コロニアルの耐用年数 耐久性とメンテナンス

全記事 一覧 | 2016.11.02

目次

1.コロニアルの耐久性と塗装の必要性
2.コロニアルとは
ニューコロニアル/コロニアルNEO(ネオ)/コロニアルクァッド/コロニアルグラッサについて
3.コロニアルと石綿(アスベスト)
4.色あせによる機能低下
5.耐用年数とメンテナンス時期
6.まとめ

「コロニアル」は新築住宅で最も使われている屋根です。
そのため、経年劣化したコロニアルのリフォーム工事に関するご相談を弊社でも多くいただいています。
このページではコロニアルの耐久性や塗装のメンテナンス時期などを解説いたします。
※コロニアルはケイミュー株式会社の商品名ですが、一般名称になりつつあるため弊社では薄型スレート瓦をコロニアルと統一して表現しています。(例:エスカレーターは米国のオーチス・エレベータ社の商品名ですが一般名称は階段式昇降機です。)
※質問内容に対する回答や解説、記載内容は責任問題になりかねますので断言きません。
実務経験からの印象と私見になりますのであらかじめご了承ください。

コロニアル屋根のリフォーム時期 耐久性

1.コロニアルの耐久性と塗装の必要性

まずはじめにコロニアルに関し、よくお客様からいただく質問を二つ取り上げます。
後述に回答の詳細がありますので、合わせてご確認ください。

1-1 質問1 「コロニアルの耐用年数は?

回答「メーカーが作成したメンテナンス・スケジュール表からは約30年と判断できます。私どもの主観的な見解は30年から35年です。

補足:コロニアルには種類があり品質も様々であり、耐用年数は商品ごとに異なります。
実際に10年前の製品より30年前の製品の方が高い耐久性をもつケースがあります。

1-2質問2「コロニアルに塗装を行う目的は?

回答「コロニアルで塗装を行う主な目的は美観と品質の維持です。尚、メーカーが作成したメンテナンス・スケジュール表からも塗装は必須事項として表記されていません。

参考:ケイミュー 屋根材の維持管理 2016年カタログP64

コロニアルの耐用年数と耐久性

2.コロニアルとは

2-1 コロニアル・カラーベスト・スレート瓦の違い

コロニアル」は「カラーベスト」や「スレート瓦」など呼ばれることもあり、統一されていません。
厳密にはそれぞれ異なるものですが、どの名称も同じ意味と解釈いただいて問題ございません。
下記に具体的な違いについて解説します。

2-1-1.スレート瓦

スレート瓦はセメントや粘土などを基材にした瓦のことです。
コロニアルは薄い板のスレート瓦に分類され、「薄型(化粧)スレート瓦」とも呼ばれます。
一方、厚いスレート瓦は「厚型スレート瓦」と呼ばれ、代表的な商品にルーガ(ROOGA)があります。
スレート瓦の歴史は古く、昔の主成分が石綿(アスベスト)であったため「石綿スレート瓦」とも呼ばれていました。
そのため、「スレート瓦=アスベスト」のイメージが定着しています。
もちろん、現在ではアスベストの使用は禁止されていますが、スレートという呼び名にネガティブなイメージがあったため、スレート瓦の呼び名は「カラーベスト」や「コロニアル」などに置き換わるようになります。

2-1-2.カラーベスト

メーカーはアスベストが含有していないスレート瓦を販売開始しました。
これが「カラーベストシリーズ」です。
「カラーベストシリーズ」には品質や形状ごとに複数の商品ラインナップがあります。
したがって、カラーベストとはアスベストが含有していない薄型スレート瓦のシリーズ名を示します。
ケイミュー株式会社カラーベスト一覧

2-1-3.コロニアル

カラーベストの中で、最も人気が高く、多く使用されているのが「コロニアル」です。
「コロニアル」はケイミュー(旧クボタ松下電工外装株式会社)が販売する屋根瓦の商品名・ブランド名を示します。

 

2-2 コロニアルが普及した理由

現在、新築の住宅で最も使用されている屋根材がカラーベストシリーズのコロニアルです。
登場以来、爆発的に普及した原因に下記があげられます。

  • 他の屋根材より安価
  • 工期が短い/施工が簡単
  • 粘土瓦より軽量
  • カラーバリエーションが豊富
  • 太陽光発電装置が設置可能

コロニアルはセメント基材とパルプ繊維の強固な結合で生み出された素材でできています。
昔はパルプ繊維の代わりに石綿(アスベスト)が使用されていました。
現在は石綿に代わる補強用の超微粉末材により、強い粘りと耐久性が認められています。
ただし、他社の製品を含めアスベスト規制直後の時期に販売されたスレート瓦には不具合報告の多い商品があります。

 ノンアスベストスレート瓦

 

2-3.代表的なコロニアル

ケイミュー(旧クボタ・松下)から販売されている代表的なコロニアルをピックアップしてご案内します。

2-3-1.ニューコロニアル

製造時期:昭和54年から平成13年
メンテナンス時期:定額屋根修理では建築後30年から35年目にカバー工法によるリフォームを実施するケースが多いです。
アスベスト含有されている代表的なコロニアルです。
アスベストが含まれているため耐久性は極めて強く、建築後30年を経過し塗装を行わずとも機能を維持している屋根はたくさんあります。
メンテナンスを行っていない屋根の場合、たくさんのコケが繁殖する傾向があります。
耐久性があるとはいえ劣化が進行するとカバー工法ができなくなり、ニューコロニアルを撤去・処分する必要があります。
アスベスト含有コロニアルの撤去費や処分費は高額です。
葺き替えを避けるためにも、早期によるカバー工法リフォームの実施をおすすめいたします。
ニューコロニアルの施工事例はこちら

ニューコロニアル

2-3-2.コロニアルNEO(ネオ)

製造時期:平成13年~(現在は製造中止)
メンテナンス時期:定額屋根修理では建築後20年目にカバー工法によるリフォームを実施するケースが多いです。
コロニアルNEO(ネオ)はアスベスト規制直後に販売されたコロニアルです。
ニューコロニアルの後継品になりますが、アスベストが含有されていない屋根であるため、劣化の進行が早い印象があります。
具体的には屋根先(1cmから2cm)部分の変色や毛羽立ち、屋根表面に細かなヒビが建築後10年を過ぎたあたりから目立ち始めます。
ただし、他のアスベスト規制直後に販売された屋根の中において、コロニアルNEO(ネオ)の不具合報告は比較的少ないです。
そのため、不良品であると断定できるかについては専門家の中でも意見が異なります。
コロニアルNEO(ネオ)の施工事例はこちら

コロニアルNEO(ネオ)

2-3-3.コロニアルクァッド

製造時期:現在製造中
メンテナンス時期:メーカーカタログでは建築後30年が目安
新築住宅、建売住宅では「コロニアルクァッド」が最も多く使用されています。
そのため、現在ではコロニアルと呼ばれる商品はコロニアルクァッドを示すことになります。
毎回思うのですが、クァッドって呼び辛いですよね。。。
コロニアルクァッドの施工事例はこちら

2-3-4.コロニアルグラッサ

製造時期:現在製造中
メンテナンス時期:メーカーカタログでは建築後30年が目安
コロニアルクァッドのハイグレード商品です。
「グラッサコート」と呼ばれるケイミュー独自の塗装技術を用いた色あせしにくいコロニアルです。
「グラッサコート」は長期間にわたり塗膜が保護されるのが認められています。
コロニアルクァッドと比べ保証期間も長く設定されています。

参考:ケイミュー 屋根材のメンテナンス

コロニアルグラッサの特徴 屋根

3.コロニアルと石綿(アスベスト)

3-1.戸建て住宅のほとんどが石綿スレート

現在ある戸建て住宅のスレート瓦のほとんどが石綿スレート瓦です。
株式会社クボタ、松下電工株式会社で販売されたアスベストを含む屋根材一覧

日本の建築材で使用されているアスベスト全体の64%以上は石綿(アスベスト)スレート瓦です。(1982年調べ)
法規制が強化されたのは平成18年9月1日です。
平成24年の改定で、従来の1%以下の含有規制から、アスベストは一切の使用が禁止されました。

平成18年以前に新築もしくは増築された住宅の屋根は石綿(アスベスト)が含有されている可能性があります。
平成18年時点で500万戸のうち400万戸が石綿スレート瓦を使った屋根と言われています。

 

3-2.健康被害について

現在流通している石綿スレート瓦のほとんどは非飛散性です。
硬化しているため、アスベスト粒子が飛散することはありません。

ただし、雨漏りなどの実被害や、経年劣化が目視で確認できる場合、そこからアスベストを含む粒子が周囲に飛散することは考えられます。
このことが健康被害に影響するかは科学的には分かっておりません。

 

3-3.石綿スレート瓦のメンテナンス

石綿スレート瓦のメンテナンス方法は主に2つあります。

3-3-1.解体処分

一つ目は既存の石綿スレート瓦を解体処分する方法です。
ただし、石綿スレート屋根の解体処分は高額な費用がかかる上、作業できる業者も限定されています。
解体する業者には「石綿作業主任者」や「特別管理産業廃棄物管理責任者」 、「アスベスト診断士」などの資格が必要です。
産廃処理業者には「マニフェストの作成」や「登録免許」が必要です。
したがって、アスベスト含有のコロニアルを解体処分するには工事費用や工事期間などに影響を及ぼすため、ほとんど行うことはありません。
尚、定額屋根修理は有資格業者です。

定額屋根修理によるコロニアル葺き替え

3-3-2.カバー工法(封じ込め)

二つ目が既存のコロニアルを残したまま金属屋根を重ね張りする(カバー工法)方法です。
コロニアルの上に金属屋根を葺くことで、アスベストが含有されているコロニアルを丸々封じ込めます。
耐久性と軽さを兼ねた金属屋根だからこそできる工法で、現在、最も主流なコロニアルのリフォーム方法です。
カバー工法についてはこちらをご覧ください。
コロニアルを解体処分することが最も良いのは言うまでもありませんが、工事費用や工事期間を考えた場合はカバー工法を選択することをおすすめします。

カバー工法(封じ込め)

 

4.色あせによる機能低下

4-1.色あせによる機能低下とメーカー保証

コロニアルの色あせによる機能低下についてしばしば議論が交わされます。
結論ですが、色あせは美観の問題であり、色あせが原因で屋根本来の機能が失われることはありません。
メーカーのカタログ(2016屋根材総合カタログP64)にも「塗装は美観の改善を必要とする時」と記載があるだけです。
つまり、塗装を行うことで雨漏りが防止できたり、品質が向上することはないと読み取ることができます。

コロニアルクァッドを新築で使用した場合の保証期間は下記の通りです。
①室内の雨水侵入保証:10年
色感の著しい変化保証:2年
色あせ保証が短すぎると思いませんか?
わずか2年です。
このことはコロニアルが色あせる前提で製造された商品であることに他なりません。

コロニアルの塗装メリットを強く勧める会社もあります。
たしかに、塗装をすることで塗膜剥離を抑え屋根の品質を維持できることは考えられます。
しかし、30年だったコロニアルの寿命が40年に延びるなどのデータを示すエビデンスはどこにもありません。

このことを指摘している塗装会社も存在します。
曾根塗装店 カラーベストコロニアル屋根の塗替えは必要か?
電車の車窓(ちなみに私は中央線ユーザーです。)を眺めていると色あせやコケが生えたコロニアルが数え切れないほどたくさんあります。
多くの屋根が雨漏りもなく屋根の機能をしっかりと果たしているの現実です。

4-2.コロニアルの防水機能

コロニアルに限らず、基本的に屋根は雨水を防ぐ機能と同時に、排水する機能があります。
何らかの原因で雨水が屋根の内部に浸水した場合、雨水の逃げ道が必要となります。
そのため、コロニアルも瓦屋根にも隙間があるのです。
しかし、ゲリラ豪雨のような強烈な雨が発生した場合、屋根が水の流す能力を超え、逆流した雨水がコロニアル内部に浸水します。
この場合、最終的に雨漏りを塞いでくれるのが下葺き材であるルーフィングシートです。

防水には1次防水と2次防水の考え方があります。
コロニアルなどの仕上げ材は1次防水であり、ルーフィングシートは2次防水です。
また、1次防水材は2次防水材を保護する役割もあります。
このメカニズムが成り立つことで屋根の防水機能が守られています。

ルーフィングシート

4-3.ルーフィングシート(防水シート)

ルーフィングシートが丈夫であれば、雨漏りの心配はありません。
「屋根の寿命=コロニアルの寿命=ルーフィングシートの寿命」と考えることもできます。
しかし、このルーフィングシートは住宅の建築現場ではあまり重視されていません。

瑕疵責任の観点から10年保てば良いからです。
仕上げの屋根の下に敷かれる目に見えない建材であるため、建築主自身も注目しないことも原因としてあげられます。
大手メーカーの田島ルーフィング製品だけでも18種類ありますが、実際に使用されるのは最も廉価な「アスファルトルーフィング」(アスファルトルーフィング940)です。
もし、これから新築で屋根を葺く予定や屋根のリフォームを検討されている読者の方は高い耐久性のルーフィングシート、「改質アスファルトルーフィングシート」以上の品質をもつ製品を使用してください。
アスファルトルーフィング(防水シート)の重要性についてはこちら

ルーフィングシートの劣化状況は屋外からは判別ができません。
屋根裏から破れや雨染みの有無を目視することで、シートの劣化状況が確認できます。
ルーフィングシートが激しく劣化している状況であれば、早期に屋根の葺き替えもしくはカバー工法を実施することをおすすめします。

ルーフィングシート(防水シート)の破れ

4-4.カバー工法が行えないコロニアル

カバー工法の方法は2つあります。
最も費用を抑えて行う方法は、既存コロニアルの上に直接ルーフィングシート張り、仕上げの金属屋根を張る方法です。
「直接下葺き材張りカバー工法」と呼びます。
一方、既存コロニアルが劣化しており下地として機能しない場合があります。
その場合はコロニアルの上に新しい野地板(下地)を張り、その上にルーフィングシートと金属屋根を張ります。
「野地板重ね張りカバー工法」と呼びます。
野地板を張る材料費や手間が発生するため工事費は値上がりします。

コロニアルの腐食や反りが激しい場合や雨漏りが酷い場合はカバー工法自体が行うことができません。
コロニアルを解体処分し新しい屋根を葺き替えることになります。
この場合の工事費用は更に高額になります。

つまり、カバー工法ができる間にカバー工法によるリフォームを実施するスケジュール管理が極めて重要になります。

直接下葺き材張りカバー工法野地板重ね張りカバー工法

5.耐用年数とメンテナンスの時期

メンテナンス・スケジュールの管理方法は2つあります。
「年月」と「目視」による方法です。

5-1.年月によるメンテナンス

ケイミューのホームページではコロニアルクァッドの耐用年数は20年から30年を目安としています。
10年に1度、屋根の部分補修メンテナンスを推奨しています。
30年を超えたコロニアルは寿命とみなし、葺き替えを含め屋根工事会社に相談することをメーカーは推奨しています。

※下記は弊社の経験による主観的な印象です。
弊社の経験上では、アスベストが含有されたコロニアルの場合は相当な悪環境でない限り30年から40年は耐久性は保たれる印象があります。
しかし、アスベスト規制直後に販売されたノンアスベスト製品の場合は建築後20年程度でカバー工法によるメンテナンスを一度ご検討ください。
中には施工後7,8年でボロボロになる屋根も存在します。
アスベスト規制直後に販売された屋根はおおよそですが、平成6年から平成18年頃に製造された屋根です。
10年前まではノンアスベスト製品をリフォームする機会はほとんどありませんでしたが、近年、急増しています。
尚、コロニアルクァッドはノンアスベスト製品の問題から時を経て改良販売された屋根であるため、メーカーのアナウンス通り30年程度の耐久性はあると推測できます。

5-2.目視によるメンテナンス

コロニアルの劣化状況を目視により確認することができます。

下記は住宅産業協議会のスレート瓦の劣化フローです。
【出典】住宅産業協議会による部位ごとのメンテナンススケジュール表

コロニアルの劣化状況表

コロニアルの劣化状況を3つのステップで分別しています。
いずれも屋根の上にのぼり、外部から確認できます。

5-2-1. 現象1 色あせ(チョーキング)

紫外線や雨水、寒冷などの影響により塗料がチョーキング(手で触れるとチョークの粉のようなものが発生する)を起こします。

5-2-2 現象2 塗膜剥離

塗膜劣化の進行により、基材表面も劣化し塗膜の表面が剥がれます。

5-2-3 現象3 基材湿潤

塗膜剥離を放置することにより、基材に水分がしみこみます。
最終的には基材が膨張し破壊へとつながります。
基材湿潤の段階まで進んだコロニアルは著しい反りや強度不足の状態になっている恐れがあります。
この場合はカバー工法によるメンテナンスができず、葺き替えが必要になりますので注意が必要です。

コロニアルの葺き替え

6.まとめ

・コロニアルやカラーベスト、スレート瓦などの呼び名がありますが、ほぼ同じ意味であると認識いただいて問題ありません。

・コロニアル塗装の主な目的は品質と美観の維持です。

・コロニアルの耐用年数(寿命)は30年から35年であると考えられます。ただし、耐久性は商品ごとに大きく異なります。

・最終的に雨漏りを防ぐのはコロニアルの下に敷かれているルーフィングシート(下葺き材・防水シート)です。

・平成18年以前のコロニアル(スレート瓦)は石綿が含まれている可能性があります。

・アスベスト未使用のスレート瓦の中には、不具合報告が多い商品が流通しています。

・アスベスト含有コロニアル(スレート瓦)の改修工事は「石綿作業主任者」・「特別管理産業廃棄物管理責任者」・「アスベスト診断士」の資格をもつ屋根工事会社に依頼してください。

・アスベスト含有コロニアルの対策として屋根カバー工法による封じ込みは多くの識者から認められています。

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