シーリング材の選び方【屋根・外壁の雨漏り補修】

ブログ | 2016.10.27

目次

1.シーリング材による補修や雨漏りの応急処置
2.シーリング剤の補修や応急処置がNGな部位
3.シーリングとコーキングの違いと種類
4.迷ったらとりあず、これ!「POSシール」
5.シーリングの打替え工事事例
6.メンテナンス・スケジュールとDIYについて
7.定額屋根修理のシーリング工事
8.まとめ

ホームセンターに行くと、たくさんのシーリング材が立ち並んだ売り場が必ずあります。
あまりにも種類があるので、正直どれを選べばいいのか迷います。
このページでは、屋根と外壁のシーリング補修に関する内容と、定額屋根修理のスタッフが厳選したおすすめのシーリング材をご紹介させていただきます。
今回の記載内容はおもに補修、応急処置に関するものです。ご理解いただいた上で参考にしてください

ホームセンターのシーリング売り場

1.シーリング材による補修・雨漏りの応急処置

シーリング材は屋根と外壁の補修や応急処置ができる万能薬です。
シーリング材を使用する主な目的は3点あります。
ひとつは、「緩衝」です。
外壁の目地材としてシーリング材が使用されます。
地震などの建物揺れが生じた際、目地が地震の動き追随してくれます。
ふたつめは、「接着」です。
棟の板金などを接合する際に使用します。
そして最後に「穴埋め」です。
屋根や外壁の補修、雨漏りの応急処置で使用します。
建築工事にはシーリングは欠かせないいものであり、私たちもあらゆる場面でシーリングを多用します。
次にシーリング材でできる補修や応急処置の具体例をお示しします。

補足:シーリング工事を行う際、シーリングを「塗る」ではなく「打つ」といった表現をします。
シーリング工事は「コーキングガン」と呼ばれる銃のようなものでシーリング材を押し出して施工するからです。

コーキングガン

1-1.コロニアルの「カケ」や「ヒビ」を補修

カケたコロニアルを接着補修することができます。
1mm以上の隙間があいた場合のヒビにも有効です。
ただし、ヒビが無数にある場合は既に屋根の寿命が来ていると判断できます。
また、屋根材自体が最初からぜい弱である製品(ノンアスベスト製品に多いです)があります。
この場合、シーリング材による応急処置的な補修では大きな効果が望めません。
できるだけ早期にカバー工法や葺き替えなどの根本的な改修工事をおすすめします。
屋根の状態や品質を十分に検証することが大切です。
おすすめシーリング材・・・「POSシーリング」

シーリングによるコロニアルの補修text8090-2-33-9-0-2-6-9-6-6-1-9-7-5-3-6

1-2.屋根瓦の「カケ」や「ヒビ」を補修

瓦屋根のカケやヒビの補修に用います。
瓦は主に「陶器」と「セメント」に分類されます。
シーリング材には万能タイプと素材性質に適合したタイプの製品があります。
もちろん、陶器瓦であれば陶器専門のシーリング材が適していますが、万能タイプの製品でも十分な効果は期待できます。
費用対効果が高く、保存も容易な「瓦用パテ」もおすすめです。
シーリングは保存期間が約1年であり、開封後の長期保存は品質低下を招きます。
ただし、パテはコーキングガン用いることができないため施工性が悪い欠点があります。
高所の作業になるので、コーキングガンを使用するシリコン(樹脂)製などのシーリング材がおすすめです。
おすすめシーリング材・・・「瓦用シリコーン」

瓦をシーリングで接着セメダイン 瓦用コーキング

1-3.屋根の「ズレ」や「ウキ」を補修

日本瓦のズレを修正するには葺きなおしが原則です。
瓦の下には桟と呼ばれる木材に瓦を引っ掛けて固定させます。
しかし、実際に葺きなおしは大きな手間になり時間と費用がかかります。
そのため、台風などで瓦が飛ばされないようシーリング材で固定させることがあります。
ラバ―ロックとも呼ばれます。
コロニアルやアスファルトシングルの「ウキ」にも有効です。
おすすめシーリング材・・・「シリコンシーラント8060プロ」

瓦のずれをシーリングで補修アスファルトシングルをシーリングで補修

1-4.金属板金の雨漏りを直す

金属屋根は錆の穴を埋めるために使用します。
ガルバリウム鋼板の登場で金属屋根は「屋根の主流」になりつつありますが、20年以上昔の屋根はトタン(亜鉛メッキ鋼板)で水に弱く、錆による穴あきがしばしば発生します。
金属屋根は表面の温度が80度を超えるため、耐熱性の高いシーリング材が好まれます。
テープで補修するのも効果的です。
おすすめシーリング材・・・「金属用シールS585HF」

金属屋根をシーリングで補修金属用シール

 

1-5.天窓・サッシからの雨漏りを直す

天窓から雨漏りが生じる原因は室外側シーリングの穴によることが多いです。
シーリング材で穴を塞ぐことで雨漏りが改善します。
穴は打替えではなく、増し打ちで行います。
サッシ回りも同様です。
おすすめシーリング材・・・「シリコンシーラント8060プロ」

天窓をコーキング材で補修サッシ回りのコーキング工事

1-6.外壁との取り合い部の隙間を埋める

「外壁と屋根」との取り合い部(接合部)は極めて雨が侵入しやすい部位です。
ただし、「サイディング壁と屋根」との取り合いの隙間を塞ぐと雨漏りが悪化する恐れがあります。(後述)
おすすめシーリング材・・・「シリコンシーラント8060プロ」

パラペット屋根のコーキング工事屋根と外壁のコーキング工事

1-7.棟板金を接合する

棟板金を結合させる時にシーリング材を使用します。
頂部を釘で打つ(脳天打ち)のは雨漏りの原因になるため絶対に行ってはいけません。
おすすめシーリング材・・・「シリコンシーラント8060プロ」
棟板金のシーリング工事1棟板金のシーリング工事2

1-8.外壁の「ヒビ・クラック」を直す

外壁のヒビ割れをシーリング材で補修します。
「サイディング壁」と「モルタル壁」で推奨されるシーリング材が異なります。
一般的に「サイディング壁」ではパテ「モルタル壁」では樹脂製シーリング(コーキングとも呼びます)材を使用することが多いです。
パテとシーリング、コーキングの違いについては後述に解説します。
外壁の種類やヒビの幅、挙動の有り無しなどで、補修方法が異なります。
補修方法は、こちらの外壁のヒビ補修の工法が役に立つので参考にしてください。
おすすめシーリング材・・・サイディング壁「ワンタッチ サイディング雨もれ防止補修材 」・モルタル壁「POSシーリング」

外壁のヒビ外壁のクラック補修2

1-9.目地として外壁材を接合する

「サイディング壁」の目地材として使用します。
外壁目地のリフォームは既存のシーリング材を取り除き、新しいシーリング材で打替えします。
おすすめシーリング材・・・「POSシールLM」

外壁目地のコーキング1 外壁目地のコーキング2

2.シーリング材の補修や応急処置がNGな部位

シーリング材は使いやすく、便利です。
そのため、隙間があるところであればどんなところでも埋めたくなります。
しかし、埋めたばかりにかえって雨漏りが発生したりするなど、逆効果になることがしばしばあります。
主な原因は排水部位をシーリング材で塞いでしまうことです。
またシーリング材を打つことで、通気性が悪化し、中の下地材や構造材に悪影響を及ぼすこともあります。
下記に、シーリング材の使用がNGな部位をご紹介します。

2-1.屋根の横軸方向

コロニアルや日本瓦の横軸方向の隙間にシーリング剤を充填することは、やめましょう。
コロニアルや日本瓦は雨を防ぐとともに、排水する構造になっています。
水を排出する隙間を塞いでしまうと、万が一雨水が侵入した場合に雨水の逃げ道が無くなります。
最終的に雨漏りが発生します。
雨漏りを修繕するため、全面的にシーリングを充填したり、防水塗料を塗ったら更に雨漏りが悪化したといった話はよく聞きます。
ただし、雨漏りが発生している部位が明らかで、局所的にシーリング補修するのは効果的です。

シーリングによる雨漏り補修

2-2.通期工法の外壁と下屋根の隙間

(金属・窯業)サイディング壁と屋根の取り合い部にシーリング剤を充填すると、雨漏りが悪化することがあります。
サイディング壁は通気層を設けています。
通気層は壁の中の湿気を放出するとともに、雨水を排水する役割も担っています。
室内の壁から雨漏りが発生し、慌ててここの部位を疑いシーリング剤で充填した結果、かえって雨漏りが悪化した事例があります。
もちろん、外壁と屋根の取り合い部の接合不良により雨水が入り込むことは考えられますが、外壁通期工法の住宅はシーリング材を打つ前に充分な検証を要します。

屋根と外壁の隙間を充填する

 

2-3.瓦屋根の漆喰部分

日本瓦の棟の土台にあたる部分は面土と呼ばれ、通常、漆喰で塗り固められています。
この面土をシーリング剤やモルタルで充填するのはやめましょう。
漆喰は通気性能がありますが、シーリング材やモルタルは通気性能がありません。
屋根裏は水蒸気が溜まりやすく棟下地は湿気の影響を最も受ける部位です。
通気が悪くなりため湿気に弱い棟下地は腐食しやすくなります。

漆喰とシーリング コーキング

 

3.シーリングとコーキングの違いと種類

シーリング材の種類について解説いたします。
シーリング材は多くの種類が準備されており、適材適所に使用する必要があります。
中にはサイディングメーカー専用などのシーリング材もあり、用途が細分化されています。

3-1.シーリングとコーキングの違い

「シーリング」や「コーキング」など、業者や職人ごとに呼び名が変ります。
私たちも他社様との見積り項目で名称が異なり、お客様にご指摘いただくことがしばしばあります。
結論を申しますと、どちらの名称も同じ意味と解釈いただいて問題ございません。

ただし、「シーリング」と「コーキング」を区別して解説した方が分かりやすいため、違いを解説します。
建築業界では「緩衝」や「接着」、「穴埋め」などをシーリング材で行う工事全般を「シーリング工事」と呼びます。
一方、「コーキング」はシーリング工事分野の中で油性(現在は樹脂が主流)の充填剤を使用した場合に用います。
代表的なものに「ウレタン」や「シリコン」、「変成シリコン」などを主成分にした製品があげられます。
これらはコーキングガンを使用して施工します。
コーキング材は「表面は硬化しているが中身が柔らかい性質が」特徴です。
大雑把に言うと、ブヨブヨしたゴム製のもので穴埋めなどをする場合に「コーキング」という名称を使用します。
このことから、油性(樹脂)の充填材はコーキング材であり、かつシーリング材の一種になります。

表面が硬く中身も硬いシーリング材があります。
代表的なものにパテがあげられます。
パテは凸凹した面を平らにする場合に用います。
パテはシーリング材の一種ですが、コーキング材には該当しません。

3-2.コーキング材の種類と強度

耐久性能ではシリコン系が最も高く、変性シリコンよりも安価です。
ただし、シリコン系は上に塗料がのりません。
塗料を使用する場合は変性シリコンもしくはウレタン系を使用します。
ウレタン系は塗装が必須です。
変性シリコン系には「ブリードタイプ」と「ノンブリードタイプ」があり、塗装をする場合は「ノンブリードタイプ」が施工後の仕上がりが良好です。

コーキングタイプのシーリング材の耐久性
油性系(ポリコークが有名)<ウレタン系<変性シリコン系<シリコン系

ポリコーク

3-3.1液性と2液性のシーリング材

シーリング材には1液型と2液型があります。
1液型は単材で使用し、2液型は2つの溶剤を混ぜて使用します。
性能は大きく異なりません。
しかし、1液型は333mlと少量であり、筒状のカートリッジタイプになっているため取り換えが面倒です。
そのためマンションなど、たくさんシーリング材を使用する現場では2液型で施工します。

1液型シーリング材はプライマーが未使用でもある程度接着はします。
しかし、安定した接着性を保つためにはプライマーは必要です。
2液型シーリング材は必ずプライマーを使用します。

シーリング プライマー

3-4.建材メーカーが取り扱う専用シーリング材

シーリング材は屋根や外壁工事にはなくてはならないものです。
そのため、屋根材メーカーや外壁材メーカーが商品ごとに専用シーリングを取り扱っているケースが少なくありません。
商品の性質や色に合わせて製造しているため、使用している屋根や外壁材に最も適したシーリング材であると言えます。

また、外装材メーカー最大手のケイミューなどは独自に外壁シーリング材を販売までしています。
スーパーKMEWシール」です。
30年以上、ヒビ割れがなく、色あせもしにくい「超耐久」が特徴のシーリング材です。
高額ですが業界内でも評判のいいシーリング材です。

その他、ガルバリウム鋼板屋根専用や雨樋専用など使用箇所に応じ、様々なシーリング材があります。

雨樋用シーリング材 接着剤

4.迷ったらとりあず、これ!「POSシール」

使用部位ごとにシーリング材を購入していたらお金も保管も大変なことになります。
そこで、万能で高いパフォーマンスのシーリング材をご紹介します。
POSシール/セメダイン社 変成シリコーン系シーリング材
変成シリコンシーリングでありながら色が10種類、用意されています。
■内外装の各種目地(防カビ性付与)■内外装の各種目地(防カビ性付与)■高耐久性

POSシーリング

 

5.シーリング材の打替え工事事例

外壁サイディング目地の打替えの手順をご紹介いたします。

5-1.既存目地を撤去する

既存の目地を取り除きます。
シーリング材を簡単に除去する溶剤はなく、一般的にはカッターやペンチなどを利用します。
劣化していないシーリング材は手で引っ張るだけで綺麗に取れることがあります。

外壁の目地打ち 打替え工事

5-2.マスキングテープを貼ってプライマーを塗る

マスキングテープを貼って、プライマーを塗ります。
外壁の目地にプライマーを塗る

5-3.シーリング材を打ち

ボンドブレーカー(目地底に貼るシール)を貼り、シーリング材を充填させます。
外壁の目地にシーリング材を充填

5-4.ヘラでシーリング材を整える

充填後、ヘラでシーリング材表面を平滑にさせます。シーリング材をヘラで整える

5-5.シーリング工事完成

最後にマスキングテープを剥がして完成です。

シーリング工事完成

 

6.メンテナンス・スケジュールとDIYについて

モルタルやサイディングの外壁にはひび割れ(クラック)がつきものです。
特にモルタルの外壁には顕著に生じます。
むしろ、街中でクラックのない家を探すことの方が難しいです。
ひび割れの亀裂の幅や深さにより、シーリング材メーカーから改修時期の基準が設けられていますが、今すぐ工事を行うべきかは専門家の意見に相違があります。
確かに、教科書やマニュアル通りに改修スケジュールを組み、メンテナンスを行うことは住宅を長く利用する上で大切なことです。
しかし、実際に50年以上メンテナンスをせずクラックだらけであっても、住居として最低限の機能を果たしている家はたくさんあります。
シーリングの寿命はおよそ10年と言われていますが、たとえ建築後10年以上を過ぎていたとしても、初期のヒビ割れが原因で建物が倒れるリスクはないでしょう。

これはシーリングのDIYに当てはめても同じです。
屋根や外壁のDIYをきっぱりと否定する専門家の方もいます。
屋根や外壁などの高所で作業するのはとても危険です。
しかし、実際にはお金がなかったり、台風が近づいていたり地震の直後で必要に迫られているなどの諸事情があるはずです。
私も素人の人がDIYで作業するのは絶対におすすめしませんが、DIYによる応急処置で雨漏りが改善したのであればそれはそれで良いことであるのは間違いありません。
無駄な出費がないことは幸せなことです。

お客様にお伝えしたいのは、二元的に白黒ハッキリ分けるのではなくグレーな感覚をもつのも必要ではないかということです。

例えば、シーリング工事は足場の組み立てが必要です。
施工内容によってはシーリング工事よりも足場工事の費用が高額になることもあります。
足場の工事費用を抑えるために、屋根工事や外壁工事を実施するタイミングまでシーリング工事を「先延ばし」するのも一つのアイデアです。
同時に行うことで工事期間も短縮できます。

「先延ばし」をすることで雨漏りが悪化したり、構造物が劣化するリスクは高まりますが、「先延ばし」することで結果的に良かったというケースは少なくありません。
インターネットの世界においてもリフォーム会社による不安を煽るような過度なアナウンスが目立ちます。
ご自宅の状態を十分に検証した上、シーリング工事のメンテナンススケジュールをお考えください。

 

シーリング工事と架設足場

7.定額屋根修理のシーリング工事

シーリングは塗装工事会社だけではなく、板金工事会社も専門としています。

定額屋根修理は板金屋根工事と板金外壁(サイディング)工事を中心に成長してきた会社です。
しかし、塗装やシーリングの工事技術も必要になります。、
屋根や外壁の板金工事だけをしても、お客様から最大限の満足をいただくことができないからです。

例えばサイディング工事を行う場合、サッシや戸袋、玄関ポーチ、塀、鉄格子などの塗装やと目地の打ち替えなどのシーリング工事を多くのお客様が希望されます。
屋根工事と関連する破風板や軒天、雨どいのなどの塗装も同様です。

したがって、「屋根工事と合わせてやシーリングや外壁塗装を行う」ことは板金工事会社に必然であると言えます。

このような背景から、定額屋根修理では塗装職人も自社で手配して直接工事を承っております。
弊社は高品質のシーリング工事と外壁塗装工事もお客様にご提供できることをお約束いたします。

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8.まとめ

・シーリング材は使用する部位により使い分けをする必要があります。グレードも様々な製品があります。

・シーリング材による補修は応急処置になります。根本的な不具合の解決には専門のリフォーム会社による改修工事が必要です。

・建物の隙間にシーリング材を充てんすることで、逆に雨漏りが生じたり、雨漏りが悪化することがあります。
建物の隙間は「雨漏りの原因箇所」の可能性がありますが、「雨水を排水する箇所」の可能性もあるため、十分な検証が必要です。

・屋根工事のスケジュールを基準に、外壁工事やシーリング工事の実施を検討してください。

・屋根工事と外壁工事は同時にリフォームを行うことが多く、定額屋根修理ではシーリングや外壁塗装の工事も承っております。