天窓の雨漏りが多い理由
住宅の雨漏り原因1位は窓

住宅で最も雨漏りが多いのは屋根ではなく「窓まわり(外壁開口部)」です。
開口部は構造上、外壁に穴を設けてサッシや枠を取り付けるため、防水層の連続性が切れやすく、排水経路も複雑になり、シーリングや防水テープの劣化が直撃します。
では「屋根に窓=天窓」の場合はどうでしょうか。
屋根は外壁よりも雨風の影響を受ける部位であり、大雨の場合は勾配の影響もあって雨水が大量に天窓周囲に滞留します。
当然、天窓は外壁窓よりも雨漏りリスクが格段に高い部位です。
実際、当社テイガクに寄せられる雨漏り相談でも、天窓起因のケースは常に上位に入ります。
開口部という弱点の特性を理解し、定期点検・早期補修・必要に応じた修理や交換(天窓塞ぎ・天窓カバー工法を含む)を行うことが、長期の安心につながります。
天窓の雨漏りの原因 |
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天窓周辺の隙間を埋めているゴムパッキンやコーキングの劣化 |
排水部分にたまったゴミ |
天窓周囲の防水シートや板金の劣化 |
天窓の施行不良(手抜き工事) |
天窓周辺の隙間を埋めているゴムパッキンやコーキングの劣化

天窓の雨漏りで最も多い原因は、天窓周りのゴムパッキンやコーキング(シーリング)の劣化です。
天窓周りの隙間を埋めているゴムパッキンやコーキングが、紫外線や温度変化の影響でひび割れ・硬化していきます。
写真は築25年の開閉式天窓です。
経年劣化でゴムパッキンが破断しています。
このように、開閉式の天窓は動作による負荷でゴムパッキンが破断しやすいです。
排水部分にたまったゴミ

天窓周りの排水部分にゴミがたまることも、雨漏りの原因のひとつです。
写真は築20年の固定式天窓です。
排水部分に落ち葉が溜まっています。
落ち葉などのゴミが排水経路をふさぐと、水がうまく流れず、天窓枠の隙間から水が入り込んでしまいます。
特に勾配が緩い屋根では、ゴミがたまりやすいので注意が必要です。
天窓周囲の板金や防水シートの劣化

天窓の周囲に取り付けられている天窓板金は、雨水の侵入を防ぎ、屋根へ排水する重要な役割を担っています。
この天窓板金には大量の雨が集中し、それにより板金が歪んだり、防水シートが劣化したりすることがあります。
写真は築25年の開閉式天窓です。
天窓板金の歪みが確認されました。
こうした劣化を放置すると、隙間から雨水が侵入し、雨漏りにつながるおそれがあります。
天窓の施行不良(手抜き工事)

昔の天窓は、今ほど規格化・標準化が進んでおらず、個性的な寸法・形状の製品や、大工が現場で木枠やガラスを組んだ“造作天窓”も珍しくありませんでした。
一方、天窓はとても複雑な構造をしています。
経験の浅い職人による施工不良だけではなく、手抜き工事による施工不良も少なくない部位です。
現在はメーカー純正の防水キットや標準納まりが整備され、性能は向上しましたが、旧来の天窓は経年劣化も相まってリスクが高めです。
天窓の雨漏りを放置すると内部の木枠が腐食する

天窓の雨漏りは気づかないうちに進行していることが多く、気づいたら天井やクロスにシミができたり、内部の木材が腐食しているケースもあります。
雨漏りを放置すると被害が拡大し、最終的には屋根全体の修理や天窓交換が必要になることもあります。
結露による木枠の腐食も多い

室内外の温度差が大きくなる冬場は結露が発生しやすいです。
天窓のガラス面に水滴がびっしり付く光景を目にする方は要注意です。
ガラスだけでなく、周囲の木枠も結露の影響を受けやすく、黒ずみやカビ、含水による変形・腐朽が少しずつ進行します。
また、結露を「天窓からの雨漏り」と勘違いしてしまうケースも少なくありません。
長期にわたり天窓を良好な状態を保つには、断熱や気密、ガラス仕様、換気計画などの整備が欠かせません。
結露由来か雨水浸入か判断ができない場合は、屋根のことに詳しい業者さんに点検をしてもらいましょう。
経年劣化による破損

天窓の劣化はパッキンやコーキングだけではありません。
紫外線や風雨、雹(ひょう)の影響で負荷がかかり、ガラスのひびや、板金の歪みが起こりやすくなります。
設置20年超は破損リスクも上がります。
早期点検と修理、場合によっては交換を検討してください。
天窓の修理方法
天窓の修理方法は主に5つあります。
天窓修理方法の比較表
修理方法 | おすすめのケース | メリット | デメリット | 費用感 |
---|---|---|---|---|
①シーリング ゴムパッキン 補修 |
シーリングの硬化やパッキン劣化が原因の雨漏り | 安価で短期間で施工可能 | 雨漏りなど再発しやすい |
◎ (低め) |
②天窓板金の交換 | 雨漏りが繰り返し発生 | 雨漏り解消 | 長期的には不安が残る |
◎ (低め) |
③天窓カバー工法 | 今ある天窓枠が健全で活かせる場合 | 雨漏り解消も含む天窓の性能を改善 | サイズや雨漏りの状態によって施工ができない場合がある |
○ (中程度) |
④天窓本体の交換 |
天窓全体の劣化 (枠・ガラス含む) |
根本的な解決が可能 | 費用が高い |
△ (高め) |
⑤天窓を撤去して塞ぐ | 採光不要になった | 天窓の問題点が完全に解消される | 室内が暗くなる |
○ (中程度) |
①シーリングやゴムパッキンの補修

天窓のガラス面の脇には、シーリングやゴムパッキンが充填されています。
紫外線や温度差によってシーリングやゴムパッキンは破断し、その隙間から雨水が入り込んできます。
この場合は、古いシーリング材を撤去し、新しい耐候性シーリングを打ち直すか、劣化したゴムパッキンを交換します。
他の修理方法に比べて、短期間で施工でき、費用も抑えめです。
ただし、下地や板金部分がすでに傷んでいると再発の恐れがあります。
シーリングやゴムパッキンの修理方法
②天窓板金の交換

天窓のまわりは、雨水を排水させる水切り板金が取り付けられています。
この板金の継ぎ目に隙間やサビ、浮きがでると、雨漏りしやすくなります。
天窓板金交換では、古い天窓の板金を取り外して、防水シートや木下地を点検・修理したうえで、新しい板金を取り付けます。
シーリングだけの補修よりも費用と手間はかかりますが、雨漏り原因が板金にある場合は、最も確実な修理方法です。
天窓の板金加工が必要になるため、金属屋根専門業者に依頼するのがおすすめです。
天窓板金交換の方法
テイガクの天窓板金交換の工事例
③天窓カバー工法

比較的新しいリフォーム手法として、天窓のカバー工法があります。
天窓カバー工法は、古い天窓の枠を残したまま、その上から新しい天窓を取り付ける方法です。
室内工事がいらないため、住居者への影響が少なく、最短1日で工事を終えることができます。
ただし、古い天窓の状態が悪い場合には天窓カバー工法がおこなえないこともあります。

天窓カバー工法について詳しく解説した動画
天窓カバー工法の方法
テイガクの天窓カバー工法の工事例
④天窓本体の交換

天窓全体が古くなり、枠や内部の部材が劣化している場合は本体の交換をおこなうのがベストです。
最新の天窓は、断熱性や遮熱性が大幅に向上しています。
自動開閉や換気機能付きのモデルを選べば、より快適な天窓生活を送ることができます。
天窓交換は繰り返す雨漏りやガラスの劣化などのトラブルを根本的に解決できます。
他の修理方法に比べて費用は高めです。

天窓の交換について解説した動画
天窓本体の交換方法
テイガクの天窓交換の工事例
⑤天窓を撤去して塞ぐ

繰り返す雨漏りで維持が難しい、天窓が必要なくなったといった場合には、天窓を撤去して屋根材で塞ぐ方法も選択肢となります。
天窓撤去は、室内の天井や断熱材の補修が必要です。
天窓交換より費用を抑えられる場合があります。
天窓の撤去方法
テイガクの天窓撤去の工事例
天窓の寿命は20~30年
天窓の寿命は20年から30年です。
20年以上経つと、内部のパッキンやシーリング材が劣化し、雨漏りしやすくなります。
そのため、設置から20年以上経過している場合は、部分補修よりも天窓カバー工法や天窓交換などの根本的なリフォームがおすすめです。
また、今後の雨漏りリスクを完全に無くしたい場合は、天窓を撤去して屋根で塞ぐ「天窓潰し」という選択肢もあります。
天窓修理の費用相場
天窓の修理方法ごとの費用相場をまとめました。
実際の費用は天窓のサイズや劣化の度合い、さらに足場の有無によって変わります。
おおよその目安としてご覧ください。
天窓修理の費用
天窓の修理方法 | 費用 |
---|---|
シーリング・ ゴムパッキン 補修 |
約1万〜5万円 |
天窓板金の交換 | 約3万〜10万円 |
天窓カバー工法 | 約10万〜25万円 |
天窓本体の交換 | 約15万〜35万円 |
天窓を撤去して塞ぐ | 約10万〜30万円 |
上記の金額は、天窓のみを工事した場合の金額で、足場代は含まれておりません。
足場代は、テイガクでは1㎡あたり750円です。
一般的な2階建て住宅で、15万~30万円ほどかかることが多いです。
天窓工事は屋根工事と一緒におこなうのがおすすめ
別々に工事をすると、その都度足場代が必要になるため、結果的に割高になってしまいます。
また、屋根と天窓が接する部分は特に雨漏りしやすい場所です。
屋根工事と天窓工事を同時に行えば、その接合部をまとめて防水処理でき、より雨漏りしにくい仕上がりになります。
屋根工事の費用の相場
屋根工事項目 | 屋根面積 | 屋根材 | 費用 |
---|---|---|---|
屋根カバー工法 | 80㎡ | 最安値金属屋根 | 80~90万円 |
屋根カバー工法 | 80㎡ | 断熱材一体型SGL鋼板 | 90~110万円 |
屋根葺き替え(石綿無し) | 80㎡ | 最安値金属屋根 | 110~120万円 |
屋根葺き替え(石綿無し) | 80㎡ | 断熱材一体型SGL鋼板 | 120~130万円 |
天窓修理に火災保険は適用できる?
自然災害による破損のみ火災保険適用
天窓修理で火災保険が適用されるのは、台風・暴風・大雪などの自然災害によって破損した場合のみです。
例えば、強風で天窓ガラスが割れた、豪雨による水彩で破損した、といった被害は保険の対象になる可能性が高いです。
経年劣化や施工不良による雨漏りは、補償の対象外です。
火災保険を使えるかどうかは契約内容によっても異なります。
まずは保険会社や代理店に確認してみましょう。
火災保険申請の手順
STEP1 天窓修理だけの見積書を入手(屋根修理業者/テイガク)
保険金を受け取るには、保険会社の算定基準となる屋根修理業者の見積書が必要です。
まずは天窓修理の実績がある専門業者を選び、保険申請用の見積書作成を依頼しましょう。
なお、火災保険を悪用する不正業者も存在するため、資格・施工実績・見積内訳の明確さ等を確認し、慎重にご判断ください。
STEP2 保険会社に申請(お客様)
屋根修理業者の見積書に加えて、保険会社所定の保険金申請書を併せて提出します。
申請書の書式は想像以上にシンプルで、内容が適切かつ価格が妥当であれば、通常は1週間以内に保険金がご契約者様の銀行口座へ振り込まれます。
STEP3 天窓修理(屋根修理業者/テイガク)
天窓の修理をプロの屋根修理業者におこなってもらいます。
天窓はとても雨漏りしやすい部位です。
長く安心できる品質の高い工事をお求めください。
天窓の修理は実績豊富なテイガクへ

天窓の修理は、雨漏りや結露、経年劣化による破損など、原因や症状によって必要な工事が変わります。
正しい判断には、専門的な知識と経験が欠かせません。
テイガクでは、ベルックスの「FCMカバー工法」をはじめとした最新の天窓修理技術を積極的に導入しています。
また、お客様から安心して工事を任せていただけるよう、YouTubeやnoteで天窓の最新情報や工事の様子を発信しています。
テイガクの工事は、下請けを介さずに全て自社で対応しているため、中間手数料がなく適正価格で質の高い工事をご提供できます。
さらに、工事後には保証書を発行し、アフターサポート体制も整えています。
天窓の不具合でお困りの際は、まずはお気軽にテイガクまでご相談ください。
天窓修理に関するよくある質問(Q&A)
天窓は何年で交換すべきですか?
一般的に20〜30年が目安です。
雨漏りが起きる前の点検・交換をおすすめします。
雨漏りがあるのですが、修理と交換どちらがいいですか?
設置から20年以上経過している場合は、長期的に考えて交換をおすすめします。
天窓はDIYで修理できますか?
DIYでの修理はかえって雨漏りを悪化させる恐れがあります。
天窓の防水処理は複雑で難易度が高い工事です。
自己流で間違った修理をおこなうと、メーカー保証が失効する場合もあります。
工事期間はどのくらいかかりますか?
部分的な補修なら半日〜1日、カバー工法は最短1日で工事が完了します。
修理費用を安く抑える方法はありますか?
「先進的窓リノベ2025事業」といった、国や自治体から補助金が出る場合があります。
詳しくはこちらのページをご覧ください。
天窓の点検は有料ですか?
テイガクでは無料の点検・現地調査を実施しております。
まずはお気軽にお問い合わせください。