ガルバリウムでリフォーム 【こんな施設にも使われています】

全記事 一覧 | 2015.10.10

1.ガルバリウム鋼板 屋根材はリフォーム市場においてナンバー1のシェア


屋根のリフォームを行う際、ガルバリウム鋼板の屋根材が一番多く使用されています。
ガルバリウム鋼板は、「ガルバ」もしくは「GL」と略称されます。
なぜ屋根の改修工事にガルバリウム鋼板が選択されるのか、メリット、デメリット、そして裏付けも含めてご紹介いたします。
ガルバリウム鋼板

2.ガルバリウム鋼板とは


JIS規格では「溶融55%アルミニウム亜鉛合金めっき鋼板」と定められています。
アルミと亜鉛で鉄を守ることで生まれた鋼板です。
金属素材の良い特性を最大限、生かせるよう配合して誕生した素材というイメージです。

1972年にアメリカでベスレヘム・スチール(かつてアメリカ2位の規模の鋼板会社で世界最大の造船会社でしたが、現在はアルセロール・ミッタルに吸収合併)社によって開発された比較的新しい素材です。
日本では、1982年に大同鋼板株式会社が製造販売を開始しました。
1990年に、国内の金属建材を取り扱う他のメーカーも製造を開始しました。
つまり、日本で本格的に利用されてから25年程度しかたっていません。

それまでは、建築業界における金属といえば「ステンレス」や「ガルタイト」が一般的でしたが、ガルバリウム鋼板の登場により、大きく需要が開拓され、拡販することになります。
ちなみに、耐久性の点では「ステンレス鋼板」が「ガルバリウム鋼板」より優れています。
ここまで利用されるきっかけになったのは単価が大幅に安いからです。
他のホームページではガルバリウム鋼板は最も優れた素材であるという記載がありますが、それは正しくない情報です。

銅素材の屋根は、変色により緑青になることが気にならなければ50年以上耐久性があることは立証されています。
最近話題で、東京オリンピック開催に向けて見直しのきっかけになった国立競技場の屋根、これも最高品質のハイテン鋼材で金属素材になります。

多くの考えられる条件の中で、外の金属に比べ相対的に良い点が多い素材。これがガルバリウム鋼板です。

尚、ジンカリウム鋼板と呼ばれる素材がありますが、これはガルバリウム鋼板とほぼ同質です。
したがって、性質、耐久性も同じです。

 

3.金属物質の中でも、それぞれ弱点があります


金属建築素材カテゴリーの中においても、それぞれの物質ごとに弱点があります。
代表的な弱点と使用のポイントを下記にまとめました。

■酸性に弱い金属/工場地域、火山活動や他国からの偏西風による影響を受けやすい地域には向いていません
■アルカリに弱い金属/屋根の上に木や落ち葉などが乗りやすい地域には向いていません
■塩に弱い金属/海に近い地域には向いていません
■水に弱い金属/屋根の勾配(傾き)がなく水溜りができやすい屋根には向いていません
■傷に弱い金属/台風や突風、竜巻が多い地域には向いていません

ガルバリウム鋼板はどのような弱点があるのか、そしてお客様がお住まいの地域特性に適合するかを確認したうえで、使用の有無をご判断ください。

金属屋根材の欠点

ガルバリウム鋼板の弱点はアルカリに弱い点が挙げられます。
また、長期間水たまりのできやすいところにも比較的不向きです。

ただし、それ以外は他の金属と比較すると、強度があることは証明されています。
価格面と耐久面を考慮するとガルバリウム鋼板が住宅の屋根材として、最もお勧めできる素材です。

尚、JFE鋼板株式会社の資料によれば、表面塗膜は都市部で用いた場合約25年、塩害のある地域で約15年の耐用年数を持つと、試験結果が発表されています。

 

4.ガルバリウム鋼板屋根を使用している有名な施設


もちろん、その有用性からガルバリウム鋼板は多くの有名施設でも利用されています。
下記は関東と関西地方でガルバリウム鋼板が使用されている代表的な施設です。

さいたまスーパーアリーナ
ガルバリウム鋼板が使われている施設1

阪神甲子園球場の銀傘
ガルバリウム鋼板が使われている施設2

もう一つ代表的な例として、物置で有名な「ヨド物置」の物置は全てガルバリウム鋼板製です。

 

5.これまでの金属建材のイメージ


下記は私がこの業界にかかわる前のネガティブな金属素材のイメージです。

  • 重い
  • 大きな雨音
  • 熱が伝導して熱い
  • 高価
  • 美観が劣る
  • 錆びる(耐久性)

お客様も金属と聞くとこのようなイメージをお持ちではないでしょうか。
これを見ると金属屋根は全く屋根や外壁に適していない素材である気がします。

しかし安心してください。
この中にある項目において、ガルバリウム鋼板の屋根材はそこまで不安にする必要がない、もしくは全く心配することがない素材です。

なぜなら、金属の持つ欠点をカバーするためにガルバリウム鋼板の屋根材は、断熱材と一体化しているからです。

 

6.ガルバリウム鋼板は断熱材と一体化


金属屋根材メーカーが販売しているガルバリウム鋼板の屋根材は断熱材と一体化しています。
主要な製造業者では、アイジー工業株式会社「ガルテクト」と株式会社ニチハ「横暖ルーフ」があげられます。
いずれも日本で製造・販売されています。
断熱材とガルバリウム鋼板

具体的にはガルバリウム鋼板の下にポリイソシアヌレートフォームや硬質ウレタンフォームなどの発泡スチロールのような断熱材が組み込まれ、アルミニウムのシートが裏面に貼り付けられています。
これにより金属建材で懸念される大きな弱点を克服することができます。

 

7.屋根の重さ


結論:ガルバリウム鋼板屋根は超軽量です。

私が始めてガルバリウム鋼板屋根のサンプルを手にした時の印象は「思ったより軽くて頑丈」です。
ガルバリウム鋼板は耐震性を考慮した屋根材を選択する際に、最も優れている素材であることは証明されています。
建物の重量が軽い場合、重心位置が低くなり、地震などの際に揺れ幅が小さくなります。本棚や家具の転倒の予防にもなります。
また、柱や梁へなどの躯体の負担が低減します。

主な屋根材との重量比較

屋根材 重さ(kg/㎡)
ガルバリウム鋼板 10.9
トタン(瓦棒) 5
スレート瓦 17.5
セメント瓦 47.2
日本瓦 42.4

参考:積算資料、建築知識、日経アーキテクチャー

当社で標準施工としているコロニアル、ケイミュー株式会社のコロニアルクァッド(スレート瓦)は1㎡当たり20.6kgです。
一方、金属瓦、アイジー工業株式会社のガルテクト(ガルバリウム鋼板)は1㎡当たり5kgです。

軽量瓦として認められているコロニアル屋根の1/4以下の重さです。
金属瓦、ガルバリウム鋼板は「超」軽量瓦であります。

コロニアルとガルバリウム鋼板の重さ

8.屋根の音


結論:豪雨時の室内において、ガルバリム鋼板の屋根の音はささやき程度です。

一般的に50dB(電話のベルで68dB)以上から騒音と定義されています。
ガルバリウム鋼板屋根の大手メーカーによる豪雨時の雨音の大きさを測定試験を行った結果が下記になります。

  • アイジー工業株式会社の試験では31dB
  • 株式会社ニチハの試験では33dB

これは、ささやき声程度の大きさです。
屋根材の中にある断熱材が音の低減に大きな役割を果たしています。

主な屋根材との音比較

屋根材
ガルバリウム鋼板(ガルテクト)  △
トタン(瓦棒) ×
コロニアル
セメント瓦
日本瓦

参考:アイジー工業株式会社/株式会社ニチハ 社内試験

どうしても、雨音が気になるお客様は、より効果的な方法があります。
株式会社リクシルでは、ガルバリウム鋼板の表面に天然石のチップを取り付けた製品があります。
リクシル株式会社 T・ルーフシリーズです。

Tルーフ画像

この表面の天然石は雨音を吸収・拡散してくれる働きがあり、強い雨が降っても金属屋根材とは思えないほど静かです。
また、その他に遮音シートや断熱材(ポリウレタン)を施工することで雨音をより低減すことも可能です。

 

9.屋根の熱


結論:断熱材と一体化しているため、熱の心配はございません。

断熱効果は「熱の貫流」と「太陽光波長の反射と遮熱」の二つを基準で考えられます。
「熱の貫流」はガルバリウム鋼板に充てんされている「断熱材」が大きな役割を果たしております。

主な屋根材の「熱の貫流率」比較

屋根材 熱貫流率(w/㎡K)
ガルバリウム鋼板  1.43
トタン(瓦棒) 6.64
コロニアル 2.22
セメント瓦 不明
日本瓦 1.96

参考:アイジー工業株式会社 社内試験

「太陽光波長の反射と遮熱」については、「塗料の素材」と、「色」により日射の反射(遮熱)率が異なります。

 

10.ガルバリウム鋼板  遮熱と反射


結論:遮熱は塗膜(塗料)の質、反射は色によって効果が異なります。

熱の遮熱は主にガルバリウム鋼板表面の塗料がその役割を果たしています。
塗料は遮熱性フッ素樹脂塗料や遮熱性ポリエステル樹脂塗料があります。
フッ素樹脂塗料が最も遮熱性が高く、塗膜も2層、3層タイプなどが製造業者から販売されています。
もちろん、高耐久なもの、塗膜が多いものほど高価になります。

色による反射率の違いは下記の表で試験結果が公開されています。
黒とブルーで2倍ほどの差があるので、色は慎重に選択してください。

屋根材 反射率(%)
ブラック  13
ブラウン 23.6
チャコール 26.1
ブルー 25.5
グリーン 21.5

参考:塗料メーカーデータ JIS K5602
アイジー工業株式会社 ガルテクトシリーズ
ガルテクト

11.ガルバリウム鋼板屋根の価格


結論:ガルバリウムは他の屋根材より高め。

ガルバリム鋼板の屋根材は他の屋根材より高価です。
ガルバリウム鋼板のリフォーム費用は定額屋根修理の価格表で明らかにしています。
ただし、将来のメンテナンス費用やカバー工法による施工法などを考慮した場合は経済的負担が安価になります。

尚、初期費用のみ考慮した場合、トタン屋根が最も費用を抑えた施工ができます。

主要屋根材の価格(当社の標準施工品・工事代金含む)

屋根材 価格(㎡)
ガルバリウム鋼板  6,500円
トタン(瓦棒) 4,900円
コロニアル 5,500円
セメント瓦 6,000円~
日本瓦 8,000円~

参考:定額屋根修理価格表

初期費用だけでなく、30年から50年と長期的なメンテナンス費用は、各屋根材ごとにより大きく異なります。
将来発生するメンテナンス費用も十分考慮してください。

 

12.ガルバリウム鋼板屋根のメンテナンス


製造メーカーによると、ガルバリウム鋼板は10年ごとの再塗装を推奨しています。
ただし、JFE鋼板の資料によると皮膜寿命は25年以上確認されています。
屋根に限らず住宅建材メーカーの建材、全てに言えることですが、リスクヘッジのため住宅建材メーカーの寿命アナウンスは実情と乖離しています。
当社はアフターサービスにより、ガルバリム鋼板で施工された屋根を診断してきましたが、ガルバリム鋼板はコロニアルのような明らかな変色、劣化はなく、再塗装の必要性が迫られているケースはごく僅です。

また、表面にフッ素樹脂が施された屋根材に至っては、これまで再塗装をした実績がありません。

その他に屋根表面に天然石を埋め込んだ「自然石粒仕上げ屋根材」は色あせはなく、塗装の塗り直しの必要がない屋根材です。
完全メンテナンスリーの商品も販売されています。
ただし、自然石粒で仕上げされている屋根材は製造が日本ではなく、輸入(オーストラリア、ニュージーランド、韓国など)による販売のケースがあります。

Tルーフ

13.ガルバリウム鋼板屋根の錆び(耐久性)


結論:ガルバリウム鋼板は高耐久の屋根材です。

ガルバリム鋼板は腐食環境下において、緻密で安定な網目状の腐食生成物ができ、それが空間を埋めることで腐食の進行を抑制(不動態皮膜保護作用と呼ばれます)します。
つまり、ガルバリウム鋼板には自己修復作用があります。
傷に強い金属です。

また、常時浸水されると劣化は激しくなりますが、一時的な水洗いや雨による水濡れはむしろガルバリウム鋼板耐性を保つのに有用との報告もあります。

屋根材ごとの寿命の目安

屋根材 耐用年数
ガルバリウム鋼板  30年~50年
トタン(瓦棒) 20年~30年
コロニアル 30年~50年
セメント瓦 30年~50年
日本瓦 30年~50年

ガルバリウム鋼板の皮膜寿命は25年以上

25年間にわたる 屋外暴露試験の結果、皮膜寿命は田園地区では25年以上。
JFE鋼板 鋼板製品技術資料

ガルバリウム鋼板耐食試験1

トタンと比べ塩水への耐性は6から10倍

トタン(亜鉛めっき合板)と比較した試験において、めっき層が侵食されて赤さびが発生するまでの時間は、亜鉛めっき鋼板の6~10倍の耐食性を示します。
JFE鋼板 鋼板製品技術資料

ガルバリウム鋼板耐食試験2

ただし、下記のような弱点があります。

 

14.ガルバリウム鋼板の欠点 デメリット


・熱膨張する

朝、夕方などの気温差が激しくなる時期に、ポコン、バコン、といった音がする場合があります。
ただし、銅など、他の金属に比べると優れています。
銅が線膨張係数「16.8(×10の6乗)」に対してガルバリウムは「11.7(×10の6乗)」という結果がでています。
※線膨張係数とは温度が1℃上昇した時の材料の伸び縮みの値のことです。

・常時の浸水に弱い

水溜りなど常時の浸水、結露が頻発するような場所では、ガルバリウム鋼板でも急速に錆は進行します。
特に屋根の勾配がない家屋や陸屋根にはガルバリウム鋼板は向いていません。
このような環境下の錆びはメーカー保証外となります。

・アルカリ性に弱い

アルカリ性の素材と接触するとめっき面が変色・変質するため注意が必要です。
お庭や近所に大きな木があり、落ち葉や木屑が屋根に長時間触れているとそこから腐食が始まります。

 

15.ガルバリウム鋼板のデザイン


結論:強いこだわりがなければ、心配する必要はありません。

ほとんどのお客様が、ガルバリウム鋼板の屋根材でリフォームをして見違えて良くなったと、ご満足いただいています。
最近は色の種類も増えています。
和瓦風であったり、洋風瓦風であったり意匠性が高い屋根材が増えています。
但し、壁に関しては目に見える範囲が広いので窯業系と比べて見劣りします。
下記は定額屋根修理が施工した日本瓦風ガルバリウム鋼板の完工写真です。
東京都世田谷区U様邸 施工例   茨城県つくば市S様邸 施工例 

日本風ガルバリウム鋼板施工例1 日本風ガルバリウム鋼板施工例2

16.よくある質問


Q1防火地域、準防火地域に使用出来ますか

A1 ご使用頂けます。

 

Q2錆の出やすい地域はどこですか

A2工業地域、海浜地区、交通量の多い道路周辺、鉄道周辺、などは一般地域と異なり錆が発生しやすい環境です。
また、最近では中国の工業化の影響で、硫黄酸化物 (SOx) による酸性雨も懸念されています。

 

Q3白錆が発生したらどうすればよいですか

一般的に本体表面にチョークの粉のようなものが発生した後(チョーキングと呼ばれます)、白錆が発生します。これは鋼板を保護しているめっき層の腐食です。放置しておくとすると白錆は赤錆に進行します。白錆の発生は塗り替え補修の信号です。

 

Q4表面の塗料の種類を教えてください

鋼板の表面の塗料は主に2つです。ポリエステル樹脂系、フッ素樹脂系塗料等です。
鋼板表面に焼き付け塗装されています。
各製造メーカーにより保障内容は異なりますが、一般的にポリエステル樹脂系で塗膜・赤錆保障が10年、フッ素樹脂系塗料が20年とされています。
フッ素樹脂系塗料が1㎡当たおよそ1,000円高いです。

 

17.まとめ


・ガルバリウム鋼板は最も優れている屋根材ではなく、リフォームにおけるコストパフォーマンスに優れた屋根材です。

・塗料の質、塗膜数、再塗装の必要ない材質ものなど、グレードがあります。
お客様の地域特性、ご予算により使用するガルバリウム鋼板をご採択ください。

・ガルバリウム鋼板屋根材の中には、製造国が日本ではなく、輸入販売によるケースがあります。

定額屋根修理は常にお客様の利益に適う正しい情報をご提供することをお約束いたします。

定額屋根修理では屋根に関する様々な情報を記事形式でご案内し、各記事をカテゴリー別に整理しています。
上記カテゴリーから気になるジャンルをご選択ください。