屋根のリフォーム時期やメンテナンスのタイミングについて

全記事 一覧 | 2017.04.20

目次

1.コロニアル(カラーベスト・軽量スレート瓦・化粧スレート)の耐用年数
2.和瓦(陶器瓦)の耐用年数
3.トタン瓦棒屋根の耐用年数
4.成型ガルバリウム鋼板の耐用年数
5.見落とされている屋根本体以外の耐用年数
6.最後に

屋根材にはたくさんの種類があり、それぞれ耐用年数が異なります。
「屋根の寿命はいつ?メンテナンスのタイミングはいつ?」気になる読者の方も多いはずです。
今回は4種類の主要屋根材のリフォーム時期やメンテナンス時期についてお答えします。
各屋根材の詳細や特徴については屋根の種類 各素材のメリットとデメリット【画像付】を参考にしてください。

屋根材のリフォーム時期 メンテナンス時期 寿命

1.コロニアル(カラーベスト・軽量スレート瓦・化粧スレート)の耐用年数

「コロニアル」はケイミュー株式会社から販売されている「化粧スレート」の商品名です。
(※ケイミューは2003年に松下電工とクボタの外装事業部が統合して設立された会社です。)
「コロニアル」は主に新築の戸建て住宅で用いらています。
ケイミューは化粧スレート市場で90%以上のシェアを獲得しており、「コロニアル」はその中の主力商品に当たります。
現在では「コロニアル」は化粧スレート自体を示す一般名詞化しています。
コロニアルは「化粧スレート」の他、「カラーベスト」「軽量スレート瓦」などと呼ばれています。
コロニアルについて詳しくはこちら

1-1.コロニアルのリフォーム時期

コロニアルの耐用年数は25年から30年です。
コロニアルは30年を目安にカバー工法もしくは葺き替え工事の検討がメーカーより推奨されています。
カバー工法について詳しくはこちら
メンテナンスは10年ごとの実施が望まれます。
屋根の状況に応じて、屋根塗装によるメンテナンス工事を検討してください。
屋根塗装の主な目的は美観の維持です。

コロニアル(カラーベスト・軽量スレート瓦・化粧スレート)の耐用年数

1-2.Point

・アスベスト規制が始まった時期に販売された化粧スレートの中には、通常の製品(30年程度)より耐久性能が低いものが流通しています。
ヒビや割れ、ズレなどの不具合が目立つ場合は、早期のリフォーム工事が望まれます。
・化粧スレートにはグレードがあり、耐用年数もそれぞれ異なります。
例えばグラッサコート(特殊塗膜)を用いたコロニアルは色感が長期間キープできるため、通常の製品とリフォームやメンテナンス時期が異なります。
・激しく劣化した状態の化粧スレートはカバー工法ができないため、葺き替え工事を行います。
葺き替え工事は費用や工事日数がかさむため、葺き替えを必要としないタイミングでカバー工法の実施を検討してください。
・特にアスベスト入りの化粧スレートは撤去や処分の費用が高額になるため、カバー工法によるリフォームをお勧めします。

コロニアル リフォーム費用

2.和瓦(陶器瓦)の耐用年数

和瓦(陶器瓦)は耐用年数が長く、全国で最も使用されている屋根材です。
初期費用が高額であることや、重量(耐震性)の問題などがあり、和瓦の使用割合は年々減少しています。
しかし、新築分野では、耐用年数の長さと洋風の住宅にも適合したデザイン(F型瓦)が評価され、人気が高まりつつあります。
和瓦の葺き替え工事についてはこちら

2-1.和瓦のリフォーム時期

和瓦の耐用年数は60年から100年で、全ての屋根材の中で最長です。
破損や飛散した瓦を差し替えたり、葺き直しすることで、長期にわたる使用の継続が期待できます。
また、和瓦は色褪せることがないため塗装の必要がありません。
メンテナンスは台風や地震などの自然災害時に、瓦の破損やズレなどの状態確認を行ってください。
漆喰の剥がれが原因で雨漏りが発生することもあるので、漆喰塗り替えのメンテナンス計画を立てることも大切です。

和瓦(陶器瓦)の耐用年数

2-2.Point

・和瓦を新しく葺く場合や葺き直し、差し替えなどは和瓦工事会社(和瓦職人)に依頼してください。
コロニアル工事や板金工事(金属屋根の工事)と和瓦工事は同じ屋根工事分野でも必要とする技術や職人が異なります。
・旧耐震基準で建築された和瓦の戸建て住宅は、葺き替え(屋根の軽量化)の際に自治体から補助金が支給されます。
・和瓦の葺き替えリフォームでは、軽量でメンテナンス性に優れた金属屋根を用いるのが一般的です。
・和瓦は長寿命ですが、建物の老朽化が進行している場合は、葺き替え工事を検討しましょう。

和瓦は長寿命

3.トタン瓦棒屋根の耐用年数

「トタン瓦棒屋根」はトタンと垂木(たるき)で構成された金属屋根です。
トタンはデメリットが多いため、現在ではトタンの代わりにガルバリウムが用いられています。
ただし、「ガルバリウム瓦棒屋根」としての歴史が短いため、瓦棒屋根自体を「トタン屋根」として示されることがしばしばあります。
瓦棒屋根は軽量かつ初期費用が低額であるため、多くの戸建て住宅で使用されています。
その他、低勾配の屋根や、屋根の上に室外機やバルコニーを設置する際に瓦棒は選択されます。
トタン瓦棒屋根について詳しくはこちら

トタン屋根の耐用年数

3-1.トタン瓦棒屋根のリフォーム時期

トタン瓦棒屋根の耐用年数は15年から20年です。
(ガルバリウム瓦棒屋根の耐用年数は25年から30年です。)
錆止めを含めた塗り替えのメンテナンスを継続して行うことで、耐用年数の長期化が見込めます。
塗装は使用されている塗料によって塗り替えのサイクルが異なります。
塗料の中でも使用頻度が高いアクリル塗料では「5年から8年」ウレタン塗料では「8年から12年」ごとに塗り替えが推奨されています。

3-2.Point

・瓦棒屋根のリフォームやメンテナンスは板金工事会社(金属屋根の工事会社)に依頼してください。
・トタン瓦棒屋根は一度錆が発生すると急速に錆が広がる恐れがあります。
・トタン瓦棒のリフォーム方法は原則、葺き替えです。

トタン屋根の葺き替え

4.成型ガルバリウム鋼板の耐用年数

成型ガルバリウム鋼板はメーカーの工場であらかじめ屋根瓦の形に加工されたガルバリウム鋼板製の金属屋根です。
アイジー工業「スーパーガルテクト」やニチハ「横暖ルーフα」ケイミュー「スマートメタル」などが有名です。
価格も手ごろであり、施工性やメンテナンス性、耐久性が優れていることから、屋根のリフォームでは成型ガルバリウム鋼板が最も多く使用されています。
定額屋根修理の屋根工事でも80%以上が成型ガルバリウム鋼板によるリフォーム工事です。
成型ガルバリウム鋼板屋根について詳しくはこちら

ガルバリウム鋼板の耐用年数

4-1.成型ガルバリウム鋼板屋根のリフォーム時期について

成型ガルバリウム鋼板は30年を目安に葺き替え工事がメーカーより推奨されています。
弊社は平成17年に金属屋根専門の工事会社として創業し、それ以前にも成型ガルバリウム鋼板屋根による施工を行ってきた実績がありますが、現在まで一度も葺き替えを要する成型ガルバリウム鋼板に遭遇したことがありません。
現場感覚では成型ガルバリウム鋼板は30年から40年の耐用年数があると認識しています。
メンテナンスは10年もしくは15年ごとの実施が望まれます。
ガルバリウムはトタンに比べて遥かに耐久性能に優れていますが、錆びや色褪せには注意してください。

4-2.保証期間からみた成型ガルバリウム鋼板

メーカーから推奨されているコロニアルと成型ガルバリウム鋼板のリフォーム時期は同じです。
下記に使用頻度が高い「コロニアルクアッド」と「スーパーガルテクト」を比較します。
コロニアルのカタログはこちら
スーパーガルテクトのカタログはこちら

コロニアルクアッド スーパーガルテクト
リフォーム時期は30年を目安に検討する リフォーム時期は30年を目安に検討する

しかしその一方で、各製品のメーカー保証期間が全く異なります。

コロニアルクアッドのメーカー保証 スーパーガルテクトのメーカー保証
色褪せ 2年(新築のみ) 色褪せ 15年
雨漏り 10年(新築のみ) 赤さび15年 穴あき25年

保証期間に大きな差があるだけではなく、コロニアルで製品保証が認められるのは新築物件だけです。
コロニアルはリフォームで使用する際、製品保証が認めらておりません。
このことからも、リフォーム工事において成型ガルバリウム鋼板の耐久性の優位性を推し量ることができます。

4-3.Point

・成型ガルバリウム鋼板のリフォームやメンテナンスは板金工事会社(金属屋根の工事会社)に依頼してください。
・成型ガルリウム鋼板にはグレードがあります。
例えば、天然石を屋根表面に付着させた製品は塗り替えの必要がないとされています。
塗膜を2層から3層にし、フッ素塗料でコーティングした高品質の製品も販売されています。

ガルバリウム鋼板 色褪せ 塗り替え

5.見落とされている屋根本体以外の耐用年数

屋根のリフォームやメンテナンス時期の判断は屋根本体だけではなく、板金部位と下地部位の耐用年数も考慮しなければなりません。
実際に雨漏りの多くは屋根本体の劣化ではなく、板金部位と下地部位の劣化や施工不良で引き起こされます。

雨漏り部位ランキング

5-1.板金部位の耐用年数

建築物の排水箇所は金属製の雨仕舞板金が用いられます。
屋根でも雨水が集中する部位に板金が取り付けられています。
「谷樋板金」「棟板金」「雨押え板金」「軒先・ケラバ板金」などです。
現在、これらの板金はガルバリウム製ですが、現存する戸建て住宅で用いられている板金の多くはトタン製です。
トタンの耐用年数は15年から20年であり、屋根本体より板金部位の耐用年数が下回る問題があります。
実際に雨漏りの80%以上が「谷樋板金」や「雨押え板金」などの板金部位から発生しています。(弊社調べ)
谷樋板金について詳しくはこちら
「棟板金」は錆で穴が空いたり、釘の保持力が低下することで、風災による飛散リスクもあります。
屋根本体だけではなく、板金部位の定期的なメンテナンス計画も大切です。

尚、屋根全体を成型ガルバリウム鋼板にし、板金部位もガルバリウム製にすることで、屋根の素材が一元化できます。
屋根本体と板金部位の寿命ギャップの問題が解消され、メンテナンススケジュールの組み立てが容易になります。
成型ガルバリウム鋼板でリフォームを実施するメリットのひとつです。

板金部位の耐用年数

5-2.下地部位の耐用年数

屋根本体の下側には「下葺き材」と「野地板」が敷かれています。
この二つの部位の耐用年数は見過ごされているのが実情です。
しかし、この二つの部位は屋根材と同様に注意を払う必要があります。

下葺き材とは雨水の浸水を防ぐシートのことです。
下葺き材は最低限の品質を満たす「アスファルトルーフィング940」が新築及び現存する住宅で多用されています。
製造会社のデータでは「アスファルトルーフィング」の耐用年数は約10年で、施工後8年で品質が大幅に低下します。
耐用年数が10年である下葺き材を使用する理由は単純で、「瑕疵担保責任の10年」を基準にしているからです。
建築会社の立場では、建築後10年の間に雨漏りが発生しなければ良いので、建築会社は「目に見えない」下葺き材は安い製品を積極的に使用します。

野地板とは屋根の下に敷く下地材のことです。
およそ40年程昔の戸建て住宅では、バラ板と呼ばれる幅の狭い板(主に杉)が用いられています。
現在は施工性が良く、強度の高い構造用合板(コンパネ)を野地板として使用します。
構造用合板の耐用年数は約20年ですが、使用する屋根材や屋根を葺く工法によって耐用年数が変わります。
例えば、屋根材と下地材の間に断熱材や空気層がない瓦棒は野地板へのダメージが受けやすいため、他の屋根材より野地板の耐用年数が短い傾向があります。

下地部位の耐用年数

6.最後に

今回は屋根のリフォーム時期やメンテナンス時期について解説しました。
表記の数字はおおよその目安になります。
建築後40年近く経過しても屋根として十分に機能している化粧スレートはたくさんあります。
その一方で10年も経たないうちにボロボロになる化粧スレートがあるのも事実です。
同じ屋根材の中でもグレードがあるため、本来であればリフォーム時期やメンテナンス時期を明確に示すことは簡単ではありません。
建築後10年目や20年目などの節目に、専門業者へ調査と診断の依頼することをお勧めします。
その際、屋根本体に合わせて、板金や下地の状態確認も行ってください。

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