下地調整で調整(土葺き屋根)
土葺き屋根は長年の重みで屋根面が大きく変形しているため、葺き替え時には屋根を平坦に整える「下地調整」が不可欠です。
歪んだ屋根に屋根材を張っても、屋根の長期維持は期待できません。
残念ながら、下地調整をおこなわずに屋根の葺き替えがなされている現場、多く見られます。
土葺き屋根の葺き替えは、必ず下地調整をおこなってください。
野地板の選定ミス
筆者が担当したこの写真の現場では、厚み5mm程度の薄いベニヤ板が野地板として使われていました。
当初、屋根カバー工法を予定していたのですが、屋根上を歩くと、異様に屋根がフカフカするため不審に思い、屋根材をはがして確認したところ、下地が薄いベニヤ板でした。
こうした下地はたわみやすく、釘やビスの効きも弱くなりやすいため、カバー工法の条件を満たしません。
原則として、葺き替え工事で用いる野地板は「構造用合板」ですが、合板には用途ごとに多くの種類があり、厚みもさまざまです。
野地板としては、最低でも「12mm以上」の構造用合板が使われているかを必ず確認しましょう。
なお「9mm」は、一般に外壁下地などで用いられる厚みであり、屋根下地としては不十分です。
屋根葺き替え工事はテイガクへ
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