トタン屋根の雨漏り修理やリフォーム工事について

全記事 一覧 | 2017.02.21

目次

1.トタン屋根とは
2.トタン瓦棒屋根のメリットとデメリット
3.トタン屋根のリフォームについてよくある質問
Q1.トタン瓦棒屋根は直接重ね張りできますか?
Q2.塗装について教えてください
Q3.トタン瓦棒屋根から「成型ガルバリウム鋼板屋根」や「スレート瓦(コロニアル)」に葺き替えはできるか?
Q4.何度も修理にしたのに雨漏りが直りません
4.定額屋根修理によるトタン瓦棒のリフォーム例
5.「トタン瓦棒屋根」は「ガルバリウム立平屋根」へ
6.屋根の工事会社は3種類
7.まとめ

トタン屋根は軽量であり、新築も改修も他の屋根に比べて工事費用が低価格です。
下屋根にはバルコニーが設置できることもあり、トタン屋根はたくさんの住宅で用いられています。
しかし、「トタンは現在使われていないこと」や「陶器瓦(日本瓦)と工事職人が異なること」などはあまり知られていません。
この記事ではトタン屋根について詳しく解説します。

トタン屋根の雨漏り修理 リフォームについて

1.トタン屋根とは

下記画像の屋根を私たち専門家は瓦棒(かわらぼう)と呼びます。
凸の突出した部分の中には垂木(たるき)と呼ばれる木の棒が入っています。
「瓦棒」とは板金と垂木を組み合わせた屋根です。
しかし、「瓦棒」の呼び名はあまり認知されておりません。
一般に「トタン屋根」と呼ぶ人が多いです。
金属素材のひとつである「トタン」を用いているからです。

トタン屋根 瓦棒屋根

また、トタンは「亜鉛メッキ鋼板」のひとつであり、正式な建築登記では「亜鉛メッキ鋼板葺き」と表記します。
現在ではトタンを用いることはなく、耐久性やメンテナンス性がより優れたガルバリウム鋼板を用います。
ガルバリウム鋼板で施工された屋根を建築登記では「合金メッキ鋼板葺き」と表記します。
したがって、瓦棒屋根は「亜鉛メッキ鋼板葺き:トタン瓦棒屋根」と「合金メッキ鋼板葺き:ガルバリウム瓦棒屋根」に分けられます。
いずれも「金属屋根」に当てはまります。

トタン屋根のリフォーム 雨漏り修理

2.トタン瓦棒屋根のメリットとデメリット

トタン瓦棒屋根は戦後に大流行しました。
軽量で耐震性が良く、低価格であることが魅力です。
下記にトタン製の瓦棒屋根のメリットとデメリットを示します。

トタン屋根のメリット
日本瓦の1/10の重さで軽量です。耐震性に優れています。
板金と垂木だけで成り立つ屋根であり、広い資材置き場がない住宅密集地でも容易に施工ができます。
日本瓦やスレート瓦よりも緩勾配で施工ができます。
2寸勾配で葺かれることが多く、比較的他の屋根より安全にのぼれます。
新築や改修を含め、工事価格が最も安い屋根の一つです。
上部にバルコニーが設置できます。
トタン屋根のデメリット
最も雨漏りが発生しやすい屋根です。(定額屋根修理の調べ)
トタン屋根は板金職人が葺く工事であり、現場で金属板を切ったり曲げたりして張ります。
職人の工事技術に差が生じます。
錆止めと再塗装など定期的なメンテナンスが必要です。
遮音性が悪く、雨音が強く反響します。
断熱性がありません。
他の屋根材よりも耐用年数が短いです。

トタン瓦棒屋根はデメリットが多いため、主流な屋根には至りませんでした。
しかし、下屋根にバルコニーを設置する場合や屋根の高さに制限がある地域には瓦棒屋根が必要です。
トタンからガルバリウム鋼板に切り替わり、現在の瓦棒屋根の耐久性能は大きく改善しています。
また、断熱塗料や断熱ボード、アルミシート、遮音シートを用いることで断熱性や遮音性の改善が期待できます。

トタン屋根 断熱シート 断熱材 バルコニー トタン瓦棒屋根
瓦棒屋根は板金職人の工事

3.トタン屋根のリフォームについてよくある質問

Q1.トタン瓦棒屋根は直接重ね張りできますか?

理論上では可能ですが、トタン瓦棒屋根の重ね張りを弊社はお勧めしません。

重ね張りとは既存のトタン屋根を下地として活用し、新たに瓦棒屋根を葺く方法です。
「重ね葺き」「二重張り」「カバー工法」「被せ工法」などと呼ばれています。

重ね張りは既存瓦棒の上に直接、下葺き材と新しい瓦棒を張る方法「直接下葺き材張りカバー工法」と、新たに下地を張った上で仕上げる方法「野地板増し張りカバー工法」の二つがあります。
特に「直接下葺き材張りカバー工法」はトタン瓦棒屋根のリフォームではお勧めしません。
リフォームが必要である瓦棒のほとんどは耐久性能が損なわれており、下地としての機能が十分に望めないからです。
二重張りした屋根が捲れあがったり、吹き飛ばされた事例もあります。
雨漏りや大量の錆びが発生しているトタン瓦棒屋根は重ね張りによるリフォームを避けてください。

「野地板増し張りカバー工法」は耐久性の確保ができますが、「葺き替え」と大きく工事金額が変わりません。
したがって、トタン瓦棒屋根のリフォームは葺き替え工事をお勧めします。

トタン瓦棒屋根 葺き替え

Q2.塗装について教えてください

トタンに発生した錆は急速に広がるため定期的なメンテナンスが必要です。
トタン屋根の耐久性は10年前後であり、塗装によるリフォームが求められます。
錆び止めや再塗装を行うことで耐用年数の長期化が期待できます。

トタン屋根の塗装は業者に依頼すると意外と高額です。
ケレン(錆を削り落とす作業)と錆止めは他の屋根塗装にはないため、余分に手間がかかります。
塗装工事費用の80%が労務費です。
屋根全体が錆び付いていてケレンを要する瓦棒屋根は、葺き替え工事をお勧めします。

さびたトタン屋根

Q3.トタン瓦棒屋根から「成型ガルバリウム鋼板屋根」や「スレート瓦(コロニアル)」に葺き替えはできるか?

「成型ガルバリウム鋼板屋根」とは屋根瓦のフォルムにかたどられた屋根材です。
金属屋根メーカーがあらかじめ工場で加工します。
長さが統一されているため施工性は極めて良好な屋根材です。
品質もばらつきがありません。
多くの成形ガルバリウム鋼板には金属の弱点を補うため裏側に断熱材が充てんされています。
メーカーではアイジー工業「スーパーガルテクト」やニチハ「横暖ルーフ」が有名です。
大量に流通しているため、一般的な金属屋根は成形ガルバリウム鋼板のことを示します。

ご質問に対する答えですが、多くの場合で「成型ガルバリウム鋼板屋根」は「トタン瓦棒屋根」から葺き替えができません。
「コロニアル」も同様です。
理由は勾配が不足しているからです。
瓦棒屋根は2寸以下の低勾配で葺かれることが多いです。
メーカーによる必要勾配(多くは2.5寸以上の勾配)の条件を満たすことができません。
低勾配の屋根にコロニアルを葺いた場合、高確率で雨漏りが生じます。
(ただし、一部商品で低勾配用の成型ガルバリウム鋼板屋根があります。詳しくは弊社にお問い合わせください。)

トタン屋根と勾配

Q4.何度も修理にしたのに雨漏りが直りません

業者に依頼して修理を行ったにも関わらず、繰り返し雨漏りが発生するトタン屋根があります。
この原因のひとつに緩勾配(低勾配)があげられます。
屋根の傾きが緩いほど雨水の排水能力が落ち、水が隙間に入りやすく屋根が劣化しやすくなります。
つまり、雨漏りの観点からでは屋根の傾きが急であるほど(急勾配)優秀な屋根と言い換えられます。

雨漏りを改善させるためには緩勾配から急勾配に変更することが最も効果的です。
既存屋根の上に新しい屋根を造作する工事で、嵩上げ(かさあげ)と呼びます。
嵩上げをすることで雨漏りは改善しますが、嵩上げの工事費用は高額であり、屋根工事会社には高い技術力が求められます。

もちろん、定額屋根修理は嵩上げを伴う屋根工事の実績も豊富にあります。
次に定額屋根修理が行ったトタン屋根のリフォーム工事をご紹介します。

トタン屋根の雨漏りは嵩上げ工事を行う

4.定額屋根修理によるトタン瓦棒のリフォーム例

定額屋根修理は金属屋根の専門工事会社です。
トタン瓦棒の葺き替え工事は弊社が最も得意とする工事のひとつです。
トタン瓦棒屋根のリフォーム工事は定額屋根修理にお任せください。

1.足場組立

瓦棒屋根のリフォーム工事例をご紹介します。
既存屋根は建築後約30年が経過したトタン製の瓦棒です。
見積書の提示後、正式にお施主様から工事発注をいただきました。
工事内容は「トタン瓦棒屋根」から「ガルバリウム瓦棒屋根」への葺き替え工事です。
始めに足場を組み立てます。
定額屋根修理によるトタン瓦棒の改修

2.既存トタン瓦棒の撤去

既存のトタン屋根を撤去します。
画像にある木の棒は垂木です。
黒い部分は下葺き材(防水シート)です。
ご覧のように垂木は腐食しボロボロになっています。
垂木と下葺き材も撤去します。
既存トタン屋根の撤去

3野地板張り

下葺き材の下には野地板と呼ばれる木製下地があります。
既存の野地板は経年劣化による影響で再利用することができません。
既存の野地板の上に新しい野地板を重ね張りします。
野地板張り

4屋根本体張り

新しい野地板の上に「新しい下葺き材」を張り、「瓦棒屋根」を葺きます。
素材はガルバリウム鋼板製です。
屋根本体張り

5トタン屋根のリフォーム工事完成です

最後に棟板金を取り付けます。
トタン瓦棒屋根からガルバリウム瓦棒屋根への葺き替え工事完成です。
トタン屋根のリフォーム工事完成

5.「トタン瓦棒屋根」は「ガルバリウム立平屋根」へ

現在、トタン屋根を新たに葺くことはありません。
ガルバリウム鋼板を用います。
しかし、最近では「瓦棒葺き」が「立平葺き」に切り替わりつつあります。
つまり、ガルバリウム立平屋根が主流になりつつあります。
立平葺きとは瓦棒から垂木を取り除いた屋根のことです。
瓦棒との決定的な違いは「現場で加工することがほとんどない」ことです。
極めて短時間で屋根工事が終わります。
ただし、立平葺きを行うには前提条件があります。
立平葺きについて詳しくはこちら

「ガルバリウム立平屋根」

6.屋根の工事会社は3種類

屋根工事会社は大きく3つに分けることができます。
「金属屋根の工事会社」「陶器瓦(日本瓦)の工事会社」「スレート瓦(コロニアル)の工事会社」です。
屋根工事会社であれば全ての屋根に対応できると考えられていますが、これは大きな間違いです。
使用する道具や施工方法が全く異なります。
リフォーム分野か新築分かのフィールドも異なります。
金属屋根の工事はリフォーム分野でコロニアルの工事は新築分野です。
各会社の工事技術には大きな差があります。

しばしば日本瓦葺き工事会社がトタン瓦棒屋根(金属屋根)のリフォーム工事を請け負うケースが見かけられます。
特にインターネット上ではこの傾向が顕著です。
昔から瓦棒屋根は板金工事の会社が行う工事です。
低い工事価格で高い工事品質を望まれる施主様は板金屋根(金属屋根)の専門工事会社に依頼してください。

屋根の工事会社

7.まとめ

・屋根建材の「トタン」は現在では使用されていません。「ガルバリウム」を用います。

・屋根の表面が凸凸凸している屋根は「瓦棒」と呼びます。

・「瓦棒」は低価格の工事費用で施工性が良い屋根です。

・「瓦棒」はデメリットもたくさんあります。

・「瓦棒葺き」から「立平葺き」が主流になりつつあります。

・「トタン」屋根のリフォーム工事は金属屋根の工事会社が手がけます。

・低価格で高品質の瓦棒屋根のリフォーム工事は「金属屋根を専門にする工事会社」に依頼しましょう。

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