セキスイかわらUの正しいリフォーム方法【実例】

ブログ | 2016.05.01

「セキスイかわらU」と呼ばれる、40年以上販売が続いた屋根材があります。(現在は販売中止)
「セキスイ」の名前が付いたブランド力の営業効果もあり、屋根葺き替えの第一選択として認識されるほど、人気があった屋根材です。
しかし、現在では毎月数件、定額屋根修理では「セキスイかわらU」に関するご相談をいただいています。
本項では「セキスイかわらU」に関する問題とその対処法について解説いたします。

下記画像はセキスイかわらUで屋根を葺いた住宅です。(建築後約15年)
ご相談を受け、定額屋根修理で新しい軽量金属屋根瓦に葺き替えをさせていただきました。
IMG_0053

1.セキスイかわらUに関するご相談が増えています

「セキスイかわらU」は本物の瓦屋根のようなフォルムで、屋根カバー工法などにも対応できるため、全国で50万棟以上に使用された実績があります。

アスベストの健康被害による問題を受け、1990年8月、「セキスイかわらU」はノンアスベストの製品として再販売されます。
その後、この屋根は相次いでクレームが報告されます。
製造元の想定よりも、弱くて脆い屋根だったのが原因です。

運営会社の積水屋根システム株式会社(旧セキスイルーフテック)では、「セキスイかわらU」の販売を2007年に終了し、屋根瓦の販売自体も2013年に撤退しています。
現在、積水屋根システム株式会社はアフターメンテナンスのみ行っています。

下記画像も「セキスイかわらU」の現場屋根です。
当初は塗装を行う予定が、高圧洗浄で屋根の表面が傷付き、屋根本体の基材が露出しています。
結局、お施主様は塗装を諦めました。
塗装屋さんと協議した結果、塗装工事を取りやめ、弊社で葺き替え工事をさせていただきました。
セキスイかわらU 現場

2.ノンアスベストの屋根瓦問題

アスベストの使用が法律で禁止され、屋根製造会社はノンアスベストの屋根製品を開発し、販売することになります。
先陣を切ったのが、積水化学工業株式会社の「セキスイかわらU」です。
1990年8月のことです。
もちろん、過去の実績が全くない材質を現場で使うことになります。
販売当初の思惑とは異なり、この「セキスイかわらU」はアスベストのような力強い粘着性がありませんでした。
葺き替え後数年で表面の塗装が剥離し、ヒビ割れが発生してしまう報告が相次ぎます。
現在、この屋根の上を歩行すると、簡単に瓦が割れるほど脆い状態になっています。

尚、この問題は「セキスイかわらU」だけではありません。
実はこの時期に販売されたノンアスベスト・スレート屋根に、建築後数年でヒビ割れや剥離しやすいなどの報告がある商品が他にも存在します。
ニチハ株式会社の「パミール」、松下電工株式会社の「レサス」などです。

もしかしたら、このノンアスベスト屋根の問題が、屋根業界再編のきっかけになったのかもしれません。
積水化学株式会社は屋根の製造・販売から撤退します。
松下電工株式会社とクボタ株式会社は合併し、ケイミュー株式会社になります。
ニチハ株式会社は金属屋根製造会社であるチューオー株式会社を吸収合併し、金属屋根材を中心に取り扱うようになります。
三菱自動車、旭化成など大手企業による不祥事が問題視されています。
現代は大手の会社だからといって安心ができない時代です。

セキスイU瓦

3.「セキスイかわらU」の改修・リフォーム方法

もし、お客様の屋根が「セキスイかわらU」などのノンアスベスト成型屋根材だった場合、既存屋根を撤去・処分し、新しい屋根瓦に葺き替えることが最善策になります。
この手の製品は材質自体の問題であるため、屋根の葺き替え以外に根本的な解決には至りません。
軽量金属屋根瓦もしくは瓦棒屋根への葺き替えが一般的です。

塗装によるメンテナンスをすすめする業者も存在しますが、塗膜だけで屋根の品質維持は不可能です。
少しでも塗膜剥離が進ん場合、屋根そのものの品質が急速に悪化するからです。
また、塗装前に行う高圧洗浄によって、屋根の表面が傷ついてしまうリスクもあります。
この重要な情報を知らずに、塗装でメンテナンスを行う屋根をしばしば目にします。

割れた屋根材は飛散し、けがや事故の原因になります。
雨漏りが発生している場合は、腐食・劣化などが悪化します。
できる限り早期に葺き替えることをおすすめします。

下記画像は「セキスイかわらU」の剥離した塗膜です。
手で触れるだけで、簡単に塗膜が剥がれしていまうケースもあります。
IMG_2008

4.屋根瓦にアスベストが含まれているか確認

アスベストの健康問題をうけ、屋根メーカーがノンアスベスト成形屋根材を初めて販売した時期があります。
このタイミングでは、メーカーは屋根材のゼイ弱性を認識していなっかたはずです。
おおよその目安としては、1990年代に販売された成形屋根材が該当します。
この時期に販売された屋根で施工した現場は注意を要します。

現在販売されている成型屋根材、例えば「コロニアルクァッド」や「ルーガ」などは屋根材の品質が確立されているので安心してご利用いただけます。

一方、アスベストが含まれた屋根にも問題はあります。
屋根葺き替え時にアスベスト飛散防止のため、撤去・処分費用が高額になるからです。
この機会に、お客様の「セキスイかわらU」がアスベストが含まれている屋根か、確認してください。

4-1.アスベストが含まれているセキスイかわらUの製造年月日

アスベスト 製造年月日 対処方法
有り 1970年から1990年8月以前 塗装などの定期的なメンテナンス 葺き替え
無し 1990年8月以降 できる限り早期の葺き替え

4-2.目視による確認方法

下記のような状態であれば、ノンアスベストの「セキスイかわらU」である可能性が高いです。
【症状1】表面の塗膜が剥がれ、(白い)基材が露出している。
IMG_2006
【症状2】屋根の表面にたくさんのヒビ、大きな割れが目立つ。
IMG_0049

5.定額屋根修理による「セキスイかわらU」改修工事

定額屋根修理で改修した現場屋根をご紹介いたします。
現場は大阪府の高槻市です。
建築後約50年の家屋です。
16年前、既存瓦棒屋根の上に「セキスイかわらU」をカバー工法で重ね葺きしました。
「セキスイかわらU」の劣化進行に伴い、屋根を全面的に改修するご依頼をいただきました。
既存の「瓦棒屋根」と「セキスイかわらU屋根」を撤去し、「ガルバリウム鋼板製の瓦棒屋根」にリフォームいたしました。
セキスイかわらUのリフォーム工事
矢印
既存の「瓦棒屋根」と「セキスイかわらU」を撤去し、処分いたします。
新たに野地板と呼ばれる下地を張ります。
最初の瓦棒屋根から50年が経過しているため、既存の下地は劣化していました。
カバー工法で施工した「セキスイかわらU」の多くは下地が傷んでいるため、今回のような野地板張りが必要になります。
野地板張り セキスイかわらうの施工
矢印
新しく瓦棒屋根を張り、工事完了です。
瓦棒屋根の素材はガルバリウム鋼板です。
50年前のトタンに代表される金属素材に比べて、耐久性やメンテナンス性で優れた素材です。
これまでのような屋根に関するストレスもなく、安心してお過ごしいただけます。
高槻 屋根修理

6.まとめ

・「セキスイかわらU」のリフォーム方法は塗装ではなく、葺き替えが基本です。

・屋根製造会社がノンアスベスとして初めて販売した製品の多くは、建築後数年で急速に屋根瓦の品質が悪化します。
主な症状は「塗膜剥離」、「ヒビ割れ」です。

・被害が広がる前に、できる限り早期の葺き替えをおすすめします。

・大手の会社だから安心である時代でありません。
屋根の工事品質も同様です。
施工実績や会社の情報開示などをしっかり行っている会社に屋根のリフォームを依頼しましょう。

定額屋根修理は常にお客様の利益に適う正しい情報をご提供することをお約束いたします。